行ってみたい世界
異なる世界へ行くための許可証が無事に届いた理津子。
そんな中異なる世界に行ってみたいようでそれについて調べている。
興味を示しているのは空界や機界、竜界辺り。
とりあえずはその辺りから決める事にした。
「りっちんいろいろ調べとるね」
「異世界にも行ってみたいって言ってたしな」
「それで許可証も発行してもらったんだもんね」
すると簡単なお菓子を持って理津子がリビングに出てくる。
どこに行くかは決めたようだ。
「どこ行くか決めたん?」
「うん、竜界に行こうかなって」
「竜界なのか、どうせ料理で決めたんだろ」
「こっちでも竜界のスパイスは手に入るけど、せっかくだから本場を食べたいしね」
「確かに竜界はスパイス料理が一般的な世界だからね」
竜界の料理はスパイス料理が一般的な世界である。
なお竜界人は竜の他にリザードマンなども暮らしている世界である。
なぜリザードマンなのかと考えると竜がトカゲっぽいからではないかと考えられる。
「りっちんって自分の配合を持ってるのに竜界のスパイスにも興味あるんね」
「うん、それで申請って旅行みたいにチケットの申請をすればいいんだよね」
「ああ、異世界への渡航券を往復分買ってその上で許可証の提示をすればいけるぞ」
「まさに海外旅行みたいな感覚なんだね」
「そうだね、でも国内とか同じ世界の外国に比べると審査とかは厳しいよ」
異世界に行く上で必要なものは許可証とその世界への渡航券。
ただし国内や同じ世界の外国旅行に比べると審査は厳しいとのこと。
それはやはり交流があるとはいえ別の世界なのだから当然ではある。
「でも竜界ねぇ、スパイス料理って家庭の数だけ配合があるとも言われるんだぜ」
「それはあたしの世界でもあったな、カレーに使うスパイスの配合とかそれだし」
「お前も自分の配合を持ってるのに、まだ興味があるんだな」
「人界はあたしの世界と似てるけど、他の世界はいろいろ違うから興味深いしね」
「だからいろいろやってみたいんだ」
理津子もせっかく異世界に来ているのだから異世界の料理を楽しみたいと思う。
料理が好きで食べるのも作るのも好きな理津子らしい理由でもある。
とはいえいつかは帰らなければいけないのかもしれないが。
「そういやさ、りっちんの世界とこの世界って繋いだり出来んのけ?」
「少年は召喚魔法であたしを召喚したし、サインの技術で電話も通じたよね」
「たぶん繋げる事は出来ると思う、ただその周波数みたいなやつを見つけないとだけど」
「周波数?電波で繋げてたりするわけ?」
「異世界と繋がるゲートは世界に合わせた周波数を合わせて開くものだからね」
異世界とのゲートは世界によって周波数を合わせる事で繋がる仕組みとのこと。
同じ世界でもゲートは複数あるので世界の数字と目的地の数字で開くのだと。
つまり世界の周波数に目的地の周波数を合わせる事でゲートは繋がるらしい。
「異世界ゲートって元々は機界人の技術なんよね」
「そうなの?まあ確かにイメージだとそうなんだけど」
「最初にこの世界に来た異世界人は機界人だって言われてるからな」
「あー、それなら納得かも」
「それでそれから少しずついろんな世界と交流が増えていったらしいから」
最初に人界に来た異世界人は機界人であり、そこからさらに交流も増えていった。
その結果多様な世界との交流が生まれ国交なども結ばれたという。
そういう歴史がこの世界にはあり、言うならば日本の開国のようなものなのかもしれない。
「んで行き先は竜界で決まりでいいんかい」
「うん、その渡航券の申請って役所?それとも旅行会社とか?」
「それ専門の会社があるからそこに申請するんだ、渡航券に発券で検索すれば出るぞ」
「分かった、それでやってみる」
「竜界に行く目的がスパイス料理を勉強したいっていうのもいいよね」
そこはまさに理津子らしい理由である。
スパイス料理は自分の配合を持つ理津子でも試行錯誤する料理。
こっちの世界の未知なるスパイスをもっと知りたいという事でもある。
「りっちんの世界だと携帯でネット出来たんだっけ」
「うん、こっちだとそれが出来ないからどうにも慣れないんだよね」
「ネットはパソコンでやるものだろ、携帯にそんな機能は求めてない」
「スマホよりもガラケー、ではないんだけどフューチャーフォンが上位機種だしね」
「理津子の世界だとそういう呼び名なんだね」
理津子はついガラケーやフューチャーフォンと呼んでしまうそれ。
ただ機能としては通話とメール、それぐらいしか機能がついていないのだ。
あくまでも通信に特化させセキュリティ的な意味でもシンプルへの回帰なのだろう。
「それじゃ行く時になったらおせーてね、留守は守っとくから」
「うん、とりあえず申請してみるよ」
「僕はついていってやる、心配だからな」
「なんか家政婦と言うより姉弟みたいになってるよね」
とりあえずは目的地は竜界に決まる。
渡航券は発券申請から三日程度で発券されるという。
あとは渡航券に記載された指定の日にゲートでそれを見せる事で渡航が可能になるらしい。
旅行と感覚的には似ているが、ルールの厳しさは異世界だからこそでもある。




