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ミソサザイの歌  作者: 和泉ユタカ
第三章 〜 Songs of Wren
36/123

夢蛤(3)

      5


 夢蛤を使って京極の夢を覗いてから数日が経った。

 あれ以来煉からは何の連絡も無く、また注意して見ているが京極に特に変わった様子もない。まぁ京極は部活もやってないようだし、クラスだって違う。アイツに関して勇人が分かることなんてたかが知れている。


 放課後、グラウンドでサッカー部の練習に出ていた勇人が視線を感じてふと顔を上げた。少し離れた校舎の窓の隙間から誰かが此方をじっと窺っている気配がする。思わず足を止めた勇人にチームメイトが声をかけてきた。

「勇人、ボール止めんなよ」

「あぁ、わりー」

 慌ててパスしてからもう一度校舎を見上げた。窓にはすでに誰もいなかった。

「どうかしたか?」

「……今、京極がこっち見てたみたいなんだけど。あのさ、お前達、京極と同じクラスだろ? アイツって友達とかいるの?」

「知らねーけど、いないんじゃないか? 人と話してるとこなんか見たことねーもん」

「アイツって周りのことメチャクチャ見下してるだろ? 自分には他の人間にない力があるとか言っちゃってさ、中二病じゃね?」

「京極はまじヤバイよ。眼が普通じゃねえよ。なんか取り憑いてるっぽいよな」

「それってアイツが殺しまくってる動物の霊じゃないの?」

「あーゆーのが通り魔猟奇殺人とかするんだよな~。ホント、今のうちに窓に格子のある病院にいれといた方が社会の為だろ?」

  やはり京極はクラスでもあまり良く思われていないらしい。皆次々と京極の黒い噂を口にした。

「そう言えばさ、京極のあの噂、聞いた? 二組の前田と小林とかの……」

「あぁ、あいつ等が事故ったってやつ?」

「え?なに?何の話?」と勇人が慌てて訊ねる。

「なんかさ、京極のヒトを舐めた態度がムカつくとか言って、アイツをシメようとした奴等が次々と怪我したんだよ。それもなんにも無い所で自転車がスリップして車道に飛び出したり、川で溺れそうになったり、酷い奴なんか歩道にいきなり車が突っ込んできて全治三ヶ月だぜ?」

「あと、京極の悪口言ってた奴がノイローゼになったりさ」

「それって京極の呪いなんじゃないかって。なんか車に轢かれる寸前に反対側の歩道で嗤ってる京極を見た奴がいるらしいんだよ」

「う~ん。呪いかぁ」勇人が腕組みして考え込んだ。「呪術なんて、そんな簡単に素人が出来るモンじゃないんだけどなぁ。特に事故にみせかけてヒトに大怪我させるとか……」

「そう言えば勇人の家って霊能者一家とかで有名だったよな?お祓いとかするんだっけ?」

「いや、それは昔の話。今はごくごく普通の一般人だから」

「でもお前も霊とか視えたりするんだろ? お前と同じ小学校から来た奴が言ってたぜ?」

「前は少し視えたけど、今は全然だよ」

 嘘だ。本当は今でもわりと普通に鬼や霊が視える。でも話がややこしくなるので、勇人は人に聞かれた時は何も視えないと言うことにしている。

「コラッ、そこの二年、何やってんだ?!」

 サッカー部の監督に怒鳴られて、勇人達が慌てて練習に戻った。


      ❀


 部活が終わる頃には陽はすっかり暮れていた。友達と別れて帰路についた勇人が、少し先を歩く京極に気付いた。

「あれ?あいつの家ってこっちの方だっけ?」

 大きめのスポーツバッグを肩に掛け夕闇に霞む街を足早にいく京極の背に、何故か不意に得体の知れない不安を感じ、勇人は思わず京極の後を追った。

 京極は後ろを振り返ることもなく、迷いのない足取りで町外れの公園に入っていった。そこはかなり大きな公園で日中は散歩やジョギングをする人も多い。しかし木立が鬱蒼としていて暗く、見晴らしが悪いせいか、夜になると滅多に人が来ることはない。

 公園のベンチにスポーツバッグをおろした京極がバッグからなにやらゴソゴソと取り出し地面に置いた。そして再びバッグを持つと、ベンチから少し離れた街路灯の光の届かない樹の下に座った。

(あいつ、何やってんだろう?)

