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第109話 北の辺境へ

 翌日、ヴィムたちは北の辺境へと向かうことにした。

昨日の夜にジェームズと詳しく話したため、獣人の街があったと思われる範囲はだいぶ絞り込んだ。

後は、自分の目で確かめるしかないだろう。


「じゃあ、行きますか」


 ヴィムは、ハナとミサ、ディアナと共に屋敷の庭へと出る。

そこで、ヴィムは召喚魔法を展開する。


 ゆっくりと黒竜が姿を現した。


『主人、ついに私の出番でございますか?』

「ああ、この前言った北の辺境へ行って欲しい」

『承知しました。お乗り下さい』


 黒竜は体勢を低くして乗りやすいようにしてくれる。

まずはヴィムが黒竜の背中に飛び乗った。

そこから、ハナとミサに手を貸して、黒竜の背中に乗せる。

ディアナは手を貸さずとも、軽々と飛び乗った。


「我だけ扱いが雑な気がするが?」

「ディアナは自分で乗れるだろ」

「まあ、そうだが、理不尽じゃ」


 ディアナは少し不機嫌になっている。


「結構高いんですね」

「ああ、そうだな。でも、ここからもっと高くなるぞ」


 体勢を低くしくれているが、黒竜は竜の中でも特に全体が大きい。

低い体勢でも、十分に高く感じることだろう。


『では、参ります。振り落とされないように気をつけて下さい』

「分かった。よろしく頼むぞ」

『かしこまりました』


 ヴィムが首の部分を撫でながら言う。

そして、黒竜は翼を広げてゆっくりと飛び立った。


 地面がどんどん遠くなって行く。


『飛ばします』


 黒竜は一気にスピードを上げて北へと向かっていく。

ヴィムの前髪が風で持ち上げられる。


「やっぱり気持ちいいな」


 黒竜の背中は結構乗り心地がいい。

下を見ると、既に街をいくつも越えているのがわかる。


 馬車なら何時間もかかっているであろう距離を、黒竜は数分で進んでいく。

やっぱり黒竜に頼んで正解だった。


 ヴィム自身も飛行魔法は使えるが、他の人も一緒に飛行するとなると、魔力も使うし神経も使うのだ。

その点、ヴィムはただ乗っていればいいので黒竜の空の旅も悪くないと思っている。


「ヴィムさん、すごいです! すごく高くて気持ちいいです!」


 ハナが嬉しそうにはしゃぎながら言った。


「そりゃ、良かったよ」


 当然ながら、ヴィム以外の人間が黒竜に乗ることは随分となかったはずだ。


 あっという間に約半日が経過しようとしていた。


『主人、そろそろ目的地だと思います』

「分かった。ゆっくり飛行していてくれ」

『かしこまりました』


 ヴィムの指示で黒竜はスピードを落として行く。

スピードが落ちたタイミングで下を見ると、辺りはほとんど森である。


《千里眼》


 ヴィムの目が青く光る。

肉眼では見えない位置まで今のヴィムなら見ることができる。


「見えた。黒竜、もう少し真っ直ぐ行ってくれ」

『承知』


 黒竜はそのまま真っ直ぐ飛行する。


「あそこだ、あそこに降りてくれ」

『承知』


 そこは明らかに不自然に森が開けていた。

まるで、人口的に森を開拓したような感じだった。

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