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試し焼きのパン

先日増設したパン焼き窯。

とりあえず試しに適当なパンを焼いてみる事に。

料理好きもこじらせた感じなのか、様々なパンを焼ける様子。

なんのパンを焼いたのかというと。


「いい匂いがしてきたねぇ」


「この前のパン焼き窯でパンを焼いてるんだな」


「ピザ窯の次はパン焼き窯なんて理津子も本気なんだね」


そうしているとパンが焼き上がったのか、それを持ってくる。


数種類のパンが焼き上がったようだが。


「待ってました」


「うん、これがあんぱんでこっちはクリームパン、あと食パンね」


「食パンまで焼いたのか、凄いな」


「余ってるやつはエミールとかサインに分けてあげようかな」


「それより食べようよ」


とりあえず試作品を食べてみる事に。

試作品にしては上々の焼き上がりのようではある。


そのうちもっといろいろ焼いてみようという気にはなる。


「うん、上手いじゃん、流石りっちんって感じ」


「ありがとね、パンは重労働だからそんな頻繁には焼けないと思うけど」


「パンってそんなに作るのが大変なんだな」


「実際街のパン屋とか表向きと実際の作業はかなり差があるものだよ」


「パンってそんなに重労働なんだね」


理津子曰くパン屋はそれこそ体を壊しかねない重労働だという。

個人経営のパン屋なんかは商品の補充もそれだけ大変なのだと。


だからこそ文明の利器を使って経営を支えているという事らしい。


「まーあたしも侵入した先でパン焼いた事あっけど、二度と焼くかと思ったわ」


「アノットって重労働とか嫌いな人だもんね」


「こいつ、有能なくせに面倒は嫌だって言うからな、宝の持ち腐れか」


「でもアノットがいるからあたしも助かってるんだけどね」


「パンを手作りしようと思うとそんなに大変なんて知らなかったよ」


とはいえ理津子が言うには炊飯器でパンが焼けたりした世界だ。

それもあってパンを焼く事自体のハードルは下がっていたという。


大変なのはあくまでも生地作りなのだと理津子は言う。


「りっちんってさ、パンまで焼ける辺り、本当に料理好きなんね」


「まあね、休みの日はパン工場とかお菓子工場の見学にはよく行ってたよ」


「工場見学まで行く辺り、筋金入りだなお前」


「やっぱり文明って凄いよね、あの重労働をオートメーション化するんだもん」


「この世界も機界の技術が入ってそういうのは楽になったって歴史もあるもんね」


理津子曰く休みの日はよく工場見学などに行っていたらしい。

行動力は無駄にあるという事なのか。


料理好きもこじらせるとそこまで行くという事なのか。


「でもパンってお米に比べるとカロリー高いんよね、そこはビビるわ」


「確かにね、あたしも食事はパンよりご飯派だったなぁ」


「おにぎり一つのカロリーとパン一つのカロリーだとパンの方が高いんだよな」


「そうそう、だからカロリー気にしてる時なんかはお米ばかり食べてたよ」


「そんな太ってるようにも見えないけど」


理津子はダイエットはそんなに興味のない人ではある。

あくまでも平均をキープする程度にしか運動などはしない人だ。


平均体重より数キロ落ちたら徹底的に食べるというような事もしていたとか。


「あたしも甘いパンは好きなんだけどね、食べすぎると怖いのよ」


「普段の生活を見てると体重とか気にする人なの?アノットって」


「こいつあれだけ自堕落なくせに平均体重より増えないんだよ、おかしくないか」


「運動とかも面倒って言ってしてるところ見た事ないんだけど」


「実は隠れて何かやってるとかなのかな」


ロザリオも理津子もセルベーラもそれは不思議に思っていた。

何か秘密があるに違いないとは誰もが疑っている。


本人は仕事もきちんとしているが、基本的にはだらだらしてるイメージしかない。


「ま、おねーさんはあんた達が思ってるような人じゃないって事さね」


「なんか納得いかない」


「リツコが焼いたパンも一番多く食ってるのこいつなのにな」


「世の中の理不尽さを感じた気がするね」


「人間は大変なんだね」


アノットにはどうにも納得がいかない理津子達。

アノットはなぜか太らない、あれだけ食べているのに。


秘密は絶対にあるはずだと思っている。


「さて、それじゃおすそ分けに行ってくるね」


「いってらー」


「パンも米も嫌いじゃないんだけどな」


「ロザリオもいい人を呼んだよね」


そんな試し焼きのパンも上々の様子。

パン作りは重労働という事を理津子は知っている。


だからこそ文明の利器は有効に使うものなのだ。


文明の利器の素晴らしさが分かるパン作りでもある。

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