大陸への挑戦
「本日は、大陸へ向かおうと思います!」
「さあ、張り切っていくですよ!」
「おう頑張れ」
「アタイたちは先にファストトラベルで行ってレベルアップクエスト受けているからニャ」
「私はー、素材集めしようかなー」
「ゴメンなさいね、面倒見ようかと思ったけどこっちもやること多いのよ。フレンドから誘われて、ハードモードやらないかって」
「ヤンバルクイナさんから火炎瓶を強化できる素材が見つかったと言われたので、そちらに行きますのであしからず」
「某も、条件緩和のおかげで今まで取得できなかったスキルを使えそうなんでござる。それゆえ、そちらに赴く次第でござる」
「あ、あはは……すまんでござるな。拙者も、今回は自分のレベルアップを優先させていただくでござる。条件が緩和してもレベルが足りなかった次第で」
「……この薄情者ぉ!」
「速攻でたどり着いてやるですからね!」
「どんな捨て台詞なんじゃ」
ライオン丸さん、あるたんさん、桃子さんがレベルアップのために教会から飛んでいき、他のみんなもそれぞれの用事のため別行動。
結局、僕とアリスちゃんのみで大陸を目指すことになった。いや、そもそも他のみんなは大陸からこっちに来たんだから当たり前だけど。
「それで、どうするですか?」
「うーん……出来れば人手が欲しかったんだけど、新規の炭鉱夫っていたっけ?」
炭鉱はじまりのプレイヤー、いつでも歓迎しています。
「見かけないです……ほら、大陸に移動する手段がまだわかってないですから、すぐに作り直しちゃうんです」
「あー、そっか。足止めは食らいたくないもんね」
「調整が入ったので、今はかなりスムーズになったですから言うほど時間はかからないですけどね」
「のんびりやりつつ効率が良い環境なんだけどね」
どこかに大陸へ移動するためのクエストはあるのだろうが……何だろう。面倒だなぁって気分になる。
まあ本当は辺境スタートでも一週間程度あれば大陸に行けるんだろうけどね。他の辺境スタートのプレイヤーは最速でそれぐらいだったみたいだから。僕らの場合はイベントを優先したり、村づくりに没頭していたりなど遠回りしていたから今までここにいたわけだし。
そもそも経験値効率良いから大陸への移動は後でも良いかなぁってスルーしていたのを、今頃になって動き出した感じだ。経験値効率はリヴァイアサンもしくはエルダー(海)ハードモードをガン回ししたほうが良さそうなんだけど、良い機会だから大陸に行こうとしているだけだし。
というか、いい加減アクア王国内でしか遊んでいないの飽きた! 地道に普通の移動方法を探せば数時間で大陸にいけるはず……アクア王国内のクエストだろうし。でもそれはそれでやる気にならない。
「やっぱり例の方法を使うか」
「……ちょっと嫌な予感がするです」
「まず取り出したるは、このボート。見てください、この滑らかなボディ!」
「あー、みょーんさんが前に言っていたやつです。これ」
「さらにこちらのホウキをお付けして、なんとお値段変わりません!」
「そりゃそうですよ。そのままお兄ちゃんが使うんですから」
「今ならなんともう一本お付けして、お値段そのまま! はい、アリスちゃんの分」
「いきなり素に戻らないでください――やっぱり、アリスの考えた通りのやり方です」
「というか、そもそもこの技法編み出したの君だからね」
「……あー、そういえばそうです」
というわけで、いつものジェット移動である。
ふと思ったけどこれ仕様上大丈夫なの?
