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第65話 冒険者の街に向けて

 屋敷に到着すると、ジェームズに冒険者の街、ハイムに行って迷宮の調査をする旨を伝える。


「すまん。また、しばらく家を空けてしまうことになりそうだ」

「かしこまりました。お屋敷のことは我々にお任せを」


 冒険者という稼業をしていると、一点の所に留まっているという事の方が少ない。

国中、時には世界にも飛ぶことがある。


「よろしく頼む」


 そう言うと、ヴィムは明日の準備を開始する。

食料や飲料をマジックバッグに突っ込んで行く。

それから、旅に必要と思われるものをできる限り突っ込んだ。


「明日は朝から出発しよう。朝の8時に庭に集合だ」


 ヴィムはハナとミサに向かって言った。


「分かりました」

「承知した」


 二人ともすぐに了承してくれた。


「それじゃあ、俺は寝るよ。おやすみ」


 明日は早いということもあり、今日はこれで就寝することにした。


「「おやすみなさい」」

「二人も早く寝てねー」


 ヴィムはそう言うと、寝室へと向かって行った。

そして、ベッドに入るとやがて意識を手放した。



 ♢



 翌朝、7時に目が覚めた。

この時間に起きるのは久しぶりな気がする。


「おはようございます。朝食の準備ができてますよ」


 アーリアがそう言った。


「ありがとう」


 ヴィムは朝食を取る為にリビングへと向かった。

朝食は軽めくらいがちょうどいい。

出されたパンを齧りながらヴィムは思う。


「おはようございます。旦那様」


 食事を終える頃にジェームズが声をかけてきた。


「おはよう」

「本日、使用される馬車を庭に用意しておきました」

「助かるよ。いつもありがとう」

「いえ、これが仕事ですので」


 ジェームズはそう言うと仕事に戻って行く。

優秀な執事がいると本当に助かるということを痛感する。


 朝食を終え、庭に出ると一台の馬車が停車していた。


「おお、相変わらず立派な馬車だな」


 馬車の側面には国王陛下からもらったアーベル家の家紋が描かれていた。

これも、陛下が手配してくれたのだろう。

本当に感謝してもしきれないほどに陛下にはよくしてもらっている気がする。


「ヴィムさんおはようございます」

「おはようございます」


 ハナとミサは既に起きて、庭に居たようである。


「おはよう。二人とも早いんだな」

「ちょっと早めに目が覚めてしまいまして」

「私もです」


 二人は苦笑いをしながら言った。


「じゃあ、そろそろ出発しようか」

「そうですね」


 時刻は8時を回ろうとしていた。


「本日も御者を務めます、ロルフでございます。よろしくお願いいたします」


 ロルフは粛々と一礼をした。


「よろしくお願いします」


 ヴィムも軽く会釈をする。

ロルフさんなら道中も安心だろう。


「よし、行こう」


 ヴィムはミサとハナに手を貸して馬車に乗せる。

最後に自分も馬車へと乗り込む。


 その時、屋敷の中からジェームズとアーリアが出てきた。


「「行ってらっしゃいませ」」

「行ってきます」


 ジェームズとアーリアに見送られて、馬車はゆっくりと進み始めた。

そのまま、馬車は王都の貴族街を抜けて中央通りを通る。

西にある貴族用の門から王都を出ると、冒険者の街であるハイムへと向かう旅路がスタートしたのであった。

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