パーティ登録です1
次の日、ハウステントの中で目を覚ました俺は、さっと片づけをして以前作ってしまった広場に向かった。
「コルク、ちょっと朝早いけどやれるか?」
「もちろんだ主よ。主こそよいのか?」
「ああ。今日は昼前に全員でギルドに行くからユウカとの朝の鍛錬もしない予定だったし、今お前との約束を終わらせれば午後からのんびりできるからな」
「なるほど。なんでもありでよいのか?」
「手加減してやろうか?」
「こちらのセリフだ」
「それはまずヒメに1度でも勝ってから言え。武器は……なし、魔法、スキルはなんでもありでいくぞ」
「かう!」
「「……」」
「かう?」
お互いに距離をとって、さあ始めようというタイミングで定位置の俺の頭の上にヒメが現れた。ヒメは動きを止めた俺とコルクを交互に見ながら俺の頭をぺちぺちたたく。
俺は頭の上のヒメを両手で抱えて顔の前に持ってくる。
「ヒメ、今はそういうんじゃないんだ。見ててもいいから、とりあえず邪魔にならないところまで離れてくれるか?」
「かーうー」
ヒメがうなずいたから地面に降ろすと、とことこと俺たちから離れて広場の端にまで移動した。あそこなら邪魔にはならないだろう。
「待たせたなコルク。改めてやろうか」
「始めましょう」
俺とコルクの戦闘が始まった。
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結局4人で館中を探したけれどメイは見つからなかった。ブラウニーにも聞いてみたけど見てないみたいだし、森の中に逃げたのだろうということで私たちはそれぞれの部屋に戻って眠った。そして次の日の朝、いつもよりも少し遅い時間に目を覚ました私はリビングへ降りて行った。
「おはようマナ。朝ごはんできてるよ」
「おはようヒツギ。ありがと。っと、2人は?」
「ユウカは今朝風呂に行ってて、キャラビーはブラウニーたちに魔力をあげに行ってる」
「じゃあメイは?」
「さあ? ユウカが朝の鍛錬中に爆発音を聞いたって言ってたからだれかと戦ってるんじゃないかな」
「爆発音となると魔法を使ってるだろうからコルクじゃない? ヒメとはやってないだろうし」
「アンナは先にやったって言ってたっけ。なら時間はそれほどかからないかな」
「ゼルセだと長いからのう。わしも何度か戦ったが、その後もメイが何度も召喚させられとったのじゃ」
「想像できるね、それ。って、ユウカもうお風呂から出てきたの?」
「お主が遅かっただけじゃぞマナよ。いつもよりはゆっくり入っておったからの」
「ありゃ。うーん、疲れてるのかなぁ……」
「今日はギルドに行くだけで後はお休みですから、ゆっくり休んだ方がいいと思います。疲れが残った状態でダンジョンに潜るのは危ないですし」
「そうだよね。今日はゆっくりしよっと」
「あー疲れたー」
私たちが話していると、玄関の方からメイの声が聞こえてきた。どうやら帰って来たみたいだ。
「あ、噂をすればってやつだね」
「ヘタレのメイが帰って来たね」
「誰がヘタレだ」
「私たちとお風呂入るのから逃げたじゃない」
「逃げてねえよ。あれは……ちょっと外の空気を吸いたくなっただけだ」
「それで一晩帰ってこないの?」
「……ははは」
「もう、コルクと暴れてたんでしょ?」
「あれ? 俺言ってたっけ?」
「わしが朝の鍛錬中に爆発音を聞いたのじゃ。この近くで爆発音なんぞお主くらいじゃからの」
「なるほどな。あいつ無茶苦茶するからな」
「そうは言いつつも無傷で勝ってくるご主人様さすがです!」
「無傷ってわけじゃねえよ。あいつも強くなってるからな。傷は『再生』でなんとかなるし、なんとか防いでいたけど服が一着だめになっちまった。組み合ってる時に腹からダークネスソードを伸ばすなんて防げるかってんだ。また買いためておかないといつか完全になくなるなこりゃ」
「私の服でも着る? 女装したメイはさぞかしかわいいだろうし」
「……風呂いってくる」
「はいはい。朝ごはん先食べてるからね」
「すまんな」
そう言ってメイはお風呂に向かって行った。まったく、いつになったら一緒に入れる日が来るのか……。
私たちはメイの分をアイテムボックスにしまって朝ごはんを食べることにした。
