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『マツノキ』の依頼です4

 たったの5分だったし、普通に帰っても追いつけるかと思ったが、結局館に着くまでに4人には追いつけなかった。遠回りしたわけではないんだけどな。


「遅かったね。結局依頼の話聞いてきたの?」


「ああ。断ったけどな。脅してきたし、みんなしばらくは気を付けてくれ」


「脅してきたの? ギルドの職員の前で?」


「はっきりと明言したわけじゃないからな。言い逃れはいくらでもできるし、下手にこちらから何か言っても付け入る隙を与えるだけだし、警戒するしかない」


「幸いなのは相手がカッシ商会というところじゃな。主に取り扱っておるのは薬類と防具類じゃから店を利用する機会はほぼないじゃろう」


「私が魔法を使える状況なら私が治せばいいし、防具はそもそも使ってないしね」


「それはそれでおかしな話ではあるのじゃがな」


「薬はアンナがまた種類を増やしたらしいし必要ないからな。防具はダンジョンで手に入れるから」


「言っておくが、そう簡単にはいい防具は手に入らんからの」


「まあいいんじゃない? その話は後で。今は依頼の話」


「ですが、情報を集めることもできませんし、実際に行ってみるしかないと思うのですが……」


「アンデッドがたくさんいるということしかわからないからね。マナに頑張ってもらうしかないかな」


「あとは黄龍な。俺も『サンダーブレス』とかのまだ効果があるスキルを使っていくが、必ずしもアンデッドに有効なわけじゃないし、なんとも言えないな」


「わしも光魔法は使わんし、アンデッドは頭を潰していくしかないの」


「戦う場所の広さなんかは行ってみないとわからないよね。棺桶(これ)を回せるくらいの広さはあるのかな?」


「秘密裏に作られておった地下室という話じゃからな。それほど広くはないじゃろう」


「大きな空間を作るとなると、それだけ時間もかかるし、秘密裏にやるとなると難しいかもね」


「うん。まあできることをやるよ。頑張ろうね、キャラビー」


「はい!」


「とりあえず現場に行ってみるか。今の状況を確認して、どのくらいの強さのアンデッドなのかとか、どれくらいの量なのか、広さはどうなのかとか、まずは情報を集めないと」


「もともとダンジョンに行く予定で準備はしてるからね。すぐにでも行けるよ」


「キャラビー、クエイクの魔導書持ってるよな?」


「はい。袋に入っています」


「アンデッドが近づかないように壁を作ってもらうだろうから、準備しといてくれ」


「わかりました!」


 俺たちは依頼書に書かれていた屋敷に向かった。





 依頼書に書かれていた貴族の屋敷に着くと、入り口のところで数人の警備兵に囲まれた。全員が槍の先をこちらに向けており、ちょっとの反応でも向こうが警戒するので、前に出ようとするキャラビーの頭に手をやって抑えるのが地味に大変だった。


「現在この辺りは領主様の命により閉鎖されている。見たところ冒険者のようだが何用だ?」


「領主様から依頼を受けてきた。パーティ『マツノキ』だ。依頼書もこの通り」


「あなた方がそうでしたか。失礼いたしました。お前ら、下がれ」


 アイテムボックスから取り出した依頼書を見せると、構えていた槍を引いて警戒を解いてくれた。依頼を受けたのはついさっきなのだが、既に話がいっているのはありがたかった。こんなところで揉めたくないしな。


「私がこの部隊の隊長であります。領主様より、皆様をサポートせよと指示を受けております」


「どうも。さっそくで悪いんですが、色々と情報を教えてもらえますか?」


「それでは中で情報をまとめている者がおりますので、そちらへ。案内してさしあげろ」


「はっ! 『マツノキ』の皆様、こちらでございます」


 俺たちは案内に従って屋敷の中へ向かった。




 屋敷の中は、外から見た時にはわからないくらい荒れていた。玄関から奥に進むにつれて、床や壁に血のシミが増えていき、なにかがぶつかってできたと思われる凹みもあちこちにあった。正直そっちの教養はないから正確な金額はわからないけど、高価なものと思われる花瓶の破片が落ちていたり、扉が外れていたりと、何かが起こったというのがはっきりと見て取れた。


「こちらが一時的に本部としている部屋です。他の部屋から無事だった家具を持ち込んでおりますので統一感はありませんが、物としては皆一流品ですのでご満足いただけるかと」


「いや、そこは気にしないので。ほしい情報としては、対象がいる部屋の広さ、対象の見た目、戦闘をしたのであればその強さ、後は量です」


「部屋の大きさについては載っていませんが、他はある程度はこちらにまとめてありますので、こちらをお読みください」


 マナ達が書類を受け取って、情報を読み始めた。1枚しかないから4人が読んでいるうちに俺は紙に載っていなさそうなことを聞くことにした。


「ありがとう。仲間が読んでいるうちに聞いておきますが、実際のところどんな様子ですか? 領主様からアンデットたちの目が外に向き始めているという話は聞きましたが」


「我々がそう感じているというだけかもしれませんが、外に向いているというのは正確ではないと思います」


「と言うと?」


「先に説明しますと、対象らがいる部屋自体は、皆様の知っているだろう基準で言うと、冒険者ギルドの訓練場より少し狭いくらいの大きさで、出入口は一つしかありませんが、天井に大きな穴があいています」


「穴?」


「使用人の話では、屋敷のいたるところに落とし穴になる仕掛けがあるみたいで、その穴につながっているそうです。幸い、アンデッドの中に鳥型などの空を飛べるものはいませんのでそこから出ていくことはありません」


「つまり、扉に向かって来るやつがいるってことですか?」


「既に扉はないのでただの穴ではあるのですが、統率者であるボスがいるにも関わらず、連携もなく、ただただまっすぐに向かって来るのです。一方で、奥にいるやつらは微動だにせず、壁際にただ立ち尽くすだけでして、ボスもそいつらには目もくれません。我々がそのアンデッドたちを処理しても何もしませんし」


「制御下から外れているってことですか?」


「実際に戦闘をした我々にはそう思えたということでございます。向かって来るのはどれも下級のアンデッドばかりですが、今日の夜中に起きた戦闘で、広場にいた下級アンデッドは全滅させました。残りで見えているのは上級のアンデッドだけです。30体くらいいますし、もしあれらが向かって来るとなると、我々では対処が……」


「状況はわかりました。なんとかできれば今日なんとかしてやりたいですが、確実にとは言えないのでその時は従魔をおいていきます」


「どうかよろしくお願いします」


 一通り話を聞き終わる頃にはマナ達も情報を読み終わり、俺達は実際の現場に向かってみることにした。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

先週は更新できなかったので久しぶりの更新です。

年内は後1話更新予定ですが、果たして間に合うのか…

明日の飲み会でどれくらい死ぬかによると思います。


ではまた次回


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