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武具と魔法とモンスターと  作者: Pucci
【火炎の四大】
716/759

◆御伽話の続き◆



 例えば───かぐや姫。

 シルキ大陸が発祥のおとぎ話だが何百年と前に地界ちかい全土で広まり、今となっては誰もが知る物語。桃太郎もそうだ。

 シンデレラにアリス、赤ずきん、なども発祥の地を越え、種族の枠を越え、様々な形で広まったおとぎ話。

 探し数えればきりがない程おとぎ話は存在し広まっている。そんな中にいくつ “本当の話” がルーツになった物語があるだろうか?


 ほぼ全てが、本当の話がおとぎ話へと変わったのだ。


 シルキ発祥のかぐや姫は【大神族 暦永つくえ】がモデルとなっている。

 鶴の恩返し、も元々は狸であり物語の華やかさを増すために狸───療狸やくぜん───の部分が鶴にすり替わっている。

 桃太郎も人間側が正義という構成になっているが、鬼を一方的に悪だと決めつけた人間の歴史を人間が良い様に変えている。


 シンデレラもシンデレラという登場人物を主点とした物語になっているが、本来は魔女の存在を世に伝えるための歴史だった。

 アリスは他国や他種族による子の誘拐と精神調教、洗脳など。

 赤ずきんは人狼族ジンとの戦争の切れっ端。


 その物語を “おとぎ話” と理解し、それ以上は何も考えない。


 【シンシアと十二の邪神かみ】も【黄金の魔結晶まほうせき】もおとぎ話の領域から除外しない人の方が多数派だが、これも本当に起こった歴史であり、それが変化したものだ。





 御伽話。

 遊ぶように、退屈をなぐさめる、続きのないお話。


 人々はまるで道化のようだ。

 繰り返して繰り返して、それを無かった事にして、形を少し変えてまた繰り返して。

 乗れもしない玉の上に乗る道化のように、積み重ねられた歴史の上で踊り転がる。

 滑稽なのは最初だけ。

 それが続けば嫌気もさす。

 それが繰り返されれば飽きもくる。

 それでも必死に転げまわる。

 自分は誰よりも頑張ってる、と勝手に周りと自分を比べて。

 それでも何も変わらない。

 それでは何も変えられない。

 繰り返すだけでは何も変わらない、何も得られない、無理矢理納めて、必死に隠して、その場しのぎの小劇場を悲劇的に仕上げる程度じゃ、何も変わらない。何も始まらない。


 人が───知性や知識、感情......心を持つ生き物が行き着くべき場所は狂気であれ。


 他人の理解など求める時点で三流なのだ。

 他人の意見など聞き入れる時点で正常なのだ。

 狂ってるくらいが丁度いい。

 狂ったくらいで壊れる程度なら始めから求めない。

 何も気にするな。

 何も気にならない。

 そうして求めるまま思うままにかき混ぜればいい。

 かき混ぜてしまえば全部同じ色。

 綺麗な色も、汚い色も、

 同じ色なら気にならない。


 取り返しのつかない繰り返しに、


 狂気の嗤いを咲かせましょう。

 終わりの()を響かせましょう。

 そして最後は全部無くなる。


 つまらない現在に虚無(終焉)を。

 戻らない過去に虚無(お別れ)を。


 繰り返す世界にミセリア(虚無)の絶詠を絶唱を。




「御伽話の続きはどこにも無いから、御伽話と言うんだ。楽しい可笑しい最終章の幕開けを、お菓子箱を開くように───」



 極彩色の髪を水色一色に変彩、幾何学模様の瞳を紫に変彩させ、にやついた表情を貼り付ける。

 拭っても拭っても消えない涙のメイクと、砕いても砕いても割れない星のメイク。

 どこまでもふざけたような、グルグル眼鏡をかけて。



「───さぁ(、、)飛ばしていく(、、、、、、)ナリ(、、)



 自分の中で今も昔も変わらず、大きく存在する、親友の言葉を。

 今この世界を駆け回る、親友の欠片を持つ、小さな厄介者の言葉を。


 自分の言葉にするかのように、誰もいない空間で一言告げ、道化を演じる気狂い魔女は腹にある大口を開き、ゲラゲラ嘲笑ってステージへ登る。




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