外国の料理とか
すっかり元の日常に戻りいつも通りの生活を送る。
そんな中理津子はまたいろいろと料理を試している様子。
理津子の世界で言う所の外国の料理なんかも最近は作っている。
父親が自称元ホテルのシェフなのでそういう料理もきちんと覚えたようだ。
「なんかにんにくの匂いがすんね」
「あいつ、にんにくがお買い得だからってたくさん買ってきたよな」
「にんにくで何を作ってるんだろう」
そんな話をしていると理津子が完成した料理を運んでくる。
それはにんにくの香りがするクリーム煮のような料理のようだが。
「またにんにくの匂いが強いねぇ、なんじゃねそれ」
「シュクメルリっていうあたしの世界の外国の料理だよ」
「シュクメルリ?鶏肉のクリーム煮じゃないのか?」
「うん、クリームだよ、鶏肉のガーリッククリーム煮込みみたいな」
「でもにんにくの匂いが強いね、にんにくをたくさん使ってるのかな」
シュクメルリ、理津子が過去に食べた料理の中でも特に好きになったものだという。
父親が作ったそのシュクメルリは今でも大好きなのだ。
そのレシピもしっかりと覚えたようである。
「にんにくもたくさん使ってるよね?」
「うん、にんにくとクリーム、それで鶏肉を煮込んだやつだね」
「確かに美味しそうだが、口臭が凄い事になりそうだな」
「でも美味しいんだよ、お父さんの作った料理でも特に好きだったやつなの」
「なら早く食べようよ」
そんな話も早々にシュクメルリをいただく事に。
にんにくの匂いとは裏腹に濃厚なクリームの味も絶品だ。
早い話がチーズスープにも近いものでもある。
「ん、確かにこいつは美味いわ、パンと一緒に食うと止まらんぜよ」
「ご飯でも美味しいんだけどね、まあせっかくだからパンにしたんだけど」
「口臭とか気にせずにガンガン食えるな、にんにくとクリームでこんな美味しくなるのか」
「こっちにも似た料理はあるらしいけどね、ただ郷土料理って聞いたから」
「郷土料理なんだ、でも確かに美味しいよ、たくさん食べられそう」
パンとシュクメルリがどんどん消えていく。
それはその美味しさを語っているのだろう。
普段は仕方なくドカ盛り飯を完食しているロザリオもこれは止まらない様子。
「んま、これは本当に止まらんねぇ」
「でしょ?お父さんもこれは本当に美味しいって言ってたから」
「鶏肉もクリームが絡んでて食べやすいしな」
「にんにくの世界一美味しい食べ方ってお父さんは言ってたよ」
「たくさん作ってくれたからたくさん食べられるしね」
シュクメルリはどんどん消えていく。
それだけ食が進むという事なのだろう。
理津子の料理の基準は栄養よりも美味しいと感じられる事に重点が置かれている。
「にしてもりっちんの料理って栄養とかガン無視してる感じはあるよね」
「美味しいって思ってもらえる料理をあたしは作るから」
「でも栄養が偏ってる感じは不思議としないんだよな、なんでだ?」
「美味しく食べられるなら野菜でも肴でも肉でも果物でもなんでも使うからね」
「確かに野菜も結構出るよね、主に副菜っていうのかな?」
理津子の料理は野菜は多くは副菜として出している。
その一方で主菜には肉や魚といったものが多く並ぶ。
また野菜を主菜にする際は多く食べられるように炒めものなどにする事が多い。
「りっちんってもしかしてたくさん食べられるように献立組み立ててる?」
「意識はしてないけど、食べてて不味いと感じないようには考えてるかも」
「野菜は炒め物や煮物が多いのはそういう事なんだな」
「うん、野菜は生だとかさが多いから火を通してたくさん食べられるようにしてる」
「確かに野菜炒めとかお鍋の白菜とかは元を見せられると凄い多いよね」
理津子はたくさん食べられるようにというのをまず考える。
そこからメニューを考えるので、ドカ盛り飯でも割とたくさん食べられる。
それは父親の教えなのかもしれないが、真偽は分からない。
「はぁ、んまかったぜぇ」
「また外国の料理とか材料が手に入ったら作ってみようかな」
「お前の料理ってドカ盛りなのに不思議と苦にならずにたくさん入るのは凄いぞ」
「美味しくたくさん食べられる、あたしの料理におけるモットーだね」
「リツコらしい考えだよね」
ドカ盛り飯なのにロザリオでも不思議と完食出来る理由。
それは美味しいと思う事に加え、元の量が多いと思わないような工夫。
そういった料理のしかたにたくさん食べられる理由があるのだろう。
「なんかデザートないの」
「そっちも作ってあるよ、今持ってくるね」
「たくさん食べてるのに不思議と太らないんだよな、あいつの料理は」
「なにか工夫はしてるんだろうね」
理津子の料理における考え方。
それは美味しいとたくさんというのが第一にある。
大食いでもないロザリオがドカ盛り飯を完食出来る理由。
そういう考えがあるから美味しいのかもしれない。




