パーティ登録次の日です2
お久しぶりでございます。
卒論も無事キリがつきまして、約一月ぶりの更新です。
今話もあとがきは書籍の宣伝になっています。いよいよ明日発売です!
今年もよろしくお願いします!
ギルドをあとにした俺たちは早速『生の草原』に向かった。
入口が混雑しているのはいつものことだから転移陣の列に並ぶのに抵抗はなかったが、それでもユウカが一緒にいるというだけあってかなり視線を集めていた。
「ユウカ様がぁ……」
「ほんとにあれが例のやつか? なんかひょろそうなんだけど」
「だよな。あれなら俺でも」
「やめとけ! 双剛拳に潰されるぞ!」
「あのボスに連戦とか頭がおかしいよな……」
「でもちょっとタイプかも?」
「お前さん男だろうが……」
「愛に性別なんて関係ないのよ」
「あいつに聞こえる前にこいつ連れ出せ」
あれ? ほとんど俺のことのような……気のせいだよな。
「かっかっか」
隣にいる俺にかろうじて聞こえる程度の音量で、表情を変えずに笑うユウカを横目で睨み付けながら、俺たちは自分たちの順番を待った。
5分ほど好奇の視線に耐え、俺たちは45層の転移陣にやってきた。ここから50層まで目的のウルフ種の探索をしながら上がる予定だ。
「それじゃ行くか。みんなわかってると思うが周囲の警戒は忘れずにな」
みなが無言で頷くのを確認して、俺たちはひとまず46層への階段目指して歩き出した。
「待て」
45層を進みはじめて何度目かの制止。さすがにユウカも慣れてきたようでスムーズに動きを止めていた。
俺たちがランク試験でいない間にキャラビーとユウカの二人でダンジョンに潜っていたこともあるらしく、ユウカはキャラビーのトラウマについては知っているようだった。しかし、俺の声での指示にそれほど慣れていないこともあり、はじめは戸惑っていたらしい。それでもすぐに適応できてるあたりがSランクの秘訣なんだろうな。
「メイ、近くに熱反応あるよ。ウルフっぽい感じで、左斜め後ろに4体。気配は?」
「……反応なしだ。襲撃警戒な。キャラビーが先に終わったら仕掛けるぞ。マナ」
「「了解」じゃ」
「終わりました」
キャラビーが罠を即行で解除し終えて、みぃちゃんの背に乗ったところでマナの感知したウルフたちの方に振り向いた。こちらに気づかれていることがわかったからか、ウルフたちは気配を隠すのをやめて草陰から飛び出してきた。
「キャラビーは右からだ!」
「はい!」
飛び出してきたウルフたちを囲うように俺とキャラビーが駆け出した。
『鑑定』は使っていないが、飛び出してきたウルフたちは4体とも依頼の標的であるフレアウルフのようで、俺とキャラビーに1体ずつ向かってくる一方で2体がブレスを放とうとしていた。
「私の後ろに!」
2体の放ったブレスをヒツギが両手の棺桶を盾にして防ぐ。一方で、俺に向かってくるフレアウルフはブレスではなく爪に炎を灯してこちらを睨みつけていた。
「バウ!」
上に跳んで炎の爪で切りかかってくるフレアウルフに『アクア』をぶつけてその火を消した。そしてすぐに上に『小規模ワープ』で跳んでその頭にかかと落としを叩き込んだ。地面に打ち付けてすぐにその頭の上に着地する。叩きつけるだけでは仕留めるとまではいかず、『自重増加』で頭を踏みつぶして仕留めた。これで毛皮もとりやすいだろう。
仕留めたフレアウルフから足をどけてみんなの方を見ると、マナのウッドルートで宙に固定されたフレアウルフを2人が仕留めているところだった。ヒツギは鎖で首を締め上げ、ユウカは一撃で頭を切り落としていた。そのまま血抜きと解体も始めるみたいだ。
その奥ではキャラビーも無事フレアウルフを仕留めて、みぃちゃんがくわえていた持ってきていた。みぃちゃんが地面に押さえつけている間に喉かどこかを切って仕留めたみたいだ。ユウカのように一撃で首を飛ばすことはできないため、何度か切った跡が見える。
「メイとヒツギは警戒お願いね。キャラビーは手伝ってくれる?」
「かしこまりました」
その場で解体とみぃちゃんへのちょっとしたご褒美をあげて俺たちは次の層への階段を目指した。
朝からダンジョンに潜っている俺たちだが、昼休憩を挟んで夕方まで探索を続けた結果、49層のぎりぎりで依頼の分のウルフ種の毛皮を集めきれた。ダンジョンの高層にも人が増えてきた影響からか、なかなかモンスターに出会わなかったこともあってかなり時間がかかってしまった。
