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武具と魔法とモンスターと  作者: Pucci
【火炎の四大】
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◇厄介者の待ち伏せ



 日が完全に落ちた頃トラオムの街に集まり何かを話していた連中が解散、わたしはその集まりには結局顔を出さなかった。

 四大陸で集まって何かを話すって時点で相当重要な事なんだろうとは思うが、今わたしにとって重要な事は別にある。そのためにも、今のイフリーを指揮しているであろう存在に会わなければならない。どんな人がその座についているのか全くわからないが、出てくる人の中で知らない顔かつイフリー民と一緒にいるヤツを探して話を聞けば問題なく発見出来るだろう。


 ......ノムー、次にウンディー。そしてシルキが来て───あれがイフリーだ。

 デザリア軍人数名を連れている男女のどっちかが今のイフリー王と言える存在......どっちでもいい。


「───む? 何だ貴様。道の中心に立ちおって、邪魔だぞ」


「悪い、ちょっと聞きたい事があってな。イフリーの王様ってどの人だ?」


 ここに王がいる場合、わたしは相当失礼な事をしている事になるが、そんな事を今更考え気にしたって意味がない。失礼なんて今まで何度も繰り返し重ねてきたレベルだ。キレられたら謝るし、こうでもしなきゃ会って話すチャンスが先送りにされる。


「貴様、無礼者の鏡だな」


「そんな感じの事はよく言われる」


「......フ、俺様が今イフリー大陸の玉座を制圧しめいるアグニだ。貴様は?」


 この半裸なのに派手な男が今の王か───とりあえず会話する機会を拾えた。


「わたしはエミリオだ。イフリー王に話があって待ってた」


「王ではない。炎帝えんていと呼べ馬鹿者」


「......、エンテイってヤツに話があって待ってた」


 想像していた王とはだいぶ違う態度だったが、よく考えてみれば最初の王のイメージ───本物の王様に出会う前に自分の中にあったイメージはこんな感じの、偉そうな偉いヤツ、だった。

 ノムーの王様、ウンディーはセッカ、シルキはハッキリしていないが療狸ポコちゃんや眠喰クソネミも結構凄めな立場っぽいが、どれもみんな偉そうとは少し違ったからこそエンテイと名乗ったコイツに少し戸惑いと “なんだコイツ” 感が湧いてしまった。


「俺様は貴様に話などないぞ、女」


「......エミリオだ。千秋ちゃんの事で話がある」


「エミリオ......ほう、貴様が厄介者(エミリオ)か」


「? そうだ。で、ちょっといいか?」


 わたしの事を知ってる......風だが、そんな事は今どうでもいい。


「千秋ちゃんは───ッ!? ッ、なんっ......なんっだよいきない!!」


 突然の蹴り───肩を狙ってかかとを落下させてきたエンテイへ声を荒立てるも、わたしの声に耳を向ける気すらないのか追撃の蹴りを腹部にもらう。


「〜〜〜っ............」


「貴様がこの国の民を殺した魔女だろう? ならば死ぬしかないな」


「......あ? お前頭イカレ───痛ッ!!」


 会話する機会を拾えたって?

 笑えるぜ数十秒前のわたし......コイツは全く話にならない。

 こっちの話も聞かないで突然蹴りやがって......んで、なんだって? この国の民を殺した? この国の民?


「だったら───この国の民ってんなら何ですぐ助けなかった!? なんだシルキに放置した!? テメーが王だが何だか知らねぇけど、調子いい事喋ってんじゃねぇぞ!!」


 コイツが王だろうと知った事じゃない。

 今、四大陸がいい関係を築こうとしているのは知ってるけど───知ってるけどそんなもん全部知った事か(、、、、、)


「───テメーみたいなのが一番ムカつく(うっぜぇ)んだよ半裸......」


 マナを観察みた感じ、アイツは普通の人間じゃない。なら多少やりすぎても死にはしねーだろ。


「ほう......チビのわりにデカイじゃないか女」


 地属性───創成魔術【タイタンズハンド】で殴りつけて無理矢理話を......千秋ちゃんの事を聞いてもらう。

 巨椀の連撃は回避しなきゃいてぇレベルじゃ済まないぞクソ半裸。


「......模造か? いや、未完成か。つまらん」


「───ハァ?」


 半裸の男はタイタンズハンドに真っ向から挑む。わたしのタイタンズハンドは本来の単発(、、)ではなく連発型(、、、)に再構築していて、それを初見で見抜くのはほぼ不可能......いやそもそも、元々のタイタンズハンドを知っているがどうかって話なのに、アイツは......、


「見掛け倒しだな。軽すぎる」


 巨椀から放たれる打連撃を自分の蹴りで相殺し、その時の衝撃で強度や重さを確認して、次で蹴り砕きやがった......。


「今のが切り札か? ならば弱すぎるぞ女」


「チッ!!」


 剣を───剣はフォンポーチの中だ......くっそ、なら別の魔術でコイツの足を吹き飛ばしてやればいいたげの話だ。


 迫りくる男をわたしは本格的に攻撃する事を決めた瞬間、わたしの足元が抜ける。


「───!?」


 すぐに身体は地面につくも、今まで自分が立っていた場所からはだいぶ離れた位置に、それも尻から座る形で。わたしの下には影......これは。


「............なんの真似だ、貴様ら」


 同時に、半裸男にも別の現象が起こっていた。

 わたしと男の戦闘に割り込む形でドメイライト騎士のグリフィニアが鞘のまま男の蹴りを受け止め、ウンディーの猫人族ケットシーゆりぽよ が弓を構え、男の首筋には白蛇が短刀を触れさる。

 他のノムー、ウンディー、シルキも次に備えて構える。


「動くなよエミー。次は状況的に引っ張るだけじゃ済まない」


「......トウヤ」


 わたしの後ろに立っていた黒布を眼元に巻いた冒険者、トウヤが短く告げると大剣がわたしの前に。


「悪いなエミー、今はおとなしくしててくれ」


 濃い青色が流動するような大剣を脅しで見せたのはカイト。


「エミリオもアグニも止めてください。喧嘩なら別の機会に、周囲に迷惑がかからない場所で勝手に行ってください」


 喧嘩、という事でわたしと半裸の衝突を片付けるのは───ウンディーの女王セツカ。

 来てたのか、と思いつつ女王が「喧嘩」と言いそれを止めた以上は今ここで続きを行う事は出来ない。

 何を思ってもアイツはイフリーの王で、ここにはウンディーとノムーの王も、シルキは眠喰のクソネミがそういった立場で眼を光らせている。


 わたしも半裸も、これ以上ここで続きをやるのは分が悪い。


「......フッ、ここでは止めておこう」


「だな。でもぜってー続きやるぞクソ半裸。わたしはテメーが気に入ら───痛っ!? あ?」


「もう黙っててエミちゃ!」


だ、ワタポ義手は卑怯だって!」



 場所を選ばず突っ込んだのはわたしだ。

 止められる事も予想出来たというのに、考えが回らなかった───が、結果的にこれでよかったんじゃないか? とも思う。


 次はちゃんと話を......聞く気がないなら続きを最後までやってやるからな、クソ半裸。





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