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ハーレムへの選択肢  作者: ひなた
テスト勉強
31/223

 これは、お家探検なのだろうか。

 キャラクター紹介みたいな感じになるのだろうか。全員がとりあえず登場して、その後、個人回を一話ずつやって、あなたはだれと恋をする? に繋がるわけだ。

 これだとどちらかといえば、ゲームではなくゲームがアニメ化されたアニメかな。どうしよう。


 ①他にもだれか ②早く遊ぼう ③早く勉強


 ーここで真面目を発揮し③を選びますー


 鼻の下を伸ばしながら、新たな女の子を求めて歩いている場合じゃない。

 本来の目的を思い出せ。

 俺の目的の中には、雪乃さんとの距離を縮めるということも含まれている。しかし彼女が俺を誘った理由は、勉強を教わるためだったはずだ。

 二人の目的としては、勉強をすることなのである。

「雪乃さん、勉強はしなくていいんですか?」

「そうだったわ。勉強、そうよね、テスト、よね」

 俺の言葉を聞くと、雪乃さんは一瞬硬直して、急激に疲労が滲む表情をする。

 まだ何もしていないというのに、勉強という言葉を聞いただけでそこまで疲れるのならば、俺を遥かに超えつ勉強嫌いなのだろう。

 そんな彼女に、俺が勉強の楽しさを教えられるか。

 そして共に学ぶ楽しさを知り、隣で生きる道を選ぶ。そんな感じになるのかな。

 はあ、じゃあまずは、俺が勉強の楽しさを知らないとだ。どうしよう。


 ①頑張る ②諦める ③冗談じゃない


 ーここはもちろん②を選びますよー


 二人して無理をするのはよくない。ということは、諦めるしかないか。

「ほら春香、お姉ちゃんたちは勉強をするのよ。もう小学生になったんだから、春香も遊んでもらうばかりじゃなくって、遊んであげるんでしょ? 行ってらっしゃい」

 学校では絶対に見せてくれないであろう、優しく姉らしい微笑みと声で雪乃さんは促す。

 春香ちゃんも渋々といった感じだったが、小さく頷くと廊下を走り去って見えなくなった。

「一階は子供が多くて、少しうるさいと思うわ。少し汚れているけれど、二階の私の部屋まで来てもらえるかしら?」

 ドタバタとした春香ちゃんの足音が聞こえなくなると、会話のない二人の間は沈黙に包まれた。

 と思うや否や、元気な子供の笑い声が聞こえてくる。

 それはそれで幼児と縁がない俺は構わないのだが、溜め息混じりに雪乃さんは提案してきた。どうしよう。


 ①賛成 ②反対 ③お任せ


 ーここは③を選ぶとしましょうかー


 可愛らしい子供を見て癒されながら、できるだけ気持ちよく勉強をするもよし。

 静かな部屋で集中して、勉強を黙々と続けるもよし。

 俺としてはどちらでも全く問題がないので、雪乃さんに任せることにする。

「行きましょうか」

 そう行って雪乃さんが歩き出すので、黙って俺はその後ろに着いて行く。

 ちょ、ちょっと、待って?

 今、俺は……女子の家にいるんだ。そしてこれから、私室に案内されようとしている。

 これは青春が始まった証拠とも言えるのではないだろうか。

「どうしたのよ。部屋の前で突っ立ってんじゃない、早く入ってらっしゃいよ。提出物の山、あんただってわかっているでしょ?」

 雪乃さんはもう既に、部屋の中で待っている。

 意地悪な風が部屋の扉を閉めるものだから、自分で開いてはいらなければならない、かなり危機的な状況だ。

 中から扉が開く気配はない。

 ああ、本当にこの扉を開いてもいいんだろうか。

 扉を開き中に足を踏み入れたとき、俺の中で全てが変わってしまうような気がした。どうしよう。


 ①入る ②帰る ③迷う


 ーいい加減①を選びましょうー


 しかしいつまでもここで迷っていても仕方がない。

 そもそも俺は、雪乃さんに誘われたんだ。入らなくてどうする。

 勉強。そうだよ。俺はただ、勉強をしに来ただけなんだ。何もやましいことをしようと言うわけではない。

 何を迷う必要があるのだろうか。

 自分を宥めて、扉を開く。

 着替え中ですキャッなんてことや、何見ているのよ変態なんてことはない。彼女だって俺が来るのを待っていたわけなのだから、当然といえば当然なのだが。

 呼んでおいて、着替え中に入ってこないでよ変態! なんて理不尽以外の何物でもないからね。

 ラッキースケベを期待した気持ちがないわけではないが、普通に待っていてくれてよかった。

「廊下で何してたのよ。早く、勉強を教えなさいよね」

 教わる立場なのに、どうしてそんなに上から目線でいられるのか。

 不思議に思うが彼女の雰囲気はそれを許させてしまう、恐ろしい力を持っていた。どうしよう。


 ①呆れる ②憧れる ③突っ込む


 ー意外にもここで①を選ぶらしいですねー


 本当に呆れる。

 堂々とした彼女の態度に。そして、そんな彼女にデレデレしている俺に。

 あんまり彼女のことを考えていると、気持ち悪くなっちゃうから駄目だ。

 あくまでも俺は、勉強をしに来ただけなんだ。

「早くしなさいよ! まずは何から始めるの? あんたの得意教科でいいわ」

 春香ちゃんがいたときとは全然違う、彼女の冷たい言葉に心が折れそうになるが、とりあえず俺はバッグから手に取った教科書を出して、勉強を開始することにする。

 雪乃さんからの指定はないらしく、教科は俺の得意なものと彼女は言う。

 これならば、少しでもマシな教科を選択し、賢いふりをできるかもしれない。どうしよう。


 ①得意教科を ②苦手教科を ③ランダムで


 ー③に対する謎はありますが普通に①で結構ですー


 どうせ別の教科もやることになるのでは?

 なんてことを思いながらも、俺は彼女に従い、俺の得意教科をやることにする。今日授業があってくれたおかげで、ちゃんと教科書やノートなども持っている。

 大丈夫。得意教科、得意な教科なんだから。

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