「確認しましたけど、大丈夫だそうですよ。出来るものならやってみろって設定したって言っていました。あと、さすがに移動時間が長くなってくる頃合いだから、そろそろ長距離移動手段を実装するって聞いているです」
「それはリークして大丈夫なのだろうか……」
「さぁ? でも要望は来ているですから準備は進めているって聞いたです」
そりゃ、広大なマップを移動するんだからそういう不満は出てくるか。
今まであまりその手の話が出なかったのは、クエストを進めると他の街へワープすることができたので気にならないことが多かったからだ――と、みょーんさんに聞いた。だが、プレイヤーのレベルが上がってきたことで村や町が近くに無い地域へ移動する場面も増えたので、そういった部分で不満が出始めたという事だろう。
ちなみに、僕とアリスちゃんはそもそも移動範囲が狭すぎたので特に不満は感じていなかった。
「まあ、今絶賛不満を感じているわけだけど」
「そもそも普通にクエストを探すんじゃだめなんですか?」
「それもいいけど……直接海を渡ったほうが面白いかなぁって」
「…………お兄ちゃんって、時々すごく頭が悪くなるですよね」
「ヒドイ暴言だ」
「事実を言ったまでです」
最近、アリスちゃんが歯に衣着せなくなってしまったなぁ。
ある意味距離感は縮まっているんだろうけど。
「まあやるですけどね」
「よし、出発だ」
「とりあえずどの方面を目指すです?」
「まずは例の幽霊ボスが出る島かな。あそこでいったん休憩してからドワーフの工業都市あたりを目指そうかと」
ヒルズ村、幽霊の島、ドワーフ工業都市の三か所はほぼ直線で結べるルートだ。まっすぐ進めばいいので、分かりやすいし、移動距離も一番短い。
ただ、問題が一つ。
「ゆ、幽霊ですか……」
アリスちゃんが幽霊嫌いだという事である。
「だ、大丈夫だから! 海岸線には出てこないし、あくまで途中で休憩するだけのつもりで寄るわけだし」
「なら、いいですけど……うう、幽霊は苦手です」
「とにかく行こう」
「はい、です」
そんなわけで、ボートに乗り込んで装備した箒【炎のおそうじロッド+8】から炎を噴射させる。
というか今更だけど、別に普通の杖でもいいんだよね……なんでこんなデザインにしてしまったのか。その場のテンションと言うものは怖い。
水の中だと使えない方法だが、あくまでも水上である。なので、高速で移動できるのだ。
「快適な速度だな」
「MPはガンガン削れていますけどね。いくら消費量を抑える効果があっても、いつか尽きるですよ」
「だから途中休憩をはさむんだよ」
あと、ジェット噴射させ続けるわけじゃなくて時々噴射をやめている。
水上なので常に噴射し続けなくてもある程度速度があればそのまま前に進んでくれるからだ。これが地面だと摩擦ですぐに止まるし。
「そもそもボートを水上で使ったの初めてです?」
「……そういえばそうかも」
いや、釣りする時に使ったと思う。でも、地上で使ったときの方が圧倒的に多い気もする。
そのせいなのか、水上で使った印象が無い……
「つくづく普通の遊び方をしないな!」
「……お兄ちゃん、自慢げに言う事じゃないです」
「まあ、確かに」
「あ、そろそろ島が近いですよ」
「ここからはゆっくりと海岸に近づけて、上陸しよう」
水中でも足がつくところまで近づいていき、そこでボートから降りる。ボートはインベントリにしまい、海岸まで歩いていった。
「幽霊が出なければ、綺麗なビーチなんですけど」
「太陽も綺麗だしなぁ」
ゲーム内時間で昼頃だから、太陽が輝いている。ちょうど真上か。
幽霊の心配はしなくても大丈夫だったかもな。この時間帯なら出ないし。
「それじゃあ、MP回復しながら反対側まで行こうか」
「ですね――あ、岬が見えるですよ」
ドワーフ工業地帯の近くには、とても尖った形で突き出した岬が存在している。
前に来たときはそこまで見ている余裕はなかったが、遠くのほうに岬が見えていたのだ。
「十分目指せる距離だな……村からこの島までで、だいたい三分の一か」
「かなりいいペースで進めたです」
「そうだな。これなら普通に今日中に到着できそうだ」
岬に角度を合わせてボートを出して、再び箒を構える。
MP回復手段は十分に用意してあるし、思った以上に早く到着できそうだな――そう、思っていた。
だけど、一点だけ大事なことを忘れていたんだ。
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【海の中から】海底調査日誌【こんにちわ】
1.黒い村長
ジェット移動を組み合わせた水上移動、まさかボートの耐久値が無くなるとは
というわけで、急きょ予定を変更して海底調査をお送りします
2.ピンクキャット
海流に飲まれてかなり深い所に沈んでいってしまったです(´・ω・`)
3.名無しの剣士
どういう状況かわからねぇw
4.盗賊団
何してんだこの村長
5.名無しの魔法使い
今、どういう状況なのかくわしく
6.黒い村長
そろそろ大陸行きたいなーと思ってピンクキャットと二人でボートに乗り込み、炎魔法によるジェット移動で突き進んだ
ボートの耐久値がゴリゴリ削れていることに気が付かず、途中でボートが大破
そして海流に飲まれて深海に突入したところ
いっそ開き直って海底探索中
7.ピンクキャット
きもちわるいお魚いっぱいです
お兄ちゃんが頭が光っている魚を倒したら、ライトみたいなアイテムが手に入ったのでそれで暗くないですが
8.黒い村長
チョウチンアンコウ的なモンスター『デントーウオ』を倒したら、光源アイテムが手に入った
おかげで暗い深海も楽々探索可能
とりあえず、大陸のほうを目指して歩いていく
9.名無しの剣士
いくら水中でも呼吸できるからって余裕なのおかしい
10.怪盗紳士
また妙なことをはじめたな
11.名無しの盗賊
っていうか村長、まだ大陸に行っていなかったのかよw
いや、この間大陸側の町で見かけたけど? あれ?
