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第57話 飛行魔法

 王宮図書室に行った翌日である。

ヴィムはディオン伯爵の元を訪ねることにした。


「ディオン伯爵の所に行ってくる」

「左様でございますか。お一人で行かれるのですか?」

「ああ。ちょっと聞きたいことがあるだけだし、試したいこともあるしね」


 ジェームズにそう言うと、テラスへと出た。


「デイオン伯爵様の元に行くのでは?」


 ジェームズは不思議そうな顔を浮かべていた。


「さて、物は試しと行きますか」


 ヴィムは自分の体に魔法を展開する。

すると、足元に魔法陣が現れて体がゆっくりと浮き上がった。

そう、飛行魔法である。


「こ、これは……」


 ジェームズは驚きの表情を浮かべる。


「うん。成功だね」


 ヴィムはそこから少し動き回って見た。

騒ぎを聞きつけたアーリアとハナもテラスにやって来た。


「飛んでる……ヴィム様が飛んでます!!」

「もはや、驚きすぎて呆れてしまいます」


 ハナの方は何やら聞き捨てならんことを言った気がするが、まあいいとしよう。


「じゃあ、ディオン伯爵の所に行ってくる! 夕方には帰ると思うからよろしく!」


 ヴィムはそういうと高く飛び上がった。

そのまま、バーロンの街へと飛び立った。


 ヴィムは体の周りに防壁を展開し、風の直接当たるのを防いでいた。


「うん。これなら、すぐにバーロンの街に到着しそうだな」


 通常は半日ほどかかる距離だが、このペースで行くと1時間くらいでバーロンの街まで到着するはずである。


「これはなかなか便利だな」


 そんなことを考えながら進んでいると、バーロンの街が見えて来た。

ヴィムはその手前の目立たないところで降り立った。

流石に街中で降り立つわけには行かないだろう。


 バーロンの街に入ろうとした時、検問が行われていた。

いや、検問は毎日行われているのだが、今日は何だかいつもより慌ただしく厳しい感じがした。


「すみません。何か身分を証明するものはお持ちですか?」


 検問をしている衛兵に尋ねられた。


「これでいいか?」


 ヴィムは懐からギルドカードと王家の家紋が描かれたカードを提示した。


「失礼しました! 王家所縁の方でしたか!」

「いえ、それより何かあったんですか?」

「はい。国際指名手配されている殺し屋によく似た人物が目撃されまして、警備を強化しております」

「そうだったのか。まあ、頑張ってくれ。何かあれば報告する」

「ご協力、感謝します!」


 衛兵は勢いよく敬礼した。

やっとの思いでバーロンの街へ入ると領主邸へと向かった。


 街並みは相変わらず綺麗だし、民も生き生きとした表情をしている。

ディオン伯爵がどれだけ民に慕われているのかがよく分かる光景である。


 大通りを抜けた所に大きなお屋敷がある。

ここが領主邸だ。


「ディオン伯爵に会いたい」


 領主邸に到着すると、門の警備をしている人間に声を掛けて王家の家紋が描かれたカードを提示する。


「ヴィム・アーベルが来たと伝えてくれ」

「分かりました」


 しばらく待っていると先程の警備の人間が戻って来た。


「伯爵様がお会いになるそうです。どうぞ」


 門を開けると、ヴィムを中に招き入れてくれた。

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