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死の草原再びです2

 3人が解体をしている間、周囲を警戒していた俺たちだったが、特にモンスターに襲われたりということはなかった。まぁ4体しかいないからすぐ終わったということも大きいのだろうが、そんなに頻繁にモンスターに出くわすわけではないのかな?


「お疲れ様。それじゃ2層を目指すか」


「階段はどこにあるのかのう」


「『生の草原』の強化版と考えると、かなり広そうだからね」


「さすがのギルドもまだ第二段階の地図はないようじゃしのう。そもそも入れる者が限られておるし、売れる人間も限らねばならぬ。冒険者も増えておるし、人員を割けんのじゃろうな」


「道だけなら『自動マッピング』と『探知』で覚えるから、適当にぶらつけばいつかはたどり着けるだろうよ。いざとなればマナがいるし」


「さすがに私の感知魔法じゃ階段はわからないからね?」


「自らが行くべき道を指し示すための魔法があると聞いたことはあるがのう。実際に使うような話は聞いたことがないのじゃ」


「はいはい。こういう時は足でなんとかするしかないんだからうだうだ言ってても仕方ないよ。2層ごとの転移陣は次の層への階段のところって話なんだから急ご。数日籠れる用意はあるけど、好き好んでダンジョンで何日も泊まりたくないでしょ?」


「アンナとカルアも心配だしな。最近はちょっと厄介事が増えてるみたいだし」


「厄介事?」


「アンナが追い返しているけど、畑に入ろうとするやつが出始めたんだとよ。どこから話が漏れたのか、フラム草が目的らしい」


「どうしてわかったんじゃ?」


「以前やってきた連中の話に出てたんだと。フラム草が生えてるのはこの奥かって」


「ダンジョンに入らなくても手に入るって考えているのかな?」


「明らかに整備されておる個人の所有物なんじゃがのう。町の外には違いないから衛兵は手を出さんとわかっておるのかもしれんの」


「ギルドに相談してみる?」


「やめておいた方がよいの。ギルドが正式に依頼として出すことで盗みを合法とする可能性もある。町の外の群生地から採集とか言っての」


「面倒なことになるということはわかった。警戒を強めてもらうくらいしかないかな」


「そうなるね」


「やりすぎるでないぞ」


 俺たちは再び2層目指して歩き出した。



 その後、数度オペラウルフ2,3体の群れとの戦闘をしながら1層を探索していると、ようやく二層への階段を見つけた。『自動マッピング』で作られる地図を見ると、半円状に地図が出来上がっていることを考えると、結局全体の半分くらいは歩いたみたいだな。

 『死の草原』は、第二段階というだけあって『生の草原』と比べて1つ1つのトラップの殺意が高くなっていた。例えばトラバサミ一つとってみても、『生の草原』ではただの鉄のトラバサミだったのだが、『死の草原』では毒が塗られていたり、一度挟んだ相手を離さないように返しがついていたりと、確実に仕留めに来ていた。

 しかし、残念ながらその真価はこのダンジョンではうまく発揮できそうになかった。『生の草原』は緑の草が見事に茂っており、その草に隠れて見えづらくなっていたことで発見の難易度が上がっていた。一方で、『死の草原』ではその緑はすべて枯れ果ててしまっていた。薄茶色の細々とした草がまだらに生えているだけで、とてもではないが罠を隠すようなことはできていない。そのため、発見自体は容易だった。その分解除が難しかったと思うが、そう変わらない時間でキャラビーはすべて解除してみせた。ユウカも純粋に驚いていたくらいだ。1つ解除するごとに頭をなで、そのたびにこまごまとしたやり取りがあったからそれに時間がかかったことを除けば順調だった。


 それだけが原因ではないが、かなり時間がかかったために、階段のところまで来た時点で夕方にさしかかってしまっていた。2層に上がってしまうよりもここで休んだ方がいいと判断した俺たちは、コルクとゼルセを警備に残してハウステントで休むことにした。


 いつもよりもだいぶ早い朝方に起きてきた俺たちは、ハウステントを片付け、出発の準備をした。一晩の間に襲ってきたオペラウルフは数体いたようだが、皆ゼルセとコルクの腹に消えたようだ。俺は2体に地龍の肉をあげて戻すと、頭の上で自分もと抗議するちっこいの2体(ヒメと黄龍)を無視して2層へと進んだ。

 2層に入ったものの、その様子は1層と何ら変わりなかった。枯れた木、枯れた草、水気のない地面。ただ違うのはそこにいるモンスターたちだ。

 オペラウルフが群れでいるのは変わらないのだろうが、ここからは新たなモンスターが出現していた。


「さっそく見えておるのう。幸いこちらに気づいてはおらんようじゃが、全体を歩き回るとなると何度かは戦わねばならぬじゃろうな」


「キャラビーはみぃちゃんから離れるなよ。ここから先は余計にな」


「はい。よろしくねみぃちゃん」


「ガウ」


 2層から新たに出現するモンスターの名はレッドレオ。そしてビッグレオの2種類だ。レッドレオはオペラウルフよりも一回り大きなサイズの、火魔法を操るレオだ。ボス戦で戦ったレオウルフの変異上位種であり、レオウルフキングよりは劣るものの、強力なモンスターだ。今がどうなっているのかは聞いていないけど、レッドレオとオペラウルフの大規模な群れのせいで4層で足止めされているという話もあったくらいのモンスター。

 また、ビッグレオは文字通り大きなレオだとしか言いようがない。特殊能力を持たず、爪と牙による近接戦闘しかできない。耐性があるというわけでもなく、強化魔法も使わない。ただし、その体長は小さいものでも3mを超すという一点が問題だ。実際、ユウカがさっそく見つけた個体は百m以上離れているのだが、はっきりとその全容が見て取れた、おそらく10mは超えているだろう。一応群れで出現することは今のところないようだが、戦闘中に他のビッグレオに見つかり、襲われる可能性は考えておきたいな。


「とりあえずまた端を探して右回りに行くか」


「またしらみつぶしの時間だね」


「こういう時洞窟なら多少楽なんだけどね。道が限られているし」


「そうは言ってもここは洞窟じゃないからのう。空からそれっぽい場所を探す方法もあるが、視界に入ってビッグレオを引き寄せるだけになりかねん」


「俺が『小規模ワープ』で見るのもまずそうか?」


「やめた方がいいと思うよ。目がいいって話だから」


「ならやめとくよ。まあ無理する必要もないからな」


「それがいいと思われます。戦闘中だと罠が見つけられないかもしれませんし」


「襲われたらできるだけ移動せずに戦うべきかな。マナと俺の魔法メインで」


「わしらは護衛じゃな」


「そういうことになるね」


「よろしく頼むぞ」


 俺たちは2層の探索を始めた。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv16/?? ローグ Lv44/70

 重戦士 Lv53/70   剣闘士 Lv47/60

 神官  Lv38/50   龍人  Lv8/20

 精霊使いLv15/40   舞闘家 Lv27/70

 大鬼人 Lv10/40   上級獣人Lv5/30

 魔導士 Lv15/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

めちゃくちゃ遅くなりました。1か月以上空いてしまいました…。

ですが、忙しい時期も抜け、書籍作業も落ち着きましたので、更新を再開したいと思います。

さすがにこれまでのように3日に1話なんてことはできないので、1週間から2週間に1話くらいの

ペースになります。多分土日のどちらかで更新みたいな形になると思います。


ではまた次回

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