「どうする? ここから第二段階に行く?」
「第二段階は明日にしようよ。今から行っても夜だし」
「そうじゃのう。ここから50層はすぐじゃが、そこから転移して探索となると時間がかかりそうじゃ」
「かといっても帰るには少し早いし、もう少し探索していくか?」
「それならいっそボスに挑むというのはどう? 戦闘の連携は確認できてるし、第二段階に挑む前の最終試験みたいな感じで」
「それなら明日の朝の方がよくないかの? キャラビーも疲れとるじゃろ」
「私は大丈夫ですよ、ユウカ様。気を使ってもらってみぃちゃんに乗っての移動が多かったですし」
「みぃちゃんはどうだ?」
「かう!」
「ハウス!」
「かう!?」
みぃちゃんの代わりに自分が! とばかりにみぃちゃんの頭の上に現れたヒメにチョップを落とす。お前の出番はないんだ。
「お前が元気なのはいつも通りだろうが。みぃちゃんが疲れてないか聞いてるところなの」
「かうかう?」
「がう」
「かう!」
「代わりに聞いてくれたようじゃの」
「みぃちゃんも疲れてないみたいですね」
「もうヒメちゃんが出てくるのは普通みたいになってるよね」
「なんでこうなったんだか」
「そういえば犬は飼い主に似るって言うよね。ということは……」
「俺に似たと? 冗談」
「ちっちゃいころのメイはこんな風じゃなかった?」
「よし! ボス戦いこう!」
俺はちゃんと話を終えて50層に向かった。その後ろをゆっくりとついてくる女性陣が盛り上がっているけど気にしないで行こう。
50層につくと、ちょうどボスに挑んでいるパーティが1組いるだけで並んでいる人はいなかった。そのパーティも戦闘が終盤に入り、取り巻きも倒し終えてレオウルフキングだけになっていた。1人けがで後ろに倒れているのが気になるが、盾を持った男がしっかりとボスの注意を引き付けていて周りの攻撃がうまく入っている。普段盾を使わないから何とも言えないけど、ユウカもうなずきながら見ているし相当うまい盾役なのだろう。
それから1分もせずにレオウルフキングは倒れた。そのパーティは倒れた男を介抱しながら転移していった。
「さて、行くか」
「さっきまでと同じ風でいいよね?」
「変える理由もないしな。できるだけ早く取り巻きの処理はするけど、ヒツギの負担が大きいかな」
「私は大丈夫だよ。ユウカも突出しすぎなければフォローできるから」
「それは助かるのう。まあそこまで出すぎることはないと思うが、ひどいようなら鎖で引き戻してもらうのじゃ」
「そうなったら後で話し合いだな。みんな気を引き締めろよ!」
みんなの準備が終わったのを確認して、俺はステュラと牙龍の剣を構えてボスエリアに足を踏み入れた。
どうもコクトーです。
前書きでも書きましたが、今回も書籍の宣伝です。
そして遅くなってしまい本当にすいませんでした。今年もよろしくお願いします。
作者のどうでもいい話はさておき、さっそく書籍の宣伝に入りたいと思います!
真っ先に言わないといけないことは発売日!
2月1日! そう明日です!
発売日前日まで1月も更新休んでんじゃねーよ。という声が聞こえてくる気がしますがほんとに書く余裕がなかったんですよぉ……。大学4年生ならわかってくれるはず…。
タイトルはそのまま『俺が勇者じゃ救えない!?』
作者名『コクトー』
素晴らしい絵を描いてくださったイラスト『北熊』様
でHJ文庫から発売になります!
気になる表紙がこちら!
もう大満足です! 後ろの白虎がまたかっこいい!
色々画像等いただいているのですが、、さすがにあとがきに全部は載せられないためもう1枚だけ。
です!めちゃくちゃかわいいプチ白虎のイラストです!
もうこれだけで書籍化した価値はあるよね!
残りの画像は活動報告に載せさせていただきます。
具体的にはヒツギと古里くんと白虎です。どれもほんと北熊様の素晴らしいイラストです。
ほんとに感謝です。
店舗特典について、
アニメイト 「マナの初めての依頼」
とらのあな 「プチ白虎で遊ぼう 旗上げゲーム編」
メロンブックス 「新人騎士ランジの二日間」
となっています。
Web版と違ってヒロインの登場シーンも増えております。
マナが一人になってからのお話などなど。
ヒロイン(空気)とか呼ばせない! ……といいなぁ。
最後になりますが、発売日は2月1日。明日ですよ!お忘れなく!
ではまた次回




