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ある日、子どもが不登校になりまして  作者: 千東風子


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15 中学三年生の十二月から年明けて二月

 

 中学三年生の十二月から年明けて二月

 気持ちが軽いと時間がたつのが早い



 月に一度の診察とカウンセリングを続けながら、薬の量を減らして様子を見て、中学校は別室登校で週に二、三日の登校。遅刻はするけれど早退はしなかった。

 進路が決まっているうことが娘の心の平穏を守っているようだ。嫌なことがあっても、卒業が見えていることも大きい。

 高校には入学前のアンケートで、中学校での学習が遅れているので、高校の科目にはつい行けないことを相談したところ、色んな生徒が来る通信制の学校はそんなことも織り込み済みで、中学校というより小学校からの勉強の復習コンテンツを動画配信しており、入学が決まった生徒には入学前から提供していることを早速案内してくれた。

 ただ、そもそも娘には学習習慣が身に付いていないのだ。しかも自分でやらなければならないとくると、勉強を後回しにしがちになる。身体を大切にするのを第一にしながら、口うるさく机に向かわせることに腐心する日々。


 高校の制服合わせに行った時の、娘の何気ない呟きが忘れられない。


「こんな未来になるなんて今でも信じられん」


 そうだね。君は、世界中が自分に対して無理解で冷たい敵ばかりだと思って生きてきたようだものね。その世界にいる人たちに助けてもらって支えてもらって認めてもらって受け入れてもらって、今ここにいるんだよ。


 自分で掴んだ未来を信じて、そして自分を信じて、それから、どうか周りを見て感謝できる人になってほしい。他人に言われて口にする感謝ではなく、心から。

 未来を明るいものだと感じることができたからこそ、次に進めるのだろうから。


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