素敵なステーキ
空は晴れていても寒さは身に染みる真冬の季節。
そんな中いつものように献立を考えている理津子。
すると今日はあの日だと思い、買うものを決めた様子。
やはり美味しいものは美味しくいただくのがいいという事だ。
「この匂いは肉の匂いね」
「お前の嗅覚も大概だよな」
「アノットって鼻がいいよね」
そんな中出てきたのは分厚いステーキだった。
肉厚のステーキがなぜ出てきたかというと。
「美味しそうな肉厚ステーキね」
「うん、今日は肉の日だって思い出したからついね」
「肉の日?なんだそれ」
「あたしの住んでた国だと毎月29日は肉の日なんだよ」
「それってつまり29だから、語呂合わせで肉の日なのかな」
要するに29日というのは語呂合わせで肉の日なのである。
それもあり少しお高いステーキ肉を買ってきた様子。
ちなみにこっちの世界ではステーキは普通に安価な肉料理である。
「でもなんでステーキなんよ」
「あたしの住んでた国だとステーキって高級料理なんだよね、だからなのかな」
「ステーキなんて安い肉料理の代名詞だぞ、なんでお前の国では高いんだよ」
「うーん、歴史が関係してるのかな?昔は牛肉が高級品だったのもあるし」
「それが結果としてステーキは高級料理になった理由って事なのかな」
日本という国ではなぜかステーキは高級料理である。
その理由はよく分からないが、昔は牛肉が高級品だったという事が関係しているのか。
実際海外に行くとステーキはそこまで高い料理でもないという。
「しかし分厚いステーキね、肉は中まで火が通ってるし」
「ステーキはレアとかも美味しいんだろうけど、あたしはウェルダンが好きだから」
「まあそれも美味しいんだろうけど、肉はしっかり火を通してあった方がリスクは減るしな」
「生肉は流石に食べられないし、火はしっかり通した方がやっぱり美味しいもん」
「それでリツコはステーキはウェルダンで食べるのが好きなんだね」
理津子はステーキはウェルダンで食べるのが好きなタイプである。
とはいえステーキという料理への考え方は国の違いも出るのだろう。
またステーキは悪の組織の幹部が食べているもの的なイメージもある。
「でも肉の日ねぇ、だからそれに合わせて肉を買ってきたんかいな」
「うん、肉の日はハンバーガーチェーンも肉の日フェアとかやったりするし」
「肉を扱う店からしたら肉の日はいろいろやれそうだもんな」
「うん、牛丼チェーンなんかは肉のダブル盛りの割引をやったりするしね」
「商魂逞しいね、肉の日だけに肉を扱うお店は乗ってくるのか」
そういう事もあり、肉の日は肉料理が何かとお得だったりする。
しかしステーキというのは国どころか世界が変わってもその価値は変わったりする。
ちなみに理津子はステーキにはガーリックライス派なのだという。
「ステーキも美味しいけど、このガーリックライスも美味しいわね」
「うん、あたしの好きなやつだからね、ガーリックライス」
「お前、キスとかする日でも平気でにんにくを食べるタイプだろ」
「たぶんそんな感じだとは思うよ、口臭ケアとかあまり興味ないし」
「リツコって異性とつきあうとかそういう意識はないのかな」
理津子曰くにんにくが好きなのだという、なのでにんにくのお菓子や料理は大好きだ。
とはいえにんにくは食べ過ぎるとお腹の中のいい菌も皆殺しにする怖さがある。
なのでたくさんは食べられないのがネックなのだという。
「りっちんってにんにくが好きなのはなんとなく分かってたけど」
「にんにくは美味しいからね、まあたくさん食べるとトイレがお隣さんになるけど」
「にんにくってそんなに効くのか?」
「お腹の中の悪い菌を退治してくれるとは聞くよ、でもいい菌も殺しちゃうからね」
「つまり食べ過ぎるとお腹の中が綺麗になりすぎるのか」
なのでにんにくは食べすぎるのは危険である。
にんにくは精々二欠片が限界なのだという。
とはいえ料理でにんにくを使う事は多いのもまたある。
「にんにくは食べすぎるといい菌も悪い菌も無差別に殺しちまうんかいな」
「うん、だから食べすぎると怖いんだよね」
「料理に使う程度ならそのまま食べるのに比べれば圧倒的に少ないのか」
「料理に使う程度ならそうなんだと思う、結構食べてもそんな酷くならないし」
「難しいんだね、にんにくって」
そんなステーキとガーリックライスもペロリである。
肉の日なのでステーキにしましたというのは理津子らしいというか。
なおステーキは普通に安価な肉料理である。
「ふぅ、満足ね、ステーキもたまにはいいもんだわ」
「美味しいステーキはたまに食べたくなるんだよね」
「ステーキが高級料理なのは不思議に感じるけどな」
「世界が違うのもあるとは思うけどね」
そんなステーキはこっちの世界では安価な肉料理だ。
とはいえ理津子にとっては高級な料理というイメージらしい。
分厚いステーキはそれだけ贅沢に感じるとか。
美味しいとはそういう事なのかもしれない。




