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悪の洞穴です5


 動龍の若木ができて一週間。『悪の洞穴』の第二層への挑戦も順調に進み、転移でしか行けないところは除いているが大体三分の二くらいは埋まってきた。相変わらず職業レベルは不変だが、アンデッドに対して有効な『死霊操作』などスキルの伸びはいい。中距離からの魔法攻撃を多用していたのもあって、『フレイムスロアー』や『サンダーボール』などの魔法系スキルの底上げも割と順調だった。


 二層の攻略にあたり、以前『アーキテクト』からもらった情報は一層の物よりも少なかったが、それでも一層の時よりもハイペースで地図が埋まっていた。三人での探索に慣れてきているのも要因の一つだとは思うが、一番は第二段階という高い難易度の罠を探して解除し続けてくれているキャラビーの解除スピードがどんどん上がったことが要因だろう。

 罠を発見し、俺の『探知』の反応からモンスターがいなさそうとわかるとキャラビーはさささっと罠の方に向かい、もはや何をやっているのかわからないがあっという間に罠を解除してしまう。難易度は相当高いはずなんだがな……。

 当初はキャラビーにも負けないようにと考えていたが、『罠察知』が既にレベルMAXである以上俺自身が技術を身につけるしかない。もしかしたら上位スキルが盗賊王の職業レベルが上がっていくにつれて手に入る可能性もあるが、そもそもキャラビーは自力でそのあるのかもわからない上位のスキルにたどり着いている可能性もあった。そこに思い至った俺は、潔くキャラビーよりも先に罠を見つけることは諦めた。うん、やっぱり適材適所だよね。




 今日も今日とて地図がまだできていないルートを探索していると、先の広場から大量のモンスターの反応があった。


「多分モンスターハウス。冒険者の反応はなし。全滅済か、まだ誰も挑んでいないかだな」


「なんじゃまたか。昨日の探索でもあったではないか」


 うんざりといった様子で話すユウカの言葉通り、昨日もゾンビであふれかえりそうな状態の広場を殲滅していた。何なら休憩の一日を挟んでその前の探索でも小規模ながら広場に集まっていたモンスターの群れを殲滅している。うちはもちろん、未だこの『悪の洞穴』の攻略トップを走る『アーキテクト』と『白き御旗』も挑んでいないような通路を連続して引き当てているのだろうな。他にここに挑んでいるパーティもいくつか見かけてはいるが、彼女たちほど先に進もうという感じはしていないし、既にアンデッドのお仲間になってしまった連中もいた。


「ここのダンジョンは通路にはあまり見られませんが、広場にはモンスターを呼び寄せるタイプの罠が多くありますし仕方ないかと」


「『善の洞穴』でも見られた光景ではあるが、ある程度装備の揃った面子がやられるとその分モンスターが強化されるのと同義じゃからな。数が増え、より冒険者を狩れるようになり、さらに危険になる。アンデッドはそういうところが厄介じゃのう」


「もう一つ厄介な話だが、少し離れたくらいの壁向こうに数体反応有りだ。まだ行ってない通路ならわからないけど、多分入ってすぐか、戦闘につられて壁を越えてくると思う」


「方角は?」


「通路の前で陣取ってたら左側側面突かれる感じかな」


「先に通路におびき出せんのか?」


「厳しいな。半端なことしたらこの通路に広場のモンスターたちが殺到するぞ?」


「この通路には罠はありませんが、広いとは言えませんからね」


「メイの一撃でひるませているうちに壁伝いに右の方で陣取るのがよさそうかの」


「キャラビー、そっちに罠があったらすまんが優先で解除頼む」


「はい! がんばります!」


 各種エンチャントをかけ、俺たちは広場に向かった。





 俺は一人先行して広場に入ると同時に『死龍のブレス』を広範囲にばらまいた。

 通路の時点で少し見えていたが、広場にいるアンデッドはゾンビ系がメインのようで、先頭から数体のゾンビたちが肉の壁となった結果、広場の中央にいたゾンビメイジたちやドラゴンゾンビには届かなかった。いやボス部屋じゃないのにドラゴンゾンビがいるんじゃねえよ!


