春に突入
季節的には春になり、気温も少しずつ上ってきている異世界。
そんな中屋敷では自分の世界の事を調べていたりもする。
自分の世界と繋がるのは屋敷の中だけとはいえ、分かるだけ助かる。
なお今の日本はどうなっているかというと。
「二人とも寝たんかい」
「うん、ぐっすり寝てるみたい」
「しかし少年の方は風邪引いたみたいだから、ゆっくり休ませないとね」
どうやらロザリオは風邪でダウンしたようである。
それもありセルベーラに近くにいてもらう事にした様子。
「それにしても今は季節の変わり目だから体調崩しやすいんでしょうね」
「そうだね、でもこっちの世界は寒暖差が激しくないから凄く過ごしやすいよ」
「りっちんの世界って寒暖差が激しい世界だったりするん?」
「今は日本も他の国も結構そうなってるみたいなのは聞くよ」
「そんな寒暖差が激しいと体がズタボロになりそうね」
実際今の日本は二桁の気温の寒暖差があるとか。
それもあり昨日は春の陽気なのに、今日は真冬みたいな気温になっているとか。
そりゃ自律神経も乱れるという話である。
「でも寒暖差が激しいと体調も崩すわよね、少年が倒れちまったし」
「実際今の季節は風邪を引く事は多い季節だからね」
「そうねぇ、まあ風邪ってのは感染症の雑な総称の事だし」
「特効薬がないのは、そういう明確な病名がないからなんだよね」
「そういう事よ、風邪の特効薬が存在しないのは雑な括りになってるからよ」
風邪の特効薬がない理由は、風邪というのは感染症の雑な総称みたいな感じだから。
明確な病名が存在しないのが風邪というものである。
なので特効薬が生まれない理由はそこにある。
「んでりっちんの世界の寒暖差ってどんぐらいの気温差があったん?」
「一日で15℃ぐらい気温が下がったらしいよ」
「一日で15℃、それって初夏から真冬になるような気温差やん」
「そんな環境で過ごしてたら、自律神経がボロボロになるよ」
「寒暖差が15℃ぐらいって普通にやべー話ねぇ」
今の日本で一日の寒暖差が15℃ぐらいあったという話。
ネットで自分の世界の事を調べて驚いたという話である。
初夏から真冬に気温が変わるというのも割ととんでもない話だ。
「しっかし寒暖差が15℃とか、どんな世界なんよ」
「乾燥してるから山火事が起きてるみたいな話も見たし」
「山火事、日本っていう国は何かと大変なのね」
「まあ自然災害大国だからねぇ、地震に台風に噴火もあるし、隣国から黄砂は飛んでくるし」
「割ととんでもない国よね、日本って」
乾燥していると山火事が起きやすくなる。
日本は夏は高温多湿であり、冬は寒くて乾燥する。
おかげで自然災害は常に隣にあるような環境だ。
「でも春に突入した事もあって、これから暖かくなるんかねぇ」
「そうだね、暖かくなったら眠くなるのもあるし」
「暖かくなると眠くなるわよね、眠気は最大の敵だわ」
「昼間はやたらと眠いのに、夜になると全然眠くなくなるとかあるよね」
「あー、分かる、昼間はやたらと眠くて夜になるとバッチリ目が冴えるとかあるし」
昼間はやたらと眠いのに夜になると突然眠くなくなる。
その経験は理津子もアノットもあるようである。
寧ろ昼間に眠いせいで仕事がまともに出来ないとかあるようで。
「春になると暖かくなって眠くなるし、寒いとそれはそれで眠いし」
「人間って実は夜行性の生き物だったりしないのかな」
「それは分からんけど、暖かいと眠くなるのは確かよね」
「寝る時に布団をかけて温まるのもそういう理由だったりとか」
「寒いとこで寝たら凍死するもんね」
人がより多く死ぬのは暑さではなく寒さによる凍死。
なので冬にホームレスが寒さで死ぬというのは理津子の世界的にはある話らしい。
冬を越すというのはそれだけ大変なのだろう。
「とりあえず少年にお粥でも作ってやるかねぇ」
「そうだね、あとスポーツドリンクでも買ってこようか」
「風邪の時はまず栄養を摂る事が何よりも大切だしね、スポドリや甘いもんなんかは効くわよ」
「確かにあたしの世界でも風邪を引いた時はプリンとかゼリーなんかはよく食べるね」
「とりあえずお粥はあたしが作るから、りっちんは飲み物とか買ってきてね」
とりあえず理津子は飲み物やプリンなどを買いに行く事に。
アノットはお粥を作ってロザリオに食わせるとのこと。
ロザリオの風邪が治ったら余ったものは食べてもいいよとの事らしい。
「そんじゃそっちは任せた、あたしはお粥作るから」
「うん、もし買ってきたものが余ったら食べていいからね」
「はいよ、んじゃ仕事にかかりますかね」
それから数日でロザリオの風邪は快復したらしい。
季節の変わり目は体調も崩しやすいものである。
なお春本番になると今度は眠くなる様子。
寒さも暖かさも体がそれに慣れるまでがきついものである。




