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ANIMA  作者: パンナコッタ
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69/71

ルーシェル

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 生命の樹のある聖地オルタナを護り続けたルイスの民の派生《オルタナの民》の最後の生き残り、ジークフリートは世界の終焉を止めるべく覚悟を決めたヘラクレスと対談していた。


「つまり……エースの見た記憶は偽物であり、本来の歴史だとオルタナの民なるものが存在すると……」


 訝しみながら机に置かれた歴史書を手に取るヘラクレスは、蒼い瞳をした老人を見入る。


「そして……私と貴方はそのオルタナの民の生き残りであると……」


 老人は首を縦に振った。老人が言う聖地オルタナとは、神が魂を宿したとされる生命の樹が生える場所。アナスタシアとルイスがかつて暮らした地。

 そこが聖地とされる意味の一つに、《神域》が関係する。神が部外者を立ち入らせぬために生み出した巨大な領域の壁。それ故に今日まで生命の樹が根付く場所は分かっていなかった。


「そしてオルタナの民の青年……へーロスが神と契りを交わしたことにより、オルタナの民は神に等しい力を会得したと……」


 書に記されるへーロスという者は聖地オルタナにて神と契りを交わし、強大な力を得たという。それはジークフリートにも、ヘラクレスにも受け継がれているという。


「へーロスの願いはただ一つ、エース・レッカに神を再生させること」


 老人が言うには、へーロスはエースに未来を託すために神と契りを交わしたと……しかし、遥か昔に生きたヘーロスがエースのことを知っているはずがない。 


「それが神の力……未来視じゃ……」


「ワールドエンドオーダーの発動は世界の再生成と共に、力を失った神の再生ともなる。神がへーロスにそれを依頼し、代わりに力を与えた」


 老人は服の間にある飾りを取り出す。


「これはオルタナの民に代々受け継がれてきた守護の片魂じゃ……これをお前に譲渡する」


「それと同時に、最高位ルーシェルをお前に継ぐ」


「どうか……へーロスの野望を……エース・レッカを止めてくれ」


 老人から渡された飾りを首にかけたヘラクレスはただ何も発さずにその場から去った。



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