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ソルミアへ到着です



 ラースによる襲撃から3日、俺たちは順調にソルミアの町に向かっていた。

 今の御者はヒツギ。襲撃があってからというもの、ヒツギは1人で考え事をすることが多くなった。俺たちも相談に乗るとは言っているが、今のところ誰にも相談はしてくれていない。というより、できないと言ったほうが正しいのかもしれない。

 ヒツギが悩んでいることは、十中八九襲撃してきたオルスのことだろう。900年も昔、自分と一緒にこの世界を旅した仲間。それが魔王の手先として襲ってきた。そんな人の心境なんかわかるわけがない。それに、俺たち3人は、あのオルスという龍人(ドラゴニュート)のことを何もしらない。彼が昔どんな人物だったのか、それを知るすべはないのだ。唯一怪しいと考えているのは、ミラの町の4体の龍に伝わる『名も無き物語(ネームレス・テイル)』『万龍狩りの龍人』だ。

 恐ろしく強い、刀を主武器(メインウェポン)とした、結果片角になってしまった龍人(ドラゴニュート)の話で、オルスは見事に当てはまっている。アイテムボックスに眠っている、死龍王ダムドレアスの目に刺さっていた角と、オルスの角をしっかりと調べればわかるのかもしれないが、それは無理な話だ。しかし、すでにガルアという前例がある以上、完全に人違いとも言い難い。


「……メイ、聞いてるの?」


 突然マナの顔が目の前に現れた。いかん、自分の世界に入り込んでいたようだ。


「いや、悪い、少し考え事を、な」


「もー、ヒツギだけじゃなくてメイまでそんな様子だとこの先が思いやられるよ。キャラビー、メイは聞いてなかったみたいだから、もう一回説明してあげて」


「わかりました、マナ様。えっと、今向かっているソルミアの町は、別名過去と未来の町と言われています」


「過去と未来か。それはまた大それた名前だな」


「はい。そもそもこの町は、魔法学、考古学、魔物学などデルフィナの各地で行われていた研究の研究所を集めるために作られた都市だったそうです。もともとは各地でばらばらに行われていた研究でしたが、今の国王から数代前の王の命令により、王都からそれほど離れておらず、それでいて周辺にダンジョンや危険なモンスターの生息域のないこの地に集められたのがきっかけだそうです。今はそんなことはありませんが、当時はソルミア以外に研究所を作って、研究所が取り壊しになったこともあったそうです」


「なんでまた当時の王はそんな命令を出したんだろうね?」


「それは私もわかりません。ですが、当時の王は知識欲の権化と呼ばれていたという話を聞いたことがあります」


「自分の手の届かないところで新しい発見や新しい開発が行われるのが許せないとでも思ったんじゃないのか? ありとあらゆる分野の全てを知っておきたいって感じで」


「そうだとしたらその王様はかなり発想がとんでるよね。普通なら研究所を集めようなんて考えないって」


「だよな。俺ならせいぜい年に数回報告書を提出させるとかで済ます」


「私はそもそもそんなことしたくないけどね」


「そういえば、キャラビーはアハトさんが言ってた石碑のこととか知らなかったんだよな?」


「はい。王族にしか知らされていないと思います。立ち入り禁止ならば周りに知らせる必要はないですし、王族の秘密を国民に知らせるなんて普通ではないと思います」


「でも、それを知らなくても過去と呼べる何かはあるんだよね? 文献とかが保管されてるのかな?」


「貴重な資料などは王都に専用の保管施設があると聞いています」


「ならなんで過去なんだろ?」


「研究で毎日のように新しいことが見つかるから、昨日までの常識はもう過去のものになるとかそういう感じじゃないか?」


「なんかポエムみたい」


「うるせ。それより、ソルミアの町の話だ」


「私が知ってるのは先ほどの話くらいです。あとは、ソルミアは他の町と比べて魔道具の店で品揃えが豊富という点くらいでしょうか」


「研究所があるから頻繁に新しい魔道具が開発されるからかな?」


「マナ様、魔道具や魔法はそう頻繁に開発されるようなものではありませんよ? ご主人様もマナ様もすぐに新しい魔法をいろいろ作りますけど、普通はそうはいきません。中には一つの魔法を作るために一生をかける人もいるくたいですから」


「それは私もわかってるよ。王都にいたころに多くの魔法使いの人たちから魔法を教わったから。まだ元気にしてるかなぁ」


「たしかパワーエンチャントとかスピードエンチャントとかのエンチャント系の魔法もその時に教えてもらったんだっけ?」


「うん。正確には、パワーエンチャントを教えてもらって、その時に他の魔法使いの人が術式を改造したら他のエンチャントになったんだよね」


「あまり自分の作った魔法を魔法使いの前で使うような機会はありませんからね。モンスター相手ならよく使うでしょうが、王都で魔法の開発しているような魔法使いが戦闘を行うこと自体あまりないでしょうから余計にです」


「王都の周辺にはダンジョンが3つもあるのに行くことはないの?」


「あまりないそうです。『スライムの巣窟』と『フレグランス』はすでに管理下に置かれていますが、ダンジョンですから何が起こるかはわかりませんし」


「実験のために浅い階層に潜ったりもしないのか?」


「私も話を聞いただけですのでわかりません。ご主人様すいません」


「大丈夫だから謝る必要はないよ。さすがに宿のこととかは知らないよな?」


「はい。ですので、町の入り口で聞いた方がいいと思います」


「そうだな。アハトさんがいつ頃来るかわからないし、しばらく滞在しないといけないと考えたらそこそこいい宿の方がいいよな?」


「お金は結構余ってるしね。消耗品は私もヒツギもアイテムボックスにそれなりの量を入れてるし、メイのアイテムボックスにはさらにたくさん入ってるから買い出しもあんまりいらないし、しいて言えば魔道具を買うのに必要な分だけだよ」


「魔道具を買うのか?」


「いいのがあればね。便利そうなものがあれば館においておこうと思って」


「それはいいな。町に着いたら先に気分転換もかねてみんなで買い物にいくか」


「そうだね。みんなでデート(買い物)だね」


「……買い物だよな?」


デート(買い物)でしょ?」


「……まあいいか」


「よーし。ヒツギ、町に着いたらみんなでメイとデートだよ!」


「えっ、ほんと!?」


「ただの買い物だぞ!?」


 何となく納得はいかないが、ヒツギが元気を取り戻し、次の日の夕方、俺たちはソルミアの町に到達した。




どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  LvMAX(50)

 魔術師 LvMAX(60)

 聖???の勇者Lv15/??

 薬剤師 Lv51/60

 ローグ Lv31/70

 重戦士 Lv39/70

 剣闘士 Lv30/60

 神官  Lv19/50

 龍人  Lv2/20

 精霊使いLv4/40

 舞闘家 Lv4/70

 大鬼人 Lv2/40

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


今話で年内の更新は最後になります。

今年はいろいろとありました。初めて二次審査に通過したり、藤宮藍さんにロゴ作ってもらったり。

ロゴってなんのこと? って方は1話にあるのでぜひ見てみてくださいね!(露骨な宣伝)


ちなみに、来年の更新についてはこの後活動報告で書かせていただきます。


今年も『俺が勇者じゃ救えない!?』を読んでいただきありがとうございました!

ブックマーク、感想、誤字脱字報告、お気に入り等本当にうれしいです!

来年も『俺が勇者じゃ救えない!?』をどうかよろしくお願いします!


ではまた次回

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