1.異世界転移しました
「これが魔力暴走...」
勇者は自分の死を悟った。
勇者の目の前には、炎と闇が絡み合う混沌が広がっていた。 空間はねじれ、時間は波のように揺らいでいる。その光景はまるで地獄の底が渦に飲み込まれたようだった。勇者は時間の感覚が分からなくなるほど流されていった。
光が見える。出口である。
遡行が終わる。目の前が真っ白になる。
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鳥のさえずりが聞こえる。葉の揺れる音が聞こえる。暖かな日差しが剣を優しく照らす。
「あぁ、なんという心地の良い場所だ...ここは、どこだ?」
ガルバドスは体を起こし、辺りを見回した。周囲にはヴァール王国にはもう無かったような、生い茂る緑の木々が無数に広がっている。
「ここがどこか分からない今、うかつには動けない。どうしたものか、スキルが発動できるか試してみよう。」
「スキル発動 サーチ【探索】」
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スキル サーチ【探索】:周囲の環境を調べることができる
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サーチ結果:「ヒュドラ大森林」 200??前ドラゴンが封印された場所。封印された後は竜の魔力によって、森林がより美しい姿となった。
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「ド...ラゴン?なんだそれは。それにヒュドラ大森林とはどこだ...」
「ドラゴンとは街や森を破壊し、人々に災いをもたらすという伝説のモンスターだよ。まぁそんなことないんだけどね。」
ガルバドスの後ろから声が聞こえた。
(気配が感じられなかった。この者は一体...)
ガルバドスは地面に落ちている剣を拾い、柄を持ち、警戒を強めた。
(見た目は少女...ざっと19歳くらいだろう。だがオーラが並の少女のものとは思えない。)
ガルバドスは剣を引き抜き、少女に向けた。
「おやおや、そんな物騒なものはしまってくれよ。別に君に危害を加えるつもりはないんだからさあ。」
(人間...いやこの威圧感。人間のものではない... テスター【鑑定】を使うか...)
「スキル テスター【鑑定】」
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スキル テスター【鑑定】:相手のステータス 物体 を調べることができる
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テスター結果: 鑑定失敗 ⚠妨害されています
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「うん?君。私に何かした?なんだろう。精神操作の一種か..な?いや違うっぽいなあ。うーん分からないけどそこら系統の能力なら無効しちゃうから意味ないけど。」
(スキルが妨害された?鑑定妨害のスキル持ちか。攻撃をしてこないということは話は通じそうだ。)
「俺の名はガルバドス。ヴァール王国の勇者である。貴方の名を申せ。」
「ん。私の名前はレドラ。よろしく。」
「レドラ。其方に聞きたいが、ここはどこだ?」
「ここはヒュドラ大森林。私がさっき言ったモンスター、『ドラゴン』が封印されている場所。管轄はネシスー王国?だったかな。私はあらゆる王国を知っているけどヴァール王国っていうのは聞いたことがないなぁ。」
(そうか。魔力暴走で飛ばされた年が分からないのだった。ここは未来の土地或いは過去の土地かもしれない。)
「レドラ。聞きたいことがある。ここは何年だ。」
「ナンネン?それってどういう意味?」
「年の意味が分からないのか?言葉自体が消滅している?どういうことだ。」
「よくわからないんだけど、うーん。」
「時間の概念はわかるか?」
「うん。わかるよ。」
「では今の時間を教えてほしい。詳細に。」
「えーと 3504セル 3ヒ43ノル 11アワ16ミニ かな?」
「3504セル?セルとは何だ。」
「セルはこの王国の時間の単位。 12ヒごとに1セル進むの。」
(なんだ。何もかもが違いすぎる。どういうことだ...もしかすると)
「もう一度聞きたい。この場所...ここはどこだ?」
「だーかーら。言ってるでしょ。ここは〈ワールドネーム:ゼウ〉のヒュドラ大森林だって。」
「?」
「え?分からないの。〈ワールドネーム:ゼウ〉のヒュドラ大森林を?」
「すまん。ワールドネーム 何と?」
「〈ワールドネーム:ゼウ〉だよ?」
「・・・!!」
勇者 ガルバドス は理解してしまった。
自分は今とんでもないところにいると。
魔力暴走により、自分がいた時空から離れたこと。
そして…「異世界転移」をしてしまったことを。
主人公紹介
名前:ガルバドス
性別:男
職業【ジョブ】:勇者
年齢:24
性格:真面目で強い 心に優しさを持つ
好きな食べ物:肉全般
嫌いな食べ物:特にない あるとしたら回復薬
後書き
前日談書けませんでした汗汗。なので主人公の紹介を置いときます。
遂に一話目書き上げました。これから頑張るので温かく見守って、応援してくださるとうれしいです。レビュー、感想お待ちしております。




