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守護龍の試練です17

 貫通力重視で『魔法槍召喚』で両手に槍を出してスライムとの距離を詰めようと1歩目を出した次の瞬間、俺は空間すべてを埋め尽くした水の中に閉じ込められた。


「ぐっ」


 突然の浮遊感と、全身を包み込む生暖かさに戸惑い、口の中から空気が漏れた。何が起きたのか気が付いて口を閉じたことでそれ以上漏れ出ることはなくなったが、しっかりと息を吸ったわけではないからそれほどもつものでもない。

 ドラゴンゾンビのブレスの煙で目を焼かれないようにとつけていたゴーグルのおかげで視界はクリアなままだ。ただ、普通の水よりも粘度が高く、首を動かすのにもいつも以上に水の抵抗を受ける中、目だけを動かしてわかる範囲でこの液体の出口を探す。


 息ができないこの状況でそれほど時間をかけて見たわけではないが、結局全方位壁や天井ぴったりまでこの液体で満たされているようだった。つまるところこの空間で空気を吸える場所はないということか。しかし、ないなら作るだけだ。


(『全方位結界』)


 一時的にでも自分の周りに空間を作ろうと結界を張ってみたが、既にこの液体で満たされている空間に結界を張ったところでその内側は満たされたままだった。この液体の性質上仕方なくはあるが、そうして作った結界も一瞬で破壊された。ただ、普通に壊される時のように外からの衝撃で壊されたというよりは、結界そのものを維持できなくなったという方が正しかった。


(『エアロ』)


 結界が失敗したため、今度は自分の目の前に『エアロ』を生み出し、それを暴発させて空気を作ろうとしたが、そもそも『エアロ』を作り出すことができなかった。それは別に『エアロ』だけに限らず、いかなる魔法であろうと、集めた魔力が効果を発揮する前にかき消されてしまうのだ。エンチャント系の魔法であれば問題ないし、魔力を自分の体に集めることもできるからブレスもおそらく可能なのだろう。しかし、そのブレスを吐くのに必要なため(・・)ができないせいでそれもできなかった。

 普段であればあまり気にしないが、ブレスを吐くためには息を大きく吸う必要がある。本物のドラゴンであればそれも必要ないのかもしれないけど、人の身でブレスを使おうとするとどうしてもゼロの状態からはブレスが撃てないのだ。


 ならばと思い、俺は『竜化』を試みる。この試練に入ってから使う機会のなかった『竜化』だが、単純に広場で巨体になっても行動を制限されるだけという思いが強かったからだ。体積が大きくなることで被弾する可能性も上がるし、普段ない翼などのせいで死角も増える。

 もしここが地上であれば上に飛べば対応できるし、転移ができるなら距離をとるのも容易だった。もっとも、今はそのどちらもできない以上、使わない方が戦いやすかっただけだ。


 この連戦の中で使っていなかった間に『竜化』もレベルが上がっていた。ただ、龍人の職業レベルが10から15へ。そして死龍人の職業レベルも1から14までと、かなり上がり幅があったのに対して『竜化』は3から4に上がっただけ。それでも『竜化』したときの大きさは前よりも2周りほど大きくなっていた。

 

 『竜化』したことで俺の体はみるみる大きくなっていき、ピンと伸ばせば天井にまで届くか届かないかくらいの大きさになったが、それでもこのスライムの内から出ることは叶わなかった。しかし、この距離までこれば見間違えるはずもなく、スライムの液体は天井までびっしりと埋まっていた。空気を吸えるような空間はどこにもない。


 液体が入ってこないように最低限だけ口を開き、俺は収束させた『エアロブレス』を天井に向けて放つ。見込み通り、この竜の体になったことで魔力がのどを伝って口元から発射された。渦を巻く風が液体を押しのけてわずかながらの空間を作り出す。

 天井から崩れ落ちる岩を取り込みながらすぐにその空間を再び飲み込もうとする液体が来るよりも早く、俺は息を吸って時間的余裕を確保した。ステータスのごり押しによってある程度息を止められる時間は長くはなっているはずだが、しっかりと深呼吸をして万全な状態というわけでもなく、急いで吸うだけ吸った状態では1分も止めていられないだろう。


 『エアロブレス』によって一時的にでも自身の液体を散らされたことに怒りを覚えたのか、ここにきてキングデーモンズスライムから明確に攻撃が放たれた。突如として液体の中に大小さまざまな黒い点が浮かび上がり、それらは魚の形へと姿を変えてこちらに突進を仕掛けてきた。

 スライムの体液に阻まれて『鑑定』も通らない中、群れを成して迫りくる黒い魚たちの攻撃方法はシンプルな体当たりだった。一直線に俺に向かって突っ込んできて、ぶつかったらUターン。あるいは見た目とは裏腹に刃物のように鋭いヒレで切りつけながら通り抜ける。それを集団で繰り返すだけだ。

 刃物のようとは言っても俺の鱗を切り裂くほどの切れ味はなく、弾かれたその魚が別の魚に当たって同士討ちになることすらあった。しかし、鱗に覆われていない腹はそういうわけにもいかず、体を丸めてさらに腕でガードしているものの、このスライムの液体の中を自由自在に動き回る魚たちはそのガードをすり抜けてくる。

 絶え間なく魚たちが突っ込んでくるせいで下手に口も開けられず、腕や尻尾で迎撃しようにも、ただの水よりも粘度の高いスライムの液体と『竜化』による巨体が相まってほとんどダメージを与えられないどころかかすりもせずに鱗のない箇所への攻撃を許す隙を作ってしまう。

 少しでも数を減らそうと『雷纏』で直接ぶつかった魚を仕留めようとするも、すぐにスライムの液体に吸収されてしまいそれもかなわなかった。さらにその魔力を使われて、奥の方に追加の魚が召喚される。今も俺に突っ込んできている小さな魚の群れとは違い、大型、サメやカジキのような姿だ。その分数は少ないが強力な個体。あいつらならばおそらく俺の鱗では強度が足りないだろう。やるしかない。



 覚悟を決めた俺は『竜化』を解いた。体が元に戻り、もともと竜になった時に体のあった場所を次々と魚が通り抜ける。全身を襲っていた魚たちの数から、何体かは人に戻っても俺を正確にとらえてきて腕や足が切り付けられた。

 痛みで思考が揺らぎかけるが、自分自身に集中しろと言い聞かせる。そんなことに気を割いている余裕があると思うな。


「『暴食の王』」


 すぐ目の前にサメ型が迫る中、俺はビー玉ほどの小さな魔力で迎え撃った。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 神官  (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)

有効職業

 聖魔??の勇者Lv19/?? ローグ Lv61/70

 龍人  Lv15/20   精霊使いLv28/40 

 舞闘家 Lv50/70   大鬼人 Lv17/40 

 上級獣人Lv12/30   魔導士 Lv62/90

 死龍人 Lv14/20    魔人  Lv10/20 

 探究者 Lv15/99

非有効職業

 狙撃王 Lv1/90     上級薬師Lv1/80

 呪術師 Lv1/80     死霊術師Lv1/100

 アーマーナイト Lv1/99 剣闘騎士Lv1/99  』

3週間くらい空いてしまいすみませんでした。

そもそも書く時間が取れない。書く時間があっても書けないとかなりの難産でした…。


職場にも別のチームですが新人が配属されたり、阪神の長い長い勝敗オセロが途切れたりといろいろありますが、何とか書いていきますよー。でもその前に夜勤ダナー…


ではまた次回

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