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転生モーツァルトは女子アイドルを目指します  作者: ほうこうおんち
偶像(アイドル)でもあり創造者(クリエイター)でもあり
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完成!グレート・スケル女!

 戸方風雅は天出優子がもたらした、ヨーロッパの舞台での音楽活動を極めて前向きに捉えている。

 普段の彼は、売れ筋を分析し、売れると判断した曲を表に出す。

 ビジネスマン、商業主義者と一部から批判される所以である。

 しかし今回の戸方は、かなり違っていた。

 勝ち負けの問題ではないが、それでもそういう表現をするなら「勝ち目なんか無いかもしれないが、それでも何とかしてやる」という博打打ちのような心境だ。

 だから、失うものは何も無いと開き直れる。

 そして彼は、優子が頭を抱える一手を打った。




「スケル(ツォ)の皆さん、よろしくお願いします。

 ほら、皆、礼言いや!」

「(お願いしま)ッス!」

 大阪の姉妹グループ・アダー(ジョ)からリーダー垂水悠宇と、藤浪晋波(くには)、今長昇佳(のりか)がやって来た。

 このグループの歌が上手い3強かもしれない。

 となると、もう一つの姉妹グループからも来る……のか……。


「スケル女姉さん、よろしくお願いします。

 頑張ります!」

 殊勝な挨拶をして来たのは、広島の姉妹グループ・アルペッ(ジョ)のリーダー陸奥清華(さやか)、長門理加、筑摩紗耶の3人だ。

 変人グループと、知る人ぞ知る連中だが、他所行きにしおらしい態度だって出来るのが侮れない。


「皆さん、よく来てくれました。

 スケル女の皆さん、今回僕は姉妹グループの総力も結集し、一丸となってヨーロッパの音楽界に殴り込みをかけようと思いました。

 普段一緒に活動しない人だったり、兼任や限定ユニットでの活動で既に知っていたりと、様々でしょうが、良き化学反応が起こって素晴らしい結果を出すものと期待しています」

(ちょ、待てよ!)

 優子にはトラウマが甦る。


 藤浪の放浪癖には散々、従妹の盆野樹里が引っ搔き回されていた。

 今回、その面倒見役の盆野はいない。

 リーダーはいるが、この人は基本的に、重要な場合でもなければ暴走を放置してしまう。

 そうなると、盆野・藤浪両方と縁がある自分が世話役にさせられる可能性が出て来た。


 放浪癖と言えば、長門理加と筑摩紗耶も大概なものである。

 藤浪が「目指すならトップの座!」と、やたら高い場所に行きたがるのと別ベクトルで

「乗るなら夜行バスでしょ」

「フェリーとか最高!」

「ヒッチハイクも良いね」

「野宿すれば安くあがる」

 といった安い冒険をしたがる癖がある。

 その上で筑摩は言動がかなりおかしい。

 長門は、持ち歩いている縫いぐるみの腹話術で会話する以外は、まだ話が通じる。

 まあ、この2人に関してはリーダーにして、隠れ武闘派の陸奥清華が〆てくれるが、この女性も戦いを挑まれやすく、しかも応じやすいという更に危険な性質であった。


 ちなみに新人ながら全体的にスキルが高いと評判の最上妃芽は、人間的にはまともな女性で今回のメンバー入り候補に挙がったそうなのだが

「皮手袋に鉄の爪(ベアークロー)、右手のハンドウォーマーには電気鞭ヒートロッド、左手のハンドウォーマーには投擲にも使える苦無のような針、スカートの内側に改造された高圧ガス銃、靴の先からナイフが飛び出し、ポケットの中には各種暗器や紫外線照射装置、スタングレネードが入っていて、とても出入国審査をクリア出来ない」

 という事情からメンバー入り出来なかったそうだ。

「武器に頼るなんて邪道よねえ。

 人間、武器を持って産まれては来ないんだからさぁ、無手で戦う事を鍛えないとねえ」

 と、陸奥清華がぶりっ子ボイスで物騒な事を言って来ている。


 こんな面々を追加するのだ。

 中々頭が痛かった為、優子は戸方Pに

「もしかして、この人たちの面倒を見ろとか言いませんよね?」

 と、割と語気強く尋ねる。

 すると戸方Pは笑い

「いくらなんでも、高校1年生の君に、そんな重荷を背負わせるような事はしませんよ。

 今回は特別なんです。

 今、用事があって遅れてますけど、もうそろそろ助っ人が来る時間ですね。

 〆るのはその人たちにお願いします」

「助っ人?

 うちの姉妹グループはアダー女とアルペッ女だけですよね?

