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『マツノキ』の依頼です8

「黄龍、俺の魔力を喰いまくっていいからこいつを削りきれ! 我慢比べだ!」


「みゃあぁああああ」


 黄龍が悲鳴を上げながら雷砲弾を撃ちまくる。その1発1発が確実に俺が抑える合体ゾンビの体を削っていく。合体ゾンビも少しずつ体を再生させてくるが、黄龍の火力がその回復力を上回っているようで回復が間に合わなくなってきていた。それによってさらに見た目が怖くなり、黄龍の悲鳴がさらに激しくなる。


「メイ!」


「大丈夫だ!」


 黄龍の悲鳴が増したことで心配になったマナたちから声が上がるが、即座に大丈夫だと返す。黄龍は目の前に広がるグロ映像にもはやあまり前を見ていない。頭の上にいるから顔をはっきり見ることはできないが、おそらく目をつむっているか、涙で前が見えていないかのどちらかだろう。


「みにゃぁあああああ!!」


 黄龍が雷砲弾を撃ちまくる。『再生』があるにも関わらず俺の魔力が半分を切った頃、合体ゾンビの体から力が抜けた。俺が両手をがっつりつかんでいるから腕を支点にだらんと垂れるような体勢だ。


『職業:聖???の勇者がLv17になりました。

 ローグがLv46になりました。

 重戦士がLv62になりました。

 剣闘士がLv49になりました。

 神官がLvMAXになりました。

 龍人がLv10になりました。

 精霊使いがLv17になりました。

 舞闘家がLv29になりました。

 大鬼人がLv11になりました。

 上級獣人がLv7になりました。

 魔導士がLv23になりました。 』

『職業:神官がLvMAXになったので死龍人を有効化します。 』

『スキル:魔耐性Lv1 毒耐性Lv1 魔力盾Lv1 ブレス強化Lv1 爪斬撃Lv1 ヒール1 病回復 奇跡(弱)を習得しました。 』

『スキル:自重増加Lv3 魔力操作Lv3を習得しました。』

『スキル:『毒耐性』が『毒無効』に吸収されました。 』

『スキル:毒吸収Lv1を習得しました。 』

『スキル:ヒール1 病回復 奇跡(弱)が消失しました。 』

『スキル:獣進化(虎)があまり使用されていません。悲しいので爪斬撃を犠牲にします。……獣進化(虎)Lv5を習得しました。 』

『スキル:再生Lv9を習得しました。 』


 合体ゾンビを倒した時点でいろいろとレベルが上がった。そして相変わらず突っ込みどころがあるスキルの上がり方だ。新たに増えたスキルもいくつかあるが、試す必要がありそうなのは『魔力盾』くらいだろうな。


「みゃぁぁああ」


「黄龍、もういい!」


 やっぱりと言うか、黄龍は合体ゾンビを倒しても雷砲弾をやめようとしなかった。見てないんだから倒しても気づけないのはしょうがないか。

 俺は崩れる合体ゾンビから手を放して頭の上の黄龍を抱き上げる。それでもまだ雷砲弾を撃つのをやめず、ぼろぼろの合体ゾンビの死体がさらに撃ち砕かれていく。


「黄龍、よくやった。もう倒したから。大丈夫だぞ」


「ふぇ? だいじょうぶ?」


「ああ。お前のおかげで倒せたよ。ありがとなー」


「われえらい?」


「偉いぞー。ほんと助かった」


「ごほうびくれる?」


「はい。きゅうり」


「ちがうのだー!」


「ごめんごめん。館に戻ったらあげるから」


「ほんと!?」


「嘘」


「うにゃぁああ!」


「ごめんごめん、あげるからあげるから」


 俺はポコポコ胸を叩く黄龍を無理矢理帰還させた。黄龍が魔力を喰わなくなったことで『再生』が十全に発揮できるようになり、かなりハイペースで魔力が回復し始めた。何気に倒れるかと思い始めてたから助かる。

 黄龍を帰還させたところで、巻き添えをくらわないように近づかせていなかったマナ達がやってきた。


「大丈夫なのメイ?」


「ああ。俺のダメージはそんなにないよ。魔力の消費が激しかっただけで。でも『再生』のレベルも上がったし、すぐに回復するだろうよ」


「レベルが? ……ちょっと待って、あの女はどこ?」


 マナの一言で全員があたりを見渡す。俺は合体ゾンビの対処で周りを見れていなかったが、当初の目的であるあの女の姿が広場からなくなっていた。


「もしかしてあの天井の穴のどこかから外に出たの?」


「それはない……と言い切れないかな。確実に鳥系獣人ではなかったし、空を飛ぶなら魔力を使って何らかの魔法を使わないといけないのは間違いないけど、不自然に魔力が上に上がっていくような感じはなかった。ただ、黄龍ちゃんの攻撃で魔力が荒れ狂ってたから、そこを極端に少ない魔力で隠してとなると無理かも」


