パーティ前です1
「ユウカ、この後時間あるか? 少し話があるんだが」
その日の夜、夕飯をみんなで食べている時、話が途切れたタイミングで俺はユウカに尋ねた。
「この後はもう何もないが、何の話かの?」
「有名な冒険者とかについて少し教えてほしいんだ。この中で一番そういうのに詳しいのはユウカだろ?」
「たしかにわしはそのあたりはそれなりに詳しいが、突然どうしたのじゃ?」
「4大ギルドについて教えた時でも他の冒険者については聞いてこなかったのに……頭でも打った?」
「ご主人様、大丈夫ですか?」
「……そこまで言わなくてもいいだろうが。今日町に行った時に会った冒険者から言われたんだよ。その人自身も結構有名な人だったみたいで、人によってはなんか言ってくるタイプの人もいるらしいし、少しくらいは知っておいた方がいいと思ったんだ」
「まあわしが知っておるだけでも今この町にそうしたタイプの冒険者はそこそこおるの。ほんとに注意せねばならんのは『赤の団』のティグレ、『怒涛のティラノス』のダルエムの2人くらいじゃな。有名な冒険者という意味で言うならば4大ギルドの支部長、副支部長たち、B+ランクのパーティ『フリージア』、『バーニングバード』。他にも今はAランクとまではいかんが、高ランクの連中がごろごろおるぞ。とてもではないが全員を教えるのは無理じゃ」
「全員ってわけじゃなくても、Sランクの人だけでいいよ。よくよく考えてみればSランクってユウカ以外知らないし」
「Sランクのぅ……自分のことを知らんと怒るやつが1人、知らんとちょっと凹むやつが2人、あとは皆別に知らんでも構わんという感じじゃの」
「ちょっと凹むってなに?」
「『青き空』のギルドマスターのスカイ・レインウォーカーとロイド・マクレディオという小人族の男の2人じゃ。スカイは顔には出さんが、ロイドは知らんと目に見えて凹むから、知っておいた方がよいぞ。1度凹むとかなり面倒くさいのじゃ」
「具体的には?」
「立ち直るまで話が進まなくなってしまうのじゃ。場合によっては数時間とか話が止まるからの」
「それは面倒だね。怒る人はどんな人なの?」
「セント・ゴールドという『金の軍団』のギルドマスターの男じゃ。常に全身金色の装備だからかなりわかりやすいのじゃ」
「その人は私聞いたことがあるよ。メイたちと合流する前に『金の軍団』の人と少しトラブルがあって……」
「大丈夫だったのか?」
「うん。結局その時だけで、その後は何もなかったし」
「そっか、それはよかった。ユウカ、その『金の軍団』とセント・ゴールドって人についてもう少し詳しく教えてくれ」
「わかったのじゃ」
その後、ユウカにいろいろと話を聞きながら夜は更けていった。
次の日、まだヒメは罰の途中ということもあり、一人で館に残っていた俺は、従魔たちと昼食を済まし、そのまま庭でゼルセと素手で軽く戦っていた。すると、そこにユウカが2人の男性を連れて帰ってきた。
1人は水龍の館のセバスさんを思わせるような初老の男性。もう1人はそこまで歳はいっていないが、若くはないという感じの男性だ。
「おかえり。ユウカ、その二人は?」
俺はゼルセを帰還させ、『クリーン』を自分にかけながらユウカに尋ねた。ユウカと呼び捨てで呼んだ時に、若い方の眉がぴくっと反応したのが見えたが気のせいということにしよう。
「ただいまなのじゃ。この二人は以前話した、王都の屋敷を任せておる執事長のシーラと料理長のアレフじゃ。ほれ、シーラ」
「はい。初めましてメイ殿。コトブキ家の執事長を務めております、シーラと申します。以後お見知りおきを」
「どうも。ユウカにはいつもお世話になってます」
「よく言うわ。ほれ、アレフもじゃ」
「はい。料理長のアレフです」
「先日はレシピをありがとうございました。俺たちはもちろん、従魔たちにも好評で、大変助かりました」
「それはよかったです。本日のパーティで料理を担当させていただきますので、よろしくお願いします」
「ユウカからすごいおいしいって聞いてて、楽しみにしてたんですよ。おいしい料理期待してます」
「ははは。これはがんばらないといけませんね。よろしければさっそく調理を始めたいのですが、お屋敷の台所を借りられませんか?」
「全然大丈夫ですよ。一通りの物はそろってるはずですけど……」
「包丁なんかは常に持ち歩くようにしていますし、そこまで変わった物は使いませんので大丈夫だと思います」
「食材はわしが買ってきたが、肉だけもらってよいかの? たしか大量に在庫があると言っていたじゃろ?」
「ああ。いろんな肉があるけど、アースドラゴンの肉でいいか?」
「本来ドラゴンの肉はそうホイホイ出していい肉ではないんじゃがのう……。アレフ、その肉でできるかの?」
「アースドラゴンは何度か調理したことがありますのでなんとかなると思います。しかし、ボア系やブル系の肉を想定していたので少し手を加える必要はありそうですね」
「そこはアレフに任せるのじゃ。わしにはわからん」
「ユウカ様はゆっくりお待ちください。お肉はどちらに保存されているのでしょうか?」
「アイテムボックスの中です。台所で出しますよ」
「お願いします」
「そういえば、マナたちはまだ帰っておらんのか? 今日はそれほど長くは潜らんと言っておったと思うのじゃが」
「まだ帰ってないよ。直に帰ってくるとは思うけどな。そろそろ中に入ろうぜ」
「そうじゃな。お主も汗を流したいじゃろう?」
「ああ、そうだな」
「わしが背中を流してやろうかの?」
「いや、1人で入る。まだ死にたくないし」
「ん?」
「いや、何でもない。ほら、入るぞ。ユウカはシーラさんとリビングで待っててくれ」
ユウカの背後に無表情で立つシーラさんの視線からいち早く逃れるためにも、俺はアレフさんと台所に急いだ。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 LvMAX(99)
狙撃主 LvMAX(70)
獣人 LvMAX(20)
狂人 LvMAX(50)
魔術師 LvMAX(60)
聖???の勇者Lv15/??
薬剤師 Lv57/60
ローグ Lv42/70
重戦士 Lv44/70
剣闘士 Lv41/60
神官 Lv28/50
龍人 Lv4/20
精霊使いLv7/40
舞闘家 Lv12/70
大鬼人 Lv4/40
死龍人 Lv1/20
魔人 Lv1/20
探究者 Lv1/99
狙撃王 Lv1/90
上級獣人Lv3/30
魔導士 Lv1/90 』
今回はかなり短め(コクトー比)でした。
ここでしか話が区切れなかったから仕方ないのです。
次の区切りまで書いてあるけどそこまで2000文字くらいあったので…。話進まないし次回までにはもう少し削らないと…。
ではまた次回




