悪の洞穴です9
第四層の転移陣を起点に第三層のマップ埋めを始めて一週間。数日前までの苦戦が嘘のようにスムーズに地図ができあがっていった。精神的な余裕があるというのはやはり大きいのだろうな。
第一、二層と同じように転移罠に引っかからないと行けないような場所以外は一通りマップ埋めが終わった。第五層にいるボスを超えるための鍛錬として『アーキテクト』や『白き御旗』が挑んでいるのもあってか、宝箱は残念ながら空振り。モンスターハウスの敵を殲滅し終えた時に出てきたものは中身があったがドラゴンゾンビの爪が五本となんとも言えない収穫だった。
第三層の攻略完了後、いつも通り一日の休息を挟んで第四層への攻略に乗り出した。
「いきなりか」
「ちょうどさっき潰されたところだろうな。それらしきゾンビが4、5体」
「……」
「罠もしっかりね」
転移陣で第四層に来て、選択した通路の先にあった一つ目の広場で早速大量のモンスターが待っていた。きっと前に挑んだパーティが罠の解除をミスったのだろう。キャラビーがしゃべれなくなっているからそれとは別の罠もあるのだろうが当然俺の『罠察知』には反応はない。レベルマックスとはなんだったのか……。
「初手で数は減らす。幸い俺の『探知』範囲内には壁を越えてきそうなモンスターも確認できないから、それ系の罠さえ発動させなきゃ増援はない。キャラビー、入ってすぐに罠はあるか?」
声を出せないままキャラビーはうなずいた。まあそうだよな。
「またある程度動きそうな範囲だけでいい。解除を頼んだ」
「最初じゃし、わしが先に前に出てよいかの? 刀の切れ味を見ておきたいのじゃ」
「そういえば研いでもらってたんだっけ」
「うむ。業堕ほどではないがこれもまた名刀。本音を言えばもう少し扱いやすい刀系の魔剣が出てくれればと思ってはいるんじゃが……そうそううまくはいかんのじゃ」
「ここを越えれば次の階層はボス部屋だ。あの2パーティが勝てないと判断するほどとなると期待大だろう?」
「かっかっか、全くじゃな。誰もが未踏破の階層。楽しみでしょうがないわい。ほれ、キャラビーが待ちくたびれる前に行こうかの!」
待ちきれないのはお前だろうがと叫ぶ前にユウカが広場に向かって走り始めた。慌てて俺たちも駆け出すが、広場につくよりも早くユウカの大振りな一振り目が放たれる。
「まったく、『魔力盾』『ダークネスナックル』」
ユウカに続いて広場に入った俺たちに向かって放たれる攻撃を大量の『魔力盾』で防いだ。みぃちゃんから降りて罠の解除に向かったキャラビーの方に向かおうとしたアンデッドたちは拳で押し返す。しれっとスケルトンオウル系のモンスターが数体盾をすり抜けていたし油断ならないな。
「メイよ、そっちに行ったのじゃ!」
周囲に散らばるモンスターたちを切り殺しながらユウカが叫んだ。その叫びから数秒遅れて一部の盾が破壊された。最初の遠距離攻撃は問題なく防げたが、ゾンビ系のサイやベアなんかの重量級を止めるには足りなかったようだ。
「『グラビティプレス』『ダークネスランス』」
重力を強めて足を止めさせ、盾が崩れたところに殺到しようとするモンスターたちもろとも槍で刺し殺す。槍衾とは言わないが、向かってくる相手をまっすぐ槍を向けるのはちゃんと威力があればやはり効果的だな。
『不死殺し』の効果でアンデッド特有の不死身性も発揮せず、肉壁としてその場に残ってしまったやつらを追加した『ダークネスシールド』の『シールドバッシュ』で『魔力盾』で作った壁の外に押し返す。すぐに追加の『魔力盾』で塞ぐが、開いた隙にスケルトンホーネットが二体抜けてきた。なんとか針を飛ばされる前に『骨死体操作』が効いて、そのまま『グラビティプレス』と『ファイアナックル』で粉々に焼き砕く。
「がう!」
刀の切れ味がよくて気分がハイになってしまっているユウカの大暴れをよそに『魔力盾』でキャラビーを守っていると、みぃちゃんが吠えた。俺の『罠察知』に反応がある程度には罠が残っているが、ある程度移動範囲内でなんとかできそうな罠は早くも解除しきったらしい。
「ユウカ! 終わらせるぞ!」
「空は任せるからの。多分いけそうじゃ!」
近場の敵を切り殺して後ろに跳び、一足でこちらに下がってきた。そして魔力を込めながら刀を構える。ここから切り殺す気か?
「撃ち漏らしても何とかするから思いっきりやってやっていいぞ。範囲拡張『グラビティプレス』」
「頼もしいのう。闘気解放……一閃!」
ユウカの一振りで斬撃が広場全体を襲う。地面に沿うように飛ぶその一撃は、重力によって地に縫い付けられた広場中のアンデッドたちを切り裂き、そのまま壁まで到達した。
『グラビティプレス』で落ち切らずに斬撃を免れたモンスターたちは『サンダーボール』と『黒槍の雨』を降らせて終わらせる。残った敵の処理をする一方で、今の一撃で何かをつかめたらしいユウカは満足そうに額の汗をぬぐっていた。
キャラビーによる罠解除と平行して死体の解体を進める俺とユウカだったが、すべてが片付いた頃に突然ヒメと黄龍が勝手に姿を現した。
「かう!」
「ちちさま! ヒメがアンナかられんらくがきたって!」
俺とのつながりが戻ったことでできるようになったらしい、ヒメを中心にした従魔達の連絡経路を用いてアンナからヒメに連絡が来た。ダンジョンの中であっても届くとはやりたい放題だな。俺には無理なのがもったいない。
「連絡ってまさか!」
「これは戻らねばならぬの」
「ああ。ようやくだ」
ご褒美にと二体には一口カツをあげ、すぐさまダンジョンからの撤退を開始した。
マナが帰ってきたのだ。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv26/?? 大鬼人 Lv29/40
上級獣人Lv20/30 魔人 Lv18/20
探究者 Lv47/99 狙撃王 Lv21/90
上級薬師Lv21/80 上級龍人Lv6/30
死霊術師Lv49/100 アーマーナイトLv14/99
剣闘騎士Lv14/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
先週はすみませんでした。新年だしせめて一月中は休まずと思ってたんですが…想定外に予定が長引きました。
ではまた次回




