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善の洞穴ボス後です2


 これ見よがしにフレイムソードを背中に括り付けてダンジョンから出たが、売り込みに来た商人が数人いただけで、この剣のことでは誰からも声をかけられることはなかった。A-にまでなるくらいだから少しは知っている奴らがいるんじゃないかと思っていたこともあり、目論見が外れた。




「くわー」


『お帰りなさいませ。主様』


 館に戻る途中、もう少しで館が見えるというあたりで館のことを任せていたアンナとカルアが森から姿を見せた。アンナは普段と変わらない様子だが、カルアは見るからに落ち込んでおり、アンナの手の上でだらりとしていた。


「ただいま。しかし珍しいな。お前がこうやって出てくるのは」


『コルクから罰の話を聞きましたと伝えるべきと考えましたので』


「そっか。カルアはまあ当然ながら落ち込んでるわな」


「くわぁ」


『3日間のお肉抜きと聞いた瞬間のカルアの落ち込み方はすごかったですよ』


「チビッ子トリオはお肉大好きだからな。しかし、お前はあんまり落ち込んでなさそうだな」


『私も肉は好きですが、野菜も嫌いではありませんので。それより主様、勝手な真似をしてしまい、申し訳ありませんでした』


「まったくだよ。レベルが上がらなかった俺の焦りがわかるか?」


『申し訳ありません』


「すまんすまん。責めてるわけじゃないから。罰は受けてもらうしな。そういえば、マナたちは帰ってきてるか? 先にダンジョンから出てるはずなんだが」


『マナ様たちでしたら30分ほど前にすでに帰っています。お風呂でみぃちゃんの体を洗うと言っていました』


「そっか。ならまだ風呂の中だろうな。もう1戦くらいしてから帰るべきだったかな」


『あまり無理はされぬようにお願いします。ヒメ様から聞いておられると思いますが、主様が亡くなられたら意味がないのですから』


「わかってるよ。それじゃ俺は部屋で武器の手入れでもしてるとするか。そういえばアンナ、最近はなんか問題とか起こってないか? 前に館に来た冒険者たちがまた来たりとか」


『主様に報告するようなこと()何もありません。しいて言うのであれば、この道からは少し外れているのですが、町の方角の森の近くでテントを張る冒険者が数名見られます。こちらに向かってくるわけでもありませんし、館を監視したりという動きもありませんので放置してありますが、いかがなさいますか?』


「んー……たぶん宿も金もなくて町からあふれた冒険者たちだろうな。何もしてこなければそのままでいいよ。もし襲われるようなことがあれば追い払っていいけどな」


『かしこまりました』


 ぺこりと頭を下げて森に消えていくアンナとカルアを見送って、俺は館に向かった。






 武器の手入れも終わり、部屋で1時間ほど仮眠をとっていると、キャラビーが起こしに来た。リビングに置いておいた手紙に気づいたらしい。

 キャラビーと共にリビングに行くと、マナとヒツギがいつでも出られる格好で待っており、すぐに冒険者ギルドに向かうことにした。



 背中に背負ったフレイムソードのことや、リッチキングの話なんかをしながら門に向かうと、豪華な装飾の施された馬車と、その前後を囲むようにして馬に乗る騎士たち、その後ろにそれぞれ違う模様のついた3台の馬車が並んでおり、町に入るまでに20分もかかった。2台目の馬車の中身でなんだか門番ともめていたみたいだが、何を持ち込もうとしたのだろうか。



 町に入り、混雑した町中を抜けて、冒険者ギルドにやってきた。ギルド内はやはり人がごった返しており、依頼を取り合ってもめている様子が聞こえてくる。関わり合いになりたくないな。フレイムソードも、一応布で刃の部分は隠してあるけど、誰かにぶつかりそうだったらすぐにしまおう。


 ダンジョン攻略報告をすべく俺たちも依頼報告と同じ列に並び、順番を待っている間もどんどん人は増え、俺たちの順番になるころには、歩く通路すらなくなる始末だった。


「依頼の報告ですか?」


「いえ、ダンジョンの攻略報告です」


「おめでとうございます! すぐに職員が参りますので少しずれてお待ちください。次の方…」


 かなり作業的に話は進み、すぐに次の人に順番は移った。

 それから1分も経たないうちに奥から職員がやってきて、俺たちはいつもの部屋に通された。


「失礼します」


「いらっしゃい。おや、『マツノキ』の4人だね。今度はどこを攻略してきたのかな?」


 中に入ると、ソディアさんが例の魔道具と共に待っていた。今回はカラスさんやアハトさんはいないみたいだ。


「『善の洞穴』を攻略してきました。カードはこちらです」


「はい、ありがとう。……今回もしっかり本物だね」


「偽物がでたんですか?」


「ここ最近はしょっちゅうだよ。ばれないとでも思っているのか、自分たちで作ったカードを持ってくる場合もあるよ。多くはすでに攻略済みのところからもう1枚持ってきて攻略したって言い張るパターンかな」


