洞窟エリアです
25層のボス討伐から一週間が経ち、俺たちはついに30層に向かって出発した。
28層までは、地図もあるし、この1週間で依頼のために何度か来てたからすぐに踏破し、俺たちは目的の洞窟エリアにたどり着いた。
29層、30層の洞窟エリアは、6人が横になって歩いても余裕があるくらいには広い。その通路をふさぐほどの大きなモンスターも1種類存在しているらしいが、テレポドラゴン以上に出てくるのが稀だと書いてあった。俺としてはテレポドラゴンやフライガエルが出てきてくれればそれでいいけどね。
「ここと次は洞窟か……結構広めだな」
「ダンジョンの中では小さい方だけどね」
「そうなのか? オーガのとこはもっと狭かった気がするんだが……」
「もっと広いところもたくさんあるしね。私が行ったことがある所で一番大きかったのはたぶんコルクが10体いても余裕だったと思うよ」
「そこって『ディドン』ですか?」
「そんな名前だったっけな? 覚えてないよ」
「まずは転移陣までさっさと進もう。そこからは先に戻っててくれないか?」
「一人で狩りに行くの?」
「たぶんワープで移動し続けるからな。置いてけぼりにしちゃいそうだ」
「置いていかれるのは困るけど1人で行動するのはどうなの?」
「あんまよくはないと思うけどな。できれば今日中にどっちでもいいから2,3体は喰らえればいいかなって思ってる」
「ご主人様でもさすがに難しいと思います。そもそも見つけても戦闘に入るまでが厳しいですし、テレポドラゴンは強いので戦闘中に逃げられてしまうと思います」
「……なら、これから転移陣に行くまでに1体でも狩れたらいいってことにしないか? 狩れなかったらみんなで行こう」
「うーん、じゃあそれでいいよ。……狩れないと思うけど」
「よし決まりだ。じゃあ行こうか」
俺たちは洞窟を進み始めた。
「いた。フライガエルだ」
30層を進み始めて30分くらいしたころ、曲がり角を曲がると、少し離れた通路にフライガエルを見つけた。こちらに気づいている様子はなく、ピョンピョンと跳ねながらのんびりとしていた。
「チャンスだな。ちょっと狩ってくる」
「気をつけてよ。フライガエルもレッドベアたちと比べたら十分強いモンスターなんだから」
「わかってる。ちょっと連続『小規模ワープ』で近づいて仕留めるから。さすがに空中にいる時なら大丈夫だろ」
ステュラを握りしめ、そっと『鬼の一撃・付与』をステュラに使い、自身もスキルで強化していく。
「『小規模ワープ』」
次々にワープしていき、あっという間にフライガエルの後ろにつく。ちょうど跳ねたところだ。いける!
次の瞬間、俺は皆がいる付近の壁にたたきつけられた。
「大丈夫!?」
「大丈夫ですかご主人様!」
崩れて俺の上に落ちてくる石をどかしながら手を挙げて大丈夫という意思を伝える。
「思った以上に厄介だった。まさか宙を蹴るなんて」
俺がフライガエルの後ろに跳んだ瞬間、フライガエルは宙を蹴った。その時、俺は空気の塊に弾き飛ばされたのだ。フライガエルは、空を飛んで逃げると聞いていたが、それは間違いだった。フライガエルは、空を飛ぶのではなく、空を跳んでいたのだ。
「でも、これでわかったね。1人で行くのは反対」
「いや、大丈夫。しっかり仕留めたから」
「へ?」
「結構向こうのほうになると思うけど」
後ろに弾き飛ばされる中、とっさに『ニードル』を水平方向に放っておいた。あの感じだとたぶん当たってるな。
3人は半信半疑のまま俺が先頭になってフライガエルを見に行った。
結果、俺が放った『ニードル』はきっちりとフライガエルを仕留めていた。フライガエルを最初に見つけた地点から50m以上先だったが、ダンジョンの壁にピン止めされているように死んでいた。
急なことだったので1発しか撃てなかったが、その1発にけっこう魔力を込めていたからそれなりのスピードだったらしい。壁に棘がぶっすりと刺さっている。
「な? 仕留めてただろ?」
「うわぁ……図鑑を思い出した」
「ご主人様すごいです!」
「キャラビー無理とか言ってなかった?」
ヒツギのつぶやきに対してキャラビーはそっと目をそらしていたが、まあいいだろう。
俺はフライガエルから棘を抜き、その死体を喰らった。
『スキル:空蹴りLv1を習得しました』
『空蹴り』か。レベルの数だけ宙を蹴ることが可能になるスキルらしい。これはレベルを上げれば逃げるのに使えそうだな。『フライ』の呪文じゃないのはちょっと残念だが、これはこれで戦闘の幅が広がりそうだ。これまでみたいに連続小規模ワープで移動しなくても空中で移動する手段ができたんだからな。
その後、30層の転移陣に到着するまでにテレポドラゴンは見つけることができなかった。フライガエルの方は2体ほど見つけたが、いずれも仕掛ける前に逃げられてしまった。気づかれない対策をしなくちゃな。
転移陣を使えるようにして、3人は一旦家に向かった。俺はこれから探索の時間だ。目指せ10体!