12.名無しの魔法使い
この間はイベント限定マップに来ていたからでしょうが
普段の状態では到達していないから、正式に大陸に入ったわけではない
いくら辺境スタート組でも大陸に到達していないのこの二人ぐらいだけどw
13.ピンクキャット
しまったです!? キャットはほぼほぼ炎系魔法に頼っているですから、水の中は不利です!?
14.黒い村長
イベントの時もエルダー周回メインだったし、気にしなかったんだよなぁ
15.ピンクキャット
ちょっと攻撃力落ちるですけど、別属性の装備に切り替えておくです
16.黒い村長
了解
17.名無しの漁師
こいつらw 音声入力に頼り過ぎだw
会話垂れ流しじゃねぇか
18.名探偵
そもそも海底から脱出できるのかね?
19.黒い村長
正直微妙……海底、っていうか海溝だし
20.名無しの剣士
死に戻ったら?
21.名無しの魔法使い
死に戻った方が早いんじゃ……
22.名無しの盗賊
そういえば、海の中は広くて調べ切れていないんだよなぁ……どこかにダンジョンとかあるだろうけど、目星がついていない
イベントの時も海の中を調べる前に、エルダーとか効率のいいダンジョン見つかっちゃったし
23.黒い村長
そうこうしている間にサメが登場した
音声入力にしているとレス使い過ぎになるから切っておく
24.名無しの剣士
またサメか
25.名無しの武闘家
サメが出てくるときのBGM、パロディにしては直接すぎやしませんかね
26.名探偵
攻撃力は高いが、防御力は低い。遠距離攻撃で有効な手を持つプレイヤーはぜひとも狩りに赴いてほしい。効率が良いぞ
27.名無しの魔法使い
実際、40から50までのレベル上げにはかなり有効だった
28.怪盗紳士
レアアイテムの【ふかひれ】がなかなかいい値段で売れる
あと、【料理人】に転職している人、料理素材としても優秀らしいぞ
29.黒い村長
何とか殲滅
キャットが風系覚えたことで、前よりは機動力が落ちたけど安定して空中機動できるようになっていて驚いた
いや、水中なんだけどね
30.名無しの結界術師
まだ強くなるのかよ……
31.名無しの盗賊
次のPVPイベントでは雪辱を果たしたい
32.ピンクキャット
望むところです! 次はタイマンで勝負するつもりです!
33.名無しの結界術師
あ、さすがにタイマンは無理だわ
どうやっても突破されそう
34.名無しの盗賊
遠慮しておきまーす
35.怪盗紳士
熱い掌返しw
あ、俺は挑戦受けるぞ
36.名探偵
吾輩も、全力でお相手しよう
37.永遠の旅人
叩き潰してやるぜ
38.太公望
かかってきな――俺っちが倒してやるからよ
39.ピンクキャット
ええ……トップ3は分かるですが、あなたは違うんじゃ……
40.黒い村長
あっさり負ける未来しか見えない
41.名探偵
見事にオチをつけてくれてありがとう
42.太公望
え、酷くない?
43.怪盗紳士
そもそも君、戦闘向きじゃないだろうに……
44.黒い村長
…………次があったら、僕も参加しようかな
45.太公望
圧殺されるのでいいです
46.怪盗紳士
ロードローラーよりもヒドイんで遠慮したいです
47.名探偵
君、相手に何もさせずに勝とうとするメタ読みタイプだろうが
地下遺跡での『鋼の獅子王』戦でビビったプレイヤーが何人いたことか
いや、耐久は紙だから一撃当てれば勝てそうだが
48.永遠の旅人
最近になって、【村長】がいかにステータス低いのか判明したのに、普通に戦えているのおかしいんだからね
本当は、生産系スキルの組み合わせで効率よくアイテムを集めたり作ったりする職業なのに、スキルの組み合わせが出来ることを活かして戦うとか……
あ、知り合いが【頭領】になったんだけど、そっちは戦闘系だった
49.黒い村長
ヒドイいわれようである
紙なのは対策はしている
とりあえず、全員次のPVPイベントでボコるからな……いつになるかわからないけど
50.名無しの力士
しばらくは開催されないそうですが
51.名無しの剣士
話が脱線し過ぎではないか?
