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少し早いクリスマス

異世界でも年末は目の前になり商店なども年末モードに入った。

その一方で理津子はクリスマスモードである。

異世界にクリスマスなんてものは当然ないのだが、やりたいからやるのだ。

理津子にとってのクリスマスは美味しいものが食べられる日なのだ。


「いろいろ買ってきとったね」


「少し早くクリスマスをやるんだと」


「クリスマスって本来の感じはもうなくなってる感じって言ってたしね」


そんなクリスマスの料理、チキンや他にも様々な料理、あとケーキなんかも作ったらしい。


クリスマスは贅沢をする日という認識があるのは理津子らしさか。


「美味しそうなものがたくさんね」


「うん、少し早いけどクリスマスだしね」


「大量の料理を作るのは完全にクセだろ」


「まあ実家が学生やサラリーマン相手にやってる大衆食堂だしね」


「とりあえず食べようよ、いただきます」


クリスマスの料理は本場というよりは日本やイタリアのそれに近い。

パネトーネやらパンドーロやらもある。


他にもラザニアやピッツァなんかも作った様子。


「にしてもクリスマスのパンっていうのも美味しいもんよね」


「パネトーネとかパンドーロは外国の文化とか調べてるうちに知ったんだよね」


「ドライフルーツを練り込んだパンとか、断面が星型の焼き菓子とか面白いな」


「パネトーネは保存食にも向いてたりするからね」


「ラザニアとかピッツァも美味しいし、クリスマスの料理は美味しくていいね」


クリスマスの料理も国によって様々。

ちなみに屋敷の中だけなら元の世界のネットが見られるので、レシピなんかも調べている。


今回はトルテッリーニやパスタ・アル・フォルノなんかも作った様子。


「このスープ美味しいわね、入ってるのは肉詰めのパスタかしら」


「トルテッリーニだね、ひき肉を包んだパスタを入れたスープパスタだよ」


「オシャレというかなんというか、お前もこういう料理が作れるんだな」


「まあイタリアはグルメな国ではあるから、イタリアのクリスマス料理はやってみたいよね」


「それでこういう料理なんだね」


理津子曰くイタリアのクリスマス料理は一度はやってみたかったという。

なおイタリアと言っても北部と南部では食文化も異なる国である。


それでもイタリア料理は日本でも割と馴染みのある食べ物なのは事実だ。


「にしてもりっちんにとってのクリスマスって美味い飯が食える日なんね」


「まあそもそもその宗教の信徒っていうわけでもないしね」


「つまり日本で言うとクリスマスは商売の書き入れ時って感じなのか」


「実際クリスマス商戦とかあるし、終わればすぐ年末だから、書き入れ時なのは確かだよね」


「クリスマスっていうとサンタクロースっていうおじさんも来るって言ってたよね」


サンタクロース、赤い服の小太りなおじさんである。

なおブラックサンタなんていうものも存在している様子。


プレゼントを運んでくるとはいうが、異世界だとそれも伝わりにくいのか。


「そのサンタクロースって子供にプレゼントを運んでくる人っていう事でいいんよね?」


「そうだよ、赤い靴下とかブーツに欲しいプレゼントを書いて枕元に置くんだよ」


「そういうのは子供の夢っていう感じではあるな」


「少年は結構ひねてるよね、まあそれぐらいの方が可愛げはあるけど」


「リツコって割とそういう変なところで器が大きいよね」


クリスマスの話は何かとあるもの。

サンタなんてものは異世界には当然いないものである。


とはいえ要求されたのならサンタになるのも悪くないと思っていたりする。


「クリスマスの料理はどれも美味しくていいわね、美味い飯は大正義よ」


「実際クリスマスは日本だと本来の感じとは違うしね」


「生誕祭とは言うけど、今はそんな事もなくなってるという事か」


「そういう事、まああたしとしても今のクリスマスは美味しいものが食べられていいしね」


「リツコにとってのクリスマスは美味しい料理を食べる日なんだね」


理津子にとってのクリスマスは美味しい料理を食べる日である。

なので昔からそういう認識でクリスマスを過ごしてきた。


理津子にとってのクリスマスはご馳走の日なのである。


「料理も美味しいけどパンとかお菓子も美味しいのはいいわね」


「トッローネとかも美味しいでしょ」


「でもクリスマスって言っても国によって食べる料理は変わるんだな」


「そうだね、今年はフライドチキンじゃなくてローストチキンにしてみたんだけど」


「ローストチキン、これはこれで美味しいと思うぞ」


ローストチキンとは言うが、それも骨なしで作るのが理津子らしさか。

骨付きチキンは食べにくいからという理由で好まない。


なので理津子は店で鶏肉を買う時も骨付き肉はまず買わないとか。


「クリスマスの料理も国の独自の色が出るのは世界の広さよね」


「食べ終わったらケーキ持ってくるからね」


「こういうのもたまにはいいものだよな」


「異世界の文化っていうのも面白いものだよね」


理津子にとってのクリスマスは美味しい料理が食べられる日である。

だからこそ異国のクリスマス料理も作りたくなるというもの。


世界のクリスマスというのもまた悪くない。


少し早いクリスマスではあるが、たっぷりと美味しいものをいただいたのである。

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