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風呂から出て一人遅れて朝ごはんをいただいて、みんなの準備が終わったタイミングで俺たちは館を出て町に向かった。今日は戦闘とかはない予定だし、ギルドで用事を済ませたら別行動だ。無事に終わればいいんだけどな。
門のところでいつもの門番さんに全員でいることを驚かれたけど、3組ほど待って問題なく俺たちは中に入れた。こうやって町に入るのに列に並ぶのはさすがに慣れたな。
町中を進む最中もユウカが一緒にいるからか、いつもと違ってじろじろ見られることはあっても声をかけてくるようなことはなく、あっさりとギルドに到着した。
ギルドの中は時間も時間なのでそれほど混んではおらず、受付の列に並び始めて3分ほどで順番が回ってきた。
「ユウカ様が他の方といらっしゃるのは珍しいですね。今日はどういった用でしょうか?」
「パーティの加入登録に来たのじゃ」
「パーティの……加入ですか?」
受付嬢さんが困惑する様子で首を傾げた。心なしか周りも少しざわつき始めた気がする。
「うむ。わしが『マツノキ』に加入するのじゃ。その登録を頼む」
「ちょ、ちょっと待ってください。本当によろしいんですか?」
「うむ」
「『マツノキ』はBランクパーティですよ!? そこにSランクのユウカ様が加入すると言うのですか?」
「そうじゃ。何か問題があるのかの?」
「あるもなにも、世界に12人しかいないSランク冒険者ですよ!? そんなユウカ様がBランクパーティに加入するなんて、前代未聞です!」
「そうは言われても、わしが決めたことじゃ。こやつらの了承はすでに得ておるし、きちんと話し合った結果なのじゃから、それに文句を言われる筋合いはないと思うのじゃがのう」
「ですが!」
「ちょっといいか?」
「なんですか!」
「あんたはいったい何が問題だって言ってるんだ?」
「それは」
「俺たちのランクが問題だって言いたいのか?」
「そうです! ユウカ様はSランク。あなたたちは全員が全員Bランク。とても釣り合っているとは思えません」
「正直ランクに関する問題はこれ以上上げるつもりのない俺たちにはどうしようもないけど、ランク=強さって考えなんだとしたらその考えはやめた方がいいと思うぞ」
「なぜですか?」
「調べればわかることだけど、俺たちはユウカ抜きでここのダンジョンを4つとも攻略してる。それは強さを示すことにはつながらないのか?」
「そ、そういえばそうですね……」
「それに、ギルドにはパーティに加入するのを止める権限でもあるのか?」
「それはありませんが、私はユウカ様のことを思って!」
「わしのことを思うというのであればなおのことさっさと手続きを進めてほしいがの。わしも散々考えたのちに出した結果じゃ。わしは決して後悔はせん。それに、メイの強さはわしもよく知っておる。少なくともわしはこやつに勝てん」
「え!? ユウカ様が?」
「そうじゃ。本気でやりあっても勝ち目はない」
「そ、そこまでですか?」
「うむ」
「……わかりました。とりあえず手続きを進めます。ただ、私では判断できかねますので奥で私たちの上司とお願いします」
「わかったのじゃ」
俺たちは奥に案内され、ダンジョン攻略の証を確認するのに通されてた部屋で待つことになった。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
有効職業
聖???の勇者Lv15/?? ローグ Lv42/70
重戦士 Lv45/70 剣闘士 Lv41/60
神官 Lv35/50 龍人 Lv5/20
精霊使いLv12/40 舞闘家 Lv12/70
大鬼人 Lv5/40 上級獣人Lv3/30
魔導士 Lv5/90
非有効職業
死龍人 Lv1/20 魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99 狙撃王 Lv1/90
上級薬師Lv1/80 』
そうなんです。また遅れたんです。すいません…。
少なくとも論文が終わるまではこんな風にがんがん遅れますが、ご了承ください。
ほんとに終われるのかなぁ…
ではまた次回