「大変そうですね」


「そうでもないよ。この魔道具があればすぐにわかる嘘だからね。その時はこっちもそれ相応の対応をするだけだから」


「具体的には何をするんですか?」


「そうだね、君たちがするとは思わないけど、もしばれたら厳重注意の上で1週間、再犯の場合は3カ月間ギルドでの素材の買取、及び依頼の受諾ができなくなるね」


「それってかなり大変ですよね」


「そうだね。人によってはその間まるっと収入がなくなるようなものだから。お金がなくなって、頼むから買い取ってくれと商業ギルドとかに駆けこむ冒険者もいるけど、その場合は買い叩いて構わないと言ってあるから」


「追い打ちをかけるみたいですね」


「ここまでやらないと反省なんかしないからね。あ、ギルドカードを返すよ」


「どうも」


「知っていると思うけど、『善の洞穴』はすでに20人渡しきってるから商品はなしになるよ」


「わかってます」


「攻略報告はこれでおしまいになるけど、何か質問はあるかな?」


「質問というか、報告になるんですが、ボスに関してちょっと気になることがあります」


「『善の洞穴』のボス? リッチとエルダーリッチのことかい?」


「それなんですが、パーティで挑んだ後、1人で挑みなおしたんですが、その時に前のパーティがどうも全滅していたみたいで」


「何やってるのさと問い詰めたい気もするけど……やっぱり何度聞いてもその手の話はつらいね」


「それなんですが、俺が挑んだとき、そのパーティがゾンビにされていたんです」


「死体は吸収されるはずなんだけど……それで?」


「その時に出てきたボスがエルダーリッチの上位種と思われるリッチキングというモンスターでした。なんとか討伐しましたが、その後普通のリッチも出てきて、倒した後宝箱が2つでてきたんです」


「それって、前の人たちの挑んだボスがまだ生きていたってことかな?」


「おそらくそうだと思います。俺の意見としてはそのパーティを倒して進化したんじゃないかと思ってます。残ったギルドカードを回収してみたらA-ランクの冒険者もいるパーティでしたから」


「ボスが進化するなんて聞いたこともないけどね。カードは今あるかい?」


「こちらです」


「ありがとう。……たしかに、みんな高ランクだね。進化したという説も間違いじゃないかもしれない。はぁ……今まで出なかったモンスターが出てるみたいだし、調査する必要があるかな」


「俺たちもできることがあればできる範囲で協力しますよ」


「そうかい? ならば残る『明の森』を攻略してくれるかな?」


「はい?」


「今4つとも攻略しているのは4組しかなくてね。もう少し自由にすべての階層を動ける人が増えてほしいんだ」


「なるほど……すいませんが、次のダンジョンはもう少し話し合ってから決めます。第2段階の方もいずれ挑む予定ですので」


「それはそれでうれしいけどね。まあ考えておいてよ」


「はい。あと、さっきのパーティのリーダーが持っていた剣なんですけど、装備に同じようなレリーフがついていて、これってギルドのマークだったりしますか?」


「カードによると、彼らはギルドに入ってないみたいだから、たぶんパーティで決めた模様だろうね」


「となると、渡す相手はいなさそうですね」


「彼の仲間がいたら渡すつもりだったのかい?」


「ええ。俺が持ってても使いませんから。なら使ってもらった方がいいです」


「んー、オークションは終わったばかりだから次まで待つか、ギルドに売るかの2択になるね。A-ランクの使っていた魔剣ならすぐに買い手は見つかると思うよ」


「オークションまで俺がしまっておくのもあれなので、ギルドで買い取ってもらっていいですか?」


「了解。じゃあここで待ってて。査定のできる職員を呼んでくるから」


「わかりました」


「すぐに戻ってくるからね」


 ソディアさんはそう言って部屋から出て行った。その後、フレイムソードは金貨12枚で買い取ってもらえた。同じように炎を操るタイプの魔剣を使っていて、実力もある冒険者に声をかけてみてくれるそうだ。金だけあって実力はないような人にわたるよりはずっといいだろう。


 その後、ますます混雑していたギルドの中を抜け、俺たちは館に戻って行った。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv57/60

 ローグ Lv42/70

 重戦士 Lv44/70

 剣闘士 Lv41/60

 神官  Lv28/50

 龍人  Lv4/20

 精霊使いLv7/40

 舞闘家 Lv12/70

 大鬼人 Lv4/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv3/30

 魔導士 Lv1/90 』

遅れてすいません。いろいろとあって遅くなってしまいました。


次の更新なのですが、場合によっては相当先になるかもしれません。今結果待ちしている試験の結果によってはマジで小説書いてる状態じゃなくなるので…就活が…


ではまた次回

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