異世界の音楽
こっちの世界にもすっかり馴染んでいる理津子。
文化などについても勉強しているため、ある程度の本気は感じられる。
そんな今日は買い物に出たついでに少し気になっているものを探す事に。
その探しているものとは。
「うーん、こっちにはそういうお店はないのかな」
「おや、リツコサンではないデスか」
「あ、エミール、ちょうどいいや、少し聞いてもいい」
探しものをしている中帝の食事に使う食材を買いに来ていたエミールに出会う。
ちょうどいいと思ったため探しているものについて聞いてみる事に。
「ねえ、こっちだと音楽ってどうなってるの?レコードショップみたいなのはないし」
「音楽デスか?こっちだと本屋が兼任していマスよ」
「本屋が?つまり円盤とかもそこで買えるの?」
「円盤デスか、せっかくなので案内しまショウか」
「ならお願いしようかな」
そうしてエミールに案内されショッピングモールにある本屋に移動する。
こっちの世界では本屋にレコードのコーナーがあるのが普通らしい。
ついでに携帯に音楽の機能ついていないのもあるため、ポータブルプレーヤーもよく売れるとか。
「ここデスね、本屋の半分はレコードコーナーデスよ」
「本当だ、本屋の半分がレコードコーナーになってる」
「大型の本屋は大抵がこうデスね、個人経営なんかだと取り寄せ専門デスが」
「そういう感じなんだ、少し見てくるね」
「少しお付き合いしマス」
レコードコーナーを見に行く理津子。
結構なハイテクをよく見るこちらの世界でも円盤が現役というのも意外に感じる。
しかし理津子の世界との違いを改めて感じるものを見つける。
「円盤はほとんど一枚だね、それに収録曲が凄い多いし値段もその割に安い」
「技術の発展で円盤にも最低でも2000曲ぐらいは余裕で入りマスから」
「マジ!?それなら一枚で全然余裕だよねぇ」
「リツコの世界では音楽はどうなっているのデスか?」
「あたしの世界だとベストアルバムとかは三枚組とか四枚組が当たり前だよ」
改めて感じる技術の違い。
機界の技術が入っているため、CDですら2000曲は軽く入るらしい。
そのため解散時には歴代曲全曲入りのアルバムを出す歌手やバンドは普通だとか。
「このアルバム凄いね、歴代曲全部原曲で入ってて値段がたったの6000って」
「曲数が多いデスから、それでも高い方デスよ」
「そういえばこっちの通貨はメイルっていうんだっけ、あたしの世界のお金に換算していくらだろ」
「ならこれで計算してみまショウ、最新アルバム1500メイルデス」
「収録曲が15曲のアルバム、あたしの世界だと大体3000円か、大体…なんとなく分かった」
大まかではあるが円換算が出来た模様。
大体の換算ではあるが、1500メイルは円換算で3000円。
つまりこちらの値段の二倍の換算になる、100メイルのお菓子は200円といった感じだ。
「つまりこの歴代曲全部原曲で入ってるアルバムはあたしの世界だと…いや、もっと高いね」
「そこは価値の違いデスね、一般的なアルバムならその換算でいいと思いマス」
「そりゃあたしの世界に歴代曲全部原曲で入ってるベストアルバムなんて存在しないし」
「ならベストアルバムはどうなっているのデス?」
「基本的に5年に一度ぐらいかな?でシングル曲をそこまでのもののA面全部入り」
それについてエミールは辛辣に返してくる。
A面曲しか収録しないとかどれだけケチなのかと。
こっちではアルバムは通常でもベストでもカップリング曲も収録するのが当たり前だと。
「そういえば置いてるのはほとんどがアルバムだね」
「基本的にはアルバムの人気曲をあとからシングルにするのものデスよ」
「あたしの世界でも昔はそうだったって聞いたな、今はシングルありきのアルバムか」
「カップリング曲はシングルカット時のサービスとして収録されるのデス」
「CDが現役な事より、入る曲数と出す時のスタンスが違いすぎて驚いたよ」
今は買わないものの、今度ネットで視聴して気に入ったものを買おうと考える。
しかし歴代曲全部原曲で入っているベストアルバムという化け物CDには驚いた。
エミール曰く解散する歌手やバンドは最後にそれを出すのがお決まりらしい。
「ありがとう、教えてくれて」
「いえいえ、では私は帰りマス、また遊びに来てクダサイね」
「さて、あたしも帰らなきゃ」
こっちの世界の音楽の事情を知った理津子。
ちなみにジャンルについては理津子の世界と大体同じのようだ。
名前こそ違うが、音楽としては似ているものが多い。
やはりこの世界は名前以外は似ているものが多いようだ。