『空蹴り』のレベルアップのために意図的に使いながら、壁に沿ってダンジョンの横穴を進み始めた。
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メイと分かれて一旦外に出た私たちは、ギルドに素材を売りに来ていた。
ここのところは、メイもヒツギもちゃんと売れる部位はある程度確保して、残りを喰らったり吸収しているので売れるものも結構ある。メイのアイテムボックスの容量はバグみたいなものだし、私たちの持つアイテムボックスも容量は大きい部類に入る。魔法の袋も1つあるし、まずあふれることはない。あふれるなら傷ついたり曲がったりしている物から吸収してもらえばいいしね。
ギルドの中では、私たちが全員女であるということで絡んでくる酔っ払いがいたけれど、そいつのパーティメンバーが黙らせていた。ヒツギが鎖をいつでも使えるようにしてたからちょっと怖かったんだけど、無事でよかった……相手が。
今回の探索で集めた素材を売り、食料をいくらか買って家に帰る途中、どう見ても迷子になっている感じの女性がいた。あっちに行ってうろうろ。こっちに行ってうろうろしており、ついつい気になってしまった。
そんな風にちょっと見ていると、向こうに気づかれた。
「お主ら、その格好を見るに冒険者じゃな?」
近づいてきた女性は、私たちの姿を見て尋ねてきた。冒険者なのかな?
女性の格好は、多少改造して動きやすくはなっているが、どう見てもピンク色の和服だ。腰のところをベルトで止めて、足の部分は膝下くらいまであるが、真ん中で分かれており、足を動かすのにも問題はない。腰まである長い黒髪も、根元と先の方の2か所で束ねられているのが印象的だ。
「たしかに冒険者ですが、どうかしましたか?」
「いやー、久しくこの町にきておらんかったからの。久しぶりに冒険者として復帰したのはいいものの、ギルドの場所がわからなくての。教えてもらえんか?」
「冒険者ギルドはここからまっすぐ歩くとすぐですよ」
「おお! そうか、ありがとうの。では失礼する」
女性はそう言って笑顔でギルドに歩いていった。
「なんだったんだろ?」
「同業者でしょ?」
「それにしてもあの着物なんというか……」
「メイにみせたら喜ぶかな?」
「あれはおそらく『ヤマト大国』の衣服ですね。日常で着られる物はもう少し露出が少ないと聞きます」
「やっぱり『ヤマト大国』って日本みたいなところなのかな?」
「昔行ったときは江戸時代みたいな感じだったよ」
「一度行ってみたいね。でも、行ったら向こうに帰りたくなりそうだね……」
「マナ様……」
「ごめんね、少し感傷的になっちゃった。早く戻ってメイが戻ってくる前にご飯作ろ」
「そうだね。今日はちょっと豪華にいこうか」
そうして私たちは家に帰っていった。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 Lv88/99
薬剤師 Lv42/60
聖???の勇者Lv12/??
狙撃主 Lv45/70
獣人 Lv16/20
狂人 Lv21/50
魔術師 Lv37/60
ローグ Lv21/70
重戦士 Lv21/70
剣闘士 Lv1/60
神官 Lv1/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40 』
遅れて申し訳ないでうs。
のど痛いです……
活動報告の優しいコメントに癒されてます。ありがとうございます!
日にち的に次はクリスマスかな?
今年ももちろん家族で過ごします。
ではまた次回




