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貴の山です1



 翌朝、俺たちは『貴の山』の一層から受けられる依頼を探すため、冒険者ギルドに来ていた。いつもながら、多くの冒険者がくる時間よりは少し遅れているためそれほど混んではおらず、依頼掲示板が見えないなんてことにはならなかった。


「んー、やっぱ常時受け付けてる依頼くらいしかめぼしいのはなさそうかな」


「これなんかどう?」


「どれどれ? ……ヒツギ、それ生け捕りだしきつくないか?」


「下の方に小さく傷つけたらマイナスとか書いてあるね」


「パスだな」


 そんな風にいくつか依頼を眺めた結果、レッサーモンキー10体の討伐を受けることにした。レッサーモンキーは1層から20層まで出現するらしいし、どこまで行くかはまだ決めてないけど、今日は20層まではいかないだろう。明日は知らないけどな。


「『貴の山』はどの門から出ればいいんだっけ?」


「北門です。そこからまっすぐ道なりに進めば入り口が見えるはずです」


「ありがとなキャラビー。それじゃあ行くか」


「「おー!」」


 和やかな雰囲気のまま、俺たちは『貴の山』目指して北門に向かった。




 北門を過ぎて10分ほど歩くと、少し先に人だかりが見えた。ダンジョン前恒例の売り込みだな。新しいメンバーを加える気もないし、買い忘れた物もなかったから売り込みは素通りして順番待ちの列に並んだ。4パーティだしすぐに入れるだろう。


 それから、1分もせずに俺たちの番になり、俺たちは『貴の山』へ続く門をくぐった。



 門をくぐった先には、頂上がまったく見えない、とても大きな山がそびえたっていた。まっすぐ伸びる坂道と、その左右に乱雑に並ぶ木々。基本的にはただの草原しかなかった『生の草原』とはまた違った雰囲気が漂っていた。


「これ、登るのだけでも苦労しそうだね」


「はい。まっすぐ坂を上り続けるだけでも相当体力を消耗します。さらに、この道を行くとモンスターの襲撃も多く、トラップも多く設置されますので、精神的にも非常に疲れます」


「ん? キャラビーはここに来たことあったの?」


「ご主人様たちがランク昇格試験で出かけている間にユウカ様と15層まで挑んでいました。『貴の山』は他のダンジョンと罠のタイプが違うので経験しておいた方がいいと」


「罠のタイプが違うってどういうこと?」


「はい、この『貴の山』には、他のダンジョンでは見られない、罠を設置するためのモンスターが存在するそうです」


「別に罠を使うのはここ以外でもありそうなもんだが、普通はないのか?」


「いえ、罠を使うモンスターは多くいますが、そのためのモンスターはいないという意味です。このダンジョン全域において、トラップモンキーというモンスターが生息しているそうなのですが、このモンスターは基本的には戦闘を行わず、ダンジョン内のあちこちに罠を設置するのだそうです」


「それじゃあこのダンジョンでは地図は無意味ってことなのかな? 道は見ての通りにまっすぐに伸びているらしいし、頂上を目指せばいいなら迷うことはなさそうだよね」


「マナ様の言う通り、このダンジョンでは地図は何の意味もありません。日によってどころか、今この瞬間にもどこかに新たな罠が設置されていますし、同時に同じ数の罠が消えています」


「罠の設置数には上限があるのか?」


「これまでの傾向によるとそうらしいです。1体のトラップモンキーが設置できる罠の数に限界があって、層ごとにトラップモンキーの数が決まっている、というのがギルドの見解だとユウカ様が言っていました」


「なるほどな。そういえばさ、さっきこの道を行けばって言ってたよな? 他にも道があるのか?」


「はい。ある程度体力と腕に自信のある冒険者だとそちらを行く方が多いそうです」


「ほう。その道にはどうやって行くんだ? 山の外周をぐるっと回るとか?」


「そこまで行かなくても大丈夫ですが、この木々の中を進むのだそうです」


「木々の中を……って、道なき道を進むってこと?」


「はい。この整備された道からかなり離れる必要はあるそうですが、ある程度離れれば罠がほとんど設置されていないそうです。ご主人様の言う通り、山の反対側まで行けば確実だと思います」


「自分で言ったことではあるけど山をぐるっと回るのはちと嫌だな。でも罠が少ないのは魅力的かな?」


「その分デメリットもありそうだけどね。そこのところどう?」


「はい。モンスターと罠の数は極端に減るそうですが、木が生えているせいで視界が悪く、整備されていないため足元もデコボコ。モンスターも数が少ない分強くなり、罠もわかりにくくなるそうです」


「そっか、だから体力と腕に自信があるやつってことなんだな」


 ただでさえ山を登るから体力の消費が激しいのに、足場が悪いとなるとさらにそれは加速する。その上、視界が確保できずに奇襲を受けることもあるだろうし、そんな状態で普通より強いモンスターを相手にしなくてはならない。腕に自信があっても体力がなくては途中で疲れてしまうし、体力に自信があってもモンスターをすぐに倒せる腕がないといずれは詰んでしまう。わかりやすいな。


「ユウカと来たときはどっちを進んだんだ?」


「整備された道です。戦闘に関してはユウカ様とみぃちゃんもいたので大丈夫だったのですが、私の体力が持ちませんでした」


 悔しそうにうつむきながら話すキャラビーの頭に俺はポンと手を置いた。


「そう気にすることじゃないさ。足りないものがわかったならそれを補えばいいんだからな。今日のところは同じ道を行こうか。明日からはまた考えよう」


「様子見ってことだよね。2層まで行って引き返す?」


「いや、5層まで行って転移陣で帰ろう」


「そこは引き返そうよ!」


「マナ様、ですが、私が挑んだときも初日に5層まで行けましたので大丈夫かと」


「そうなの?」


「はい。進んで戻ってを繰り返すうちに体力がつくという考え方もあるそうなのですが、毎回違う罠のせいで疲労はどんどんたまっていきますから、体力に余裕のある初めのうちにある程度転移陣を使えるようにするのは『貴の山』に挑むにあたっては間違っていないと思います」


「だってさ。そういえば、野営ってことは何日かダンジョンで過ごしてたのか?」


「はい。5日間で5層、4層と少しずつペースが落ちていきまして、最終的に15層まで進むことができました」


「すごいじゃんか!」


「そうだな。すごいぞキャラビー」


「あ、ありがとうございます」


「とりあえず今日は5層まで。2人もそれでいいか?」


「仕方ないかな」


「たしかに、考えてもみれば山道を往復するのは嫌だしね」


「よっしゃ。じゃあ行くぞ!」


 目標も決まって、俺たちはまっすぐ山道を進み始めた。

どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 LvMAX(99)

 薬剤師 Lv49/60

 聖???の勇者Lv15/??

 狙撃主 LvMAX(70)

 獣人  LvMAX(20)

 狂人  Lv49/50

 魔術師 LvMAX(60)

 ローグ Lv30/70

 重戦士 Lv37/70

 剣闘士 Lv28/60

 神官  Lv18/50

 龍人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 

 死龍人 Lv1/20

 魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99

 狙撃王 Lv1/90

 上級獣人Lv1/30

 魔導士 Lv1/90 』


遅れてすいません。

昨日も、1時間くらい仮眠をして、一気に書き上げる予定だったのですが…気が付いたら朝でした。ハイ。


ではまた次回

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