栗はいいぞ
季節は秋に突入し涼しさも多少感じるようになった。
その頃の日本は秋に突入しても残暑が続いているという。
なお季節は秋になり食欲の秋が到来する。
理津子にとっては嬉しい季節になるようだ。
「りっちん、また何か買ってきとったね」
「あいつ曰く自分の世界は食欲の秋なんだそうだぞ」
「秋ってそういうものなの?」
そんな理津子が買ってきていたものはどうやら栗の様子。
栗を使ったお菓子とかを作っているようで。
「お、美味しそうな栗のお菓子ね」
「うん、安かったからつい買っちゃったんだよね」
「でも栗の旬は冬だぞ、秋はこれから美味しくなる季節だ」
「こっちだと旬が違うからねぇ、でも美味しいとは思うよ」
「とりあえず食べようよ」
栗が保勝たからつい買ってしまったという理津子。
それを使いいろんなお菓子を作っていた様子。
栗を使ったお菓子は洋菓子も和菓子も何かとあるものだ。
「んー、美味しいわね、やっぱり栗はいいわ」
「栗のどら焼きとか、栗羊羹とか、洋菓子はモンブランとかだね」
「栗ってこんなに美味しいものだったんだな」
「日本だと栗のお菓子は割と季節の定番だしね」
「栗のお菓子、いろいろ美味しくていいね」
ちなみに日本だとコンビニなどでよく見る天津甘栗というものがある。
天津甘栗は中国産の栗でしか作れない食べ物なのだという。
中国産以外の栗から天津甘栗は作れないという事らしい。
「でも栗って和菓子にする時はあんこと合わせるのね」
「栗きんとんも作ったんだけど、そっちはどう」
「悪くないぞ、栗の甘さがしっかりと出てる」
「本当は甘栗とかも作りたいんだけど、流石に異世界で中国産の栗は手に入らないしね」
「中国産?それってリツコの世界にある国の事だよね?」
天津甘栗は天津港から出荷される事から名付けられた栗の事らしい。
甘栗自体は和栗などからも作れるが、天津甘栗は天津産の栗から作るからこその名前らしい。
天津甘栗と普通の甘栗は似ているようで結構違うのだ。
「天津甘栗ってなんなの?普通の甘栗とは違うん?」
「天津甘栗は中国産の栗じゃないとあの味にならないんだよ、あたしは好きだからさ」
「要するにその中国産の栗で作る甘栗じゃないとその味にならないのか」
「うん、中国産の栗は甘みとかが強いのが大きいからね」
「要するに天津甘栗って、天津っていう地域の栗を使ってるからそういう名前なんだよね?」
天津甘栗の天津とは天津港の事らしく、中国産の栗の産地は河北省なのだという。
それを使った甘栗の事を天津甘栗というらしい。
なお同じ栗でも産地が変われば味も変わるのは当然である。
「でも甘栗ねぇ、作るのは多少手間だけどあれはあれで美味しいわよね」
「そうなんだよね、日本だと天津甘栗はよく見たけど、国産甘栗はあまり見なかったし」
「でも甘栗って名前の通り甘くなった栗の事なんだろ」
「そうだよ、石の中に栗を入れて煎って作るんだよ」
「甘栗にもいろいろあるんだね」
理津子にとっても甘栗と言えば天津甘栗のイメージが強い。
コンビニで買って食べていたりもしたという。
なお天津甘栗の栗は普通に良質な栗が使われているという。
「栗のお菓子はどれも美味しいけど、甘栗はちょっと手間よね」
「小石の中に入れて、それを煎るわけだしね」
「でも甘い栗は美味しいよな、僕は好きだぞ」
「甘栗っていうと天津甘栗のイメージが強いからなぁ、他の甘栗は食べた事ないし」
「天津甘栗に限らず、土地の名前をつけた食べ物って多いしね」
なんにせよ甘栗と言えば天津甘栗のイメージが強いという。
だからこそ和栗の甘栗の味はイメージしにくいらしい。
ただ和栗の甘栗も当然存在はしているのだが。
「甘栗、りっちんの世界だと地域の名前をつけた食べ物とかあるんでしょ」
「あるよ、まあその土地に全く関係ない料理についてたりもするけど」
「そういうのはその土地のイメージとかからつけられたりするのか?」
「そういうのもあるけど、関係ないものも割とあるかな、なんとか風は多いけど」
「なんとか風、その土地のイメージだからなんだね」
某イタリアンレストランのミラノ風とかシシリー風とかそういうのはイメージである。
本場にそういう料理は存在しないという事も珍しくない。
だからこそ本場に逆輸入されたりもするのだが。
「地域や土地の名前がついた食べ物って、要するにイメージなんね」
「だと思うよ、特にイタリアンはなんとか風っていう料理は多いし」
「外国に出ていくとそうなるとかなのか?」
「炭焼き職人はカルボナーラだし、船乗りはマリナーラだし、漁師はペスカトーレだし」
「そういうのは面白いかも」
なんにせよ天津甘栗の天津は天津港の事である。
栗の産地自体は河北省なのである。
天津甘栗は和栗の甘栗より甘みが強いらしい。
「美味しかったぜぇ」
「栗はやっぱりいいね、この味はお菓子にしてこそだよ」
「甘い栗はそれだけ美味しいしな」
「リツコが天津甘栗を好きなのも分かるしね」
そんな栗のお菓子は秋だからこそ。
尤も異世界の栗の旬は冬らしいが。
栗のお菓子はどれも美味しい和栗もマロンも好きなのは当然。
美味しい栗の季節は日本では秋である。




