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ハーレムへの選択肢  作者: ひなた
天沢美海 前編
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「はい、早く手に入れたくて仕方がありません。一応ですが、予定を教えて下さい。一方的に私の都合を押しつけるわけには生きません。そもそも、私の希望を通してもらっているのですから」

 なんて優しい人だなんだろう。天沢さん、さすがだ。

 俺の中の天沢さん好感度が、急上昇していくのがわかった。どうしよう。


 ①見栄を張る ②白状する ③教えない


 ーここは②にしましょうかねー


 しかし好感度が高いとはいえ、予定を教えるという行動には抵抗がある。

 だって天沢さんの予定が埋まっている。その事実を先程突きつけられたところなのに、俺の真っ白な予定を言うだなんて、少し悔しい感じがするじゃないか。

 天沢さんは人気者で、俺はハブられ者で、それくらいのことはわかっていて。

 それでもなんだか、一緒にいるのは不釣り合いだって、どうしても思ってしまうじゃないか。

「予定なんて、一つも入っていないので、大丈夫ですよ。これから入ることがないとは言いきれませんが、天沢さんが早めに日にちを教えてくれれば、その日は避けられるよう努力しますので、心配しないで下さい」

 これから予定が入ることなんて、きっとないだろうな。

 予定だなんて、年に数回のレアっぷりなんだから。

 それに誘ってくる相手だって、ほとんどが両親だ。友だちに誘われる、友だちを誘う、などの経験は滅多にない。少なくとも、去年は一度もなかったと思う。

 だけど予定がない、で終わらせてしまうと、あまりに寂しい人のようで嫌だったんだもん。

 そんな俺を天沢さんはクスクスと笑っている。どうしよう。


 ①笑うな ②何がおかしい


 ーここは①だそうですー


 笑われれば笑われるほど、恥ずかしくなってくるようだった。

「笑うな」

 嫌な笑みを浮かべ続けているので、子どもみたいだとは思ったけれど、俺は天沢さんにそう言った。

 すると更にクスッと笑い、俺の唇に細い人差し指を重ねてきた。

 ときめいてしまうなんて、不覚である。天沢さんは俺にとって、接しやすい相手であり、憧れであり、仲の良い人なのだ。

 天沢さんは意識してくれていることもわかったし、仲の良い女性と俺も思ってしまっている。

 でも、それでもっ、……ときめくというのはなんだか、悔しいような気がした。

 わかっているんだよ? 天沢さんのが絶世の美女だってことは、わかっているんだよ。

 理解はしていても、仲間というような認識ならば、相手にときめくのは不覚なのである。

「ボソッと呟く感じがとても可愛かったですよ。童顔でそれをコンプレックスとしている男子中学生、または男子高校生のキャラクターが、俺はもう子どもじゃねぇとか、チビって言うなって怒ろうとして、だけど怒ったらまた子ども扱いされるからって気にして、ボソッと言った、みたいな感じがします!」

 と思ったら、ときめくくらいは、なんともなかったらしい。

 驚くほどのスピードで、早口に天沢さんはそう言ってくる。

 彼女の気持ちはわからないでもないけれど、そこまで高速で言われてしまうと、聞き取れるレベルを超えているので、俺は戸惑いを隠せなくなってしまう。

 それに、俺はそんなタイプじゃないと思うんだ。

 だって可愛い系だろ? 俺はそれじゃないだろ。どうしよう。


 ①否定 ②お礼 ③喜ぶ


 ーここは③になるんだそうですよー


 ただ自分がそうじゃないと思っていても、そう言われると嬉しくなってしまう。

「あり、ありがとう、……ございます。それは、褒めて下さっていると、取っても良いのですよね?」

 首を傾げた俺に、天沢さんは大きく頷いてみせた。

「もちろんです。可愛いと言っているのですから、褒めているに決まっていましょう」

「可愛いなんて言われていませんし、男に可愛いは、褒めているように思えませんよ」

 天沢さんは嬉しそうに語っているのだけれど、さすがに俺は温度差を感じた。

 嬉しい、嬉しいんだよ。天沢さんが可愛いって言ってくれているんだから、俺としても、それは素直に喜びたい。

 しかし、あまり熱い思いをぶつけられてしまうと、多少引いてしまうのもわかって欲しいのだ。

 気持ち悪いなどということは決して思っていないんだよ? でも、なんか、あるじゃない。

 嬉しいんだけど、自分のことを熱く語れるほど自分に自身もない俺だから、どうしても温度差があるんだよ。

 俺の気持ちは、言葉ほど冷静でいられないけどね。

 彼女の語りからは、直接的な言葉になっていなくても、可愛いと感じてくれているのはわかった。それは、アニメを見る人ならば、簡単に伝わる例えが使われているからだろう。

 そして男の娘なども好きだったりする俺からしてみれば、男に可愛いは十分な褒め言葉だ。

 童顔をコンプレックスにしている男子中高生というキャラクターも、数人イメージが湧いてくるくらい、好きであったりする。

 だから俺にとっては、褒め言葉に違いないのだ。

 自分をそこに並べるような美少年だとは思っていないから、なんとも言えない気持ちもあるんだけどさ。どうしよう。


 ①嬉しい ②褒め返す ③本題へ


 ーここも③となりますー


 そういえば、逸れに逸れまくっているけれど、話を本題に戻さなければ。

 本題が何であったか忘れてしまうほどの話の逸れ方である。これは、俺の会話ベタがいけないのだろうか……。

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