「面倒なのがいるからブレス吐かれる前に仕留めるぞ! 集束『死龍のブレス』」


 広場に入った二人に追加攻撃することを伝え、すぐにドラゴンゾンビに集束させたブレスを吐きつけた。こちらに攻撃しようとしていた魔法を使える上位種たちが迎撃のために魔法の矛先を変えたり、残っていた盾持ちのゾンビたちが前に出ようと動く。しかし、集束させて威力が上がった『死龍のブレス』が上回り、それらごとドラゴンゾンビの上半身を消し飛ばした。


「ユウカ、すぐに追加来るぞ!」


「心得た! 任せよ」


「……」


 事前に確認していた壁の向こうのモンスターもこちらに向かって動いているのが確認できた。動きが素早く、獣系のスケルトンだろう。キャラビーは罠を確認したのか声を出せず、みぃちゃんを供にその解除に向かった。そちらに向かおうとするアンデッドたちは『サンダーレーザー』で撃ち抜いてその動きを止める。

 いつも通り早々に周囲の罠を解除したキャラビーは武器を構えてモンスターたちの方に向き直るがその口から言葉は出てこない。モンスターたちの群れの向こう側にもまだあるのだろう。


「『グラビティプレス』『魔力盾』『シールドバッシュ』」


 『死龍のブレス』の迎撃に使われなかった魔法がこちらに放たれるのが見え、大量の盾と上からの圧力で撃ち落とした。魔法の迎撃が終わると同時にそれを待っていた一部のゾンビたちが弾かれるように勢いよく駆け出した。

 駆け出したゾンビたちをよく見ると、先の二発のブレスで腕などが消し飛んでいる個体もいるが、全員冒険者だったやつらだった。残念ながらここの広場を見つけた時に考えていた二択は前者だったようだ。

 左側面の壁から出てきたスケルトンオウルたちを切り落としにかかるユウカの邪魔にならぬよう、前方に『アイスレーザー』と『サンダーレーザー』をばらまいた。元の実力が相応に高かったのか、手に持った武器で切り落としながらも足を止めずにこちらに向かってくるゾンビたちだが、それ以上の数の暴力で潰す。ほんとは身元が分かるように頭か心臓だけ撃ち抜ければいいのだが、そう簡単にできるような実力ではない。


 前衛のゾンビたちが大量の魔法を前になすすべなく消えていくのをよしとしないゾンビメイジたちも、俺に意識を向けすぎたことで、追加戦力を殺し尽くしてフリーになったユウカに蹂躙されていく。前衛の冒険者ゾンビたちが片付くころには、みぃちゃんに跨ったキャラビーも縦横無尽に走り周り、的確に頭を潰していく。

 もはや統率も何もなくなったアンデッドたちの残党を前に、俺も魔法を弾幕から確実性重視に切り替えて殲滅に走るのだった。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

 龍人  (20) 死龍人(20) ローグ(70)

 魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv23/?? 大鬼人 Lv26/40

 上級獣人Lv18/30   魔人  Lv15/20 

 探究者 Lv42/99   狙撃王 Lv15/90

 上級薬師Lv10/80    上級龍人Lv4/30

 死霊術師Lv24/100   アーマーナイトLv1/99

 剣闘騎士Lv1/99

非有効職業

 呪術師 Lv1/80    死龍王Lv1/30

 盗賊王Lv1/100    大魔導士Lv1/100

 上級精霊使いLv1/50』

先週はすみませんでした。友人の結婚式からの二次会三次会四次会と酒弱いのに飲みすぎまして…

PCを触っている余裕がありませんでした。

年内あと一話書ききりたい!


ではまた次回

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