 他にどこから来るんですか?」

「あはは。

 君は二次元でしか物を見ていませんね。

 スケル女には、姉妹グループ以外にも関係者はいるじゃないですか」

 元物理学者らしい言い回しになる。

(理系の人間は、こういう相手に伝わらない言い方するよな)

 音楽における自分の事は棚の上に置いて、妙に気分良さげな戸方について内心毒を吐く。

 人間誰しも、気分が高揚している時はつくろっているものが外れ、素に近いものが出るものなのだ。

「あ、来ましたね」

 戸方がスマホを確認し、優子を下がらせ、全員に整列をさせる。


「お疲れ様です。

 あと皆さん、お久しぶりです。

 卒業してからしばらく経ったので、一から学び直すつもりで頑張ります」

 生真面目な挨拶をしたのは、スケル女先代リーダーの馬場陽羽(ひのは)であった。

 努力家で、未経験者から始めてリーダーにまで成長した彼女は、グループ全体から尊敬を受けていた。


「陽羽、硬いよ~。

 皆、お久~。

 卒業したおばさんが出しゃばって御免ね。

 でも、こんな面白い事、参加しないわけにはいかないじゃん。

 だから私も参加させて下さい!」

 そう言うのは、スケル女を長年引っ張っていた、在籍時最年長記録保持者の灰戸洋子である。


「この2人もフランスとドイツでのライブに、臨時メンバーとして参加します。

 皆さん、仲良くしてやって下さいね」

 戸方はそう言うが、皆は明らかに緊張していた。

 現リーダー辺出ルナは

「いやあ、ありがたい、ありがたい。

 国内だったら私だけでもまとめられたと思うけど、海外になるとちょっとねえ。

 私の力不足を助けてくれてありがとうね」

 と、自分の面子よりも実利を優先し、礼を述べた。

「いや、私も海外公演は初めてだけどね」

 馬場がそう謙遜し、

「私は入ってすぐ……10年……いや15年以上前にフランス公演に行ったね。

 その時は客がさっぱり入らず、ネットではガラガラ祭りとか馬鹿にされたんだよ。

 それ以降、スケル女(うち)は海外公演あまりしなくなったんですよね、戸方さん」

「嫌な事思い出させないで下さい。

 そうですね。

 だから、アジアでの公演まではしますが、ヨーロッパは久しぶりになります」


 上の方がそうやって旧交を温めている中、暮子莉緒が一つの提案をする。

「このグループ名、何にします?

 スケル女+アダー女+アルペッ女+OGで凄い事ですよね。

 ただのスケル女では勿体ないと思いまして」

「いや、私はスケル女で良いですよ」

「うちもそうです」

 アダー女リーダーとアルペッ女リーダーは、スケル女名義で良いと言っていたが、オタク女性は止まらない。

「これは私の好きな戦隊にあやかって。

 ジェットイカ〇スとジェットガル〇ダが合体して出来たグレートイカ〇スみたいな感じで、グレート・スケル女とかどうでしょう?」

 それに対し

「それ、余りにも安直ですし、そのジェット何とかって何ですか?

 私たち知りません。

 特撮で言うなら、合体怪獣ファイブキ〇グのようにフォークィーンズとかどうです?」

「それじゃ私たちじゃない新グループみたいじゃない。

 ここは音楽用語を使って、四重奏っぽくクワトロ・スケル女とかは?」

「どっかの大尉?

 それは冗談として、それじゃスケル女が4つあるような感じじゃない。

 ここはフュージョンした超戦士でスダペッ女OGってどうです?」

「スダペッって何よ?

 元々の意味を成してないじゃない。

 ここは、『一つ一つは単なる火だが、二つ合わされば炎となる。炎となれば、無敵だ』という格言通り、バスター女とかはどうでしょう?」

「二つじゃないし。

 バスターはどこから来た?」


 妙な議論で盛り上がるメンバーを見て、戸方は安心した。

 変な緊張感は無くなったようだ。

 あとは、馬場・灰戸・辺出で〆る所は〆てくれるだろう。


 そして合体したグループ名は、芸が無いと言われたグレート・スケル女をイタリア語に言語を合わせて

「イル・グランデ・スケル女」

 と決められた。


……そしてイタリア語に馴染みが無いメンバーは、「グレート・スケル女」と呼ぶようになったのだった。

おまけ:

モデルにしたグループは、こういうの既にしてますから、ネタ的には今更ってものになりますね。

48系は20周年記念で、レジェンドOG+海外姉妹グループからメンバー呼びましたし、

ハロプロはオールスターズとかありましたし。

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― 新着の感想 ―
馬場さんと灰戸さんが戻ったのでジェネシックスケル女 ヨーロッパでフロイラインも合流してファイナルスケル女にファイナルフュージョンするのかと思った
>>ジェットイカ〇スとジェットガル〇ダが合体して出来たグレートイカ〇スみたいな感じで グレート合体系屈指の苦戦ロボなグレートイカ〇スでいくのは不安しかありませんわ!
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