「目を離してしまったわしらが悪いのじゃ。この部屋じゃどこかに隠れるような場所もないしのう」


「罠も仕掛けられてないですし、ご主人様のように転移したのですかね?」


「その方が飛ぶより魔力の消費が激しいはずだからわかると思う」


「そうだよね」


 ゾンビたちは対処できたとはいえ、肝心のボスとも呼べるあの女を逃してしまったことに落胆する俺達だったが、ヒツギが地面を見て何かに気がついた。


「ねえマナ、地面の表面全部吹き飛ばせる? 具体的にはさっきの女がいたあたり」


「できないことはないよ。ちょっと待ってね。……エアバースト」


 ヒツギの言葉に従ってマナが風で地面を吹き飛ばす。すると、小さいガレキが飛んでいく中で、1つだけきれいに切り抜かれた円形の床が飛んでいった。そこには人1人くらいなら楽々入れそうな大きさの穴が開いている。


「あそこから逃げたようじゃの。外につながっとるとして、どこにつながっとるのじゃろうな」


「直接行くしかないかな。『ダークネスシールド』を盾に飛び込んでみようか」


「中で魔法が使えるとも限らんのじゃ。ほれ」


「-----」


 穴を一目覗き込んだ後から、キャラビーが口を開けても声が出なくなっていた。それはつまり罠が仕掛けられているということだ。


「中に入らずに解除は……無理そうか」


「どんな種類の罠かもわからない?」


 俺とマナの問いにキャラビーはフルフルと首を横に振るだけだった。ジェスチャーでなんとなく伝えようと頑張ってくれている様子を見ると、罠がある位置まで手が届かないため、中に入らないと解除ができないようだ。


「ロープとかはアイテムボックスに入ってるし、ゼルセ達を呼ぶか」


 そう話していると、地面が揺れ始めた。


「なんか来る! みんな、私の後ろに!」


「手伝う。『ダークネスシールド』『魔力盾』」


 すぐに防御の展開をすると、穴から炎が真上に噴き出した。天井までは届いていない分、その衝撃がこちらに広がってくる。マナの結界で防げているが、もしもに備えて俺も『全方位結界』を展開した。


 穴から噴き出した炎は、揺れと同じく10秒と経たずに消えた。まだ煙は上がっているが、これ以上炎が噴き上がることはなさそうだ。


「――あ、ご主人様、今ので罠もすべて解除されたようです」


「キャラビーが喋れるってことはまあそういうことなんだな。今の炎自体が罠だったのか?」


「私が把握していた罠は別ですが、さらに奥に炎が噴き出す罠があった可能性は否定できないと思います」


「炎が噴き出るっていうよりは、揺れも伴ってるし爆発だろうね。地下で爆発が起きて、その余波で炎が噴き出たんだと思うよ」


「ここに逃げたと思われる女はどうなったのじゃろうな」


「俺と誰かの2人くらいで見に行くか」


「なら私が行くよ。まだ熱が残っているだろうし、熱を冷ましながら降りればいいんだよね」


「確かにマナが適任じゃろうな。わしらじゃ浮くことすらできんし」


「ゼルセ達にロープを引いてもらって降りる方法か、飛び降りるしかないもんね」


「それじゃ行くか。入口のところの土壁がどうも今の揺れで壊れたみたいだから対応だけ頼むわ」


「りょーかいじゃ」


「はーい。気を付けてね」


 俺とマナは穴の奥へ何が起こったのか調べに向かった。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

神官  (50)

 有効職業

 聖???の勇者Lv17/?? ローグ Lv46/70

 重戦士 Lv62/70   剣闘士 Lv49/60

 龍人  Lv10/20  精霊使いLv17/40 

 舞闘家 Lv29/70  大鬼人 Lv11/40 

上級獣人Lv7/30  魔導士 Lv23/90

死龍人 Lv1/20

 非有効職業

 魔人  Lv1/20 探究者 Lv1/99

狙撃王 Lv1/90 上級薬師Lv1/80 』

先週は投稿できずすいませんでした。

途中までは書けていたので平日に書いて投稿するつもりが、今度は熱だして寝込みまして…。

インフルではなかったんですが39度近くまで上がってました。まじコワイ


さて、久しぶりのレベルアップです!45話くらいぶりかな?

オカシイナー。


ではまた次回

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