特別話 ヒメで遊ぼう-こたつ編-
今回の話は本編とは一切関係ありません。
時間軸、場所等完全に無視していますのでご注意ください。
その日、俺達は館でのんびりとくつろいでいた。
「これがおこたというものか。思った以上にぬくぬくじゃのう」
「ヒーターがないから机に毛布を被せただけだけど、結構あったかいね」
「もともとそんなに寒いわけじゃないからな。雰囲気だ」
「それを言っちゃうと元も子もないから言わないの」
「ヒツギ様、狭くないですか?」
「大丈夫だよー。キャラビーも狭くない?」
「大丈夫です。心配ありがとうございます」
「あーうー」
小さい机に5人で入っているから、ヒツギとキャラビーだけ隣合わせに座っていた。俺の左右に入ろうとしてくる4人をなんとか制して、場所をくじにした結果だ。何かをかぎつけて出てきたヒメは俺の膝の上だが、小さいから毛布に埋もれて頭しか出ていなかった。毛布の下では短い足をパタパタさせているからちょっとこそばゆい。
「これでミカンでもあればなおよかったんだけどなー」
「あるぞ?」
ヒツギのぼやきに、俺はアイテムボックスに入っていたミカンを転がす。以前露店で売っているのを買い貯めておいたのだ。
「おおー! ありがと」
完全に丸というわけじゃないから、みかんはヒツギのところまで届かずに止まってしまったが、ヒツギが少し身を乗り出して手を伸ばしてとった。
ヒツギが隣のキャラビーに分けながら食べ進めていくと、マナとユウカも欲しくなったようで、手を伸ばしてきた。
「ほい」
「おっと」
ちょうどマナのところで止めるつもりが、勢いをつけすぎて今度はテーブルから転げ落ちた。それをマナが受け止めてそのまま食べ始める。
「わしもいただけるかの?」
「おう」
今度こそと思ってミカンを転がすと、俺の懐から飛び出たちっこいのが前足で弾いた。
「かう!」
得意げに吠えるヒメによって弾かれたミカンが、ヒツギのところに転がった。
「食べ物で遊んじゃだめだよ、ヒメちゃん」
「かうぅ、かう!」
注意しながら、今度はヒツギがユウカの方に転がした。ヒメは、注意を受けたことでしゅんとなったのも束の間、またも転がるミカンを弾いた。今度はマナの方だ。
「メイ、パス」
面白がるようにマナが俺の方に転がした。そのスピードは速く、弾こうとしたヒメの前足は空を切った。
「どうしたどうした?」
「かうかう!」
再度ユウカの方に転がしたミカンをヒメが弾く。そして今度はキャラビーがキャッチした。
「ご主人様、いきます!」
キャラビーが俺に転がす。だが、転がす力が弱く、間で止まってしまった。
「かーうー!」
両前足でミカンをしっかりつかみ、器用に後ろ足で立ちながらヒメはそれを頭上に掲げて吠えた。
ゲットしたことで満足したようでミカンはユウカに渡したヒメは俺のところに戻ってきた。
「お仕置きの時間だ」
「かう!?」
この後めちゃくちゃモフモフした。
どうもコクトーです。
今回の話は本編とはまったく関係ない閑話的な話です。
べ、別に本編が間に合わなさそうだったから書いたとかではないですよ?
書籍用にヒメで遊ぼうシリーズはいくつかネタを用意してあったので、今後もちょこちょこと投稿していきます。twitterキャンペーンとか店舗特典のために考えていましたが、3巻で終わりになってしまいましたからね…もったいないですから。
えっと、2018年の投稿はこれでおしまいになります。
次はもう2019年ですね。
今年はいろいろなことがありました。
書籍化が決まり、大学生活が終了し、新社会人としての生活が始まり、書籍が終了になりました。
来年も同じようなペースでのんびりだらだらになるとは思いますが、投稿は続けていきますので、応援よろしくお願いいたします。
これまで頑張ってこれたのは皆様の応援のおかげでございます。ありがとうございました!
そしてまた来年もよろしくお願いします。
ではまた次回。