52.ピンクキャット
特に面白いものはみつからないです
マップを見ながら、方向確認して歩いているですが……特に何もないですね
53.黒い村長
そろそろ時間的にもログアウトしようかなと思っている次第
どこか、いい感じの場所でやめて続きは明日にしようと思う
54.名無しの漁師
海の中でログアウトするとどうなるっけ?
55.名無しの魔法使い
ある程度は同じ場所で開始できるけど、近くのチェックポイント的な場所に飛ばされるパターンもある
何かの施設の近くとかなら確実にそこからなんだけどね
56.髭の鍛冶師
ちょっとレベル上げの息抜きに見に来てみれば……あの二人は何をしておるんじゃ
当初の目的忘れておらんか?
57.魔女は奥様
えっと、どういう状況なのかしら?
58.カーニバル
妙ニャことにニャっているニャ
59.名無しの魔法剣士
村の住人たちが見に来たw
っていうか、一緒じゃなかったのか
60.エルフの錬金術師
メッセージで教えられたので来ました
あと、大陸に到着していないのがその二人だけなので
61.名無しの武闘家
島スタートはキツイよな……俺も西の孤島スタートで、大陸に到着するまで大変だった
ちなみに俺は海賊に捕まって、脱獄クエストで大陸に入った
たぶん西の孤島が一番過酷なスタート位置なんだけど、なんで俺のほうが先に大陸に入っているんだ?
62.服屋農家
このゲーム、脱獄クエストいくつあるのかしらねー
あと村長たちは大陸に行くのを後回しにしていただけー
63.黒い村長
ちょっとルートからそれた場所だけど、海底遺跡を発見
ただ、入ると時間かかりそうだから明日にする
明日は18時ごろから再開するんで、よろしく
64.ピンクキャット
おやすみーです('ω')ノ
65.名無しの剣士
おやすみー
66.名無しの盗賊
相変わらず、変な引きを持っている人だ
67.名探偵
位置的にはどのあたりの話だろうか?
68.髭の鍛冶師
一番近い所を狙ったハズじゃから、ドワーフの工業都市からアクア王国までの間じゃな
69.怪盗紳士
まあ、力技で突破するなら一番近い距離を狙うか
っていうか力技の突破ってアリだっけ?
っていうか俺、アクア王国で移動用っぽいクエスト見つけたんだけど教えたほうがいいか?
70.名無しのサムライ
海の中まで作りこんでいる時点でアリでしょう
たぶん教えたところでやらない気はしますけどね
後続の人のために攻略サイトにでも載せておいてください
71.名探偵
ジェット移動も耐久値が減りやすいという形で黙認しているようなものだからね。移動用アイテムの実装が待たれる。そろそろ移動が辛くなってきた
それと、吾輩もそのあたりの海中はよくわかっていない。NPCの情報もなかった場所だから、レアなアイテムが眠っているかもしれないな
72.名無しの剣士
探偵さんが知らないって、相当なレアアイテムが眠っていそうだな!
73.髭の鍛冶師
まぁ、明日分かることじゃろう
実は聞きにこられたら教えるつもりでいたから、ワシもクエスト受注場所知っているんじゃが……村長、王城には近づかんかったからなぁ
嬢ちゃんも脱獄クエストの一件があったから避けておったし
74.服屋農家
あ、そこにあるのかー
75.怪盗紳士
一番目立つ建物なのに
76.魔女は奥様
一番目立つ建物だからこそ、探索を怠ったわね
素で忘れていただけっぽいけど
77.名無しの剣士
メッセージ送ればいいのに、なぜしないのか
78.名無しの盾使い
たぶん、村長たちは放置したほうが何か見つけてくれるから
というか、海底の情報少ないから俺たちも知りたい
79.髭の鍛冶師
時間かかるようなら手伝う
まあ、たぶん大丈夫じゃろ
ロポンギー君遠回りの軌跡
・炭鉱時代、ボスを倒していたので先に進めたのにイベントに気をとられて忘れていた
・村にたどり着いた後、村づくりを優先していた(橋づくりなど移動クエストを優先して進めればかなり早い段階でアクア王国にたどり着けていた)
・その後も主にイベント優先やダンジョン周回やスキル集めをしていたのでクエストはあまり進めていない
・真剣に探せば移動用クエストは見つかるが、他の事優先している
・今回みたいにすぐわき道に逸れる
・海アプデの時点で力技突破可能になっていたが、やる気にならなかった
・調整も入ったので、現在のバージョンならゲーム開始から丸一日(休憩挟みながら)使えば大陸にたどり着くことも可能
※あくまでも可能というだけ。想定は一週間ぐらいでレベルを上げつつ進めればいい感じに大陸へ到達できる