 じっと座って動かない京極の背後で勇人が首を傾げた。と、野良猫だろうか、数匹の猫がベンチの周りに集まって来た。どうやら京極が置いたのは猫の餌だったらしい。

(あいつ……)

 餌を仲良く囲む猫とそれを少し離れた所から眺める京極の背中を、勇人が微笑ましい気持ちで見つめた。動物虐待がどうのこうのというのは誤った噂だったのだろう。あいつは確かに根暗で人付合いが下手なのかも知れないが、しかしわざわざこんな所に野良猫に餌をやりに来ているんだ、悪い奴ではないんだろうな。

 京極がスポーツバッグに再び手を突っ込んだ。初めは京極が何を取り出したのか分からなかった。しかし夕闇に目を凝らし、ソレが何か気づいた時、勇人が思わず息を呑んだ。

「京極ッ! テメー、何してんだよっ?!」

 勇人が怒鳴りながら木立から走り出すのと同時に京極が猫を狙って構えていた空気銃を素早く勇人に向けた。

 咄嗟に持っていた鞄で顔をかばった。数発の発射音が止んでから鞄を下ろした勇人が、硬い合皮鞄に空いた穴を見てぎょっとした。

「……なんだよソレ。改造エアガンかよ? そんなアブねーもんヒトに向けんじゃねぇよ」

「へぇ、さすが、塚乃護。反射神経いいね。サッカー部でもエースなんだろ? 」

 京極が嫌な声で嗤った。

「おまけに塚乃護家って有名な陰陽師の一族らしいじゃん。憧れちゃうな」

「……なんでそんな事知ってるんだよ?」

「だって塚乃護って一部のオカルト好きの間ではかなり有名だろ? 俺も一応同類ってことで前々からお前のことはチェックしてたんだ」

「同類って……」

 猫殺しをするような輩に同類呼ばわれされる謂れはない。口籠った勇人を見て京極がにやりと笑った。

「わざわざ隠れて俺の後をつけてきてくれた有名人相手に、やっぱただのエアガンじゃ失礼だよな」

「……え?」

 京極がなにかの術を唱えた。式神召喚の呪文に似ていなくもないが、勇人の知っているものとは大分違った。不意に京極の背後の闇が濃くなり、生温かい風が吹いた。

 その匂いを嗅いだ途端、背筋にぞくりと悪寒が走った。闇が生きモノにようにねっとりと地を這う。やがて夢蛤の中でみた、どろりとした汚泥の鬼のようなモノが現れた。

「……お前、なんだよソレ……」

「何って、式神だよ」

「式神って……」

 そんなはずはない。禍々しくおぞましい気配。吐き気を催す腐臭。激しい憎悪と邪念に満ちた、こんなモノを式神として使うなんて有り得ない。そして、そんなモノを操ることの出来る人間がいるわけがない。

「塚乃護の流派って何? やっぱ正統派陰陽道みたいなやつ? 」

 声も無く呆然とする勇人を見て京極が楽しげに笑う。

「俺は我流なんだけどさ。古いシキタリや枷に捉われない分、式神の力も強いし使い勝手もいい。試してみる?」

 京極が式神と呼ぶ、その腐った汚泥にようなモノが勇人に襲いかかってきた。自分の式神を出す余裕など全くなかった。後ろに跳びすさりながら咄嗟に護符を投げつけたが、京極の式神はそんなものを意に介する素振りも見せず、護符諸共、勇人を呑み込もうとする。

 突如、轟音と共に熱い爆風が勇人を包み、京極の式神が泥人形のように脆く飛び散った。

 勇人の前に立った煉が京極を睨みつける。

「誰、そいつ? 塚乃護の友達?」

 首を傾げた京極に向かって頷きかけた勇人を抑えるようにして煉が素早く答えた。

「ううん、違うよ。ただの知合い」

「?!」

 ちょっと色んな意味で驚いて声が出ない。そっかー、俺ってタダノシリアイなんだー。へぇ~。タダノシリアイを助けに来てくれるなんて、レン君って優しいな~。

 呆然とすると同時にやや自虐的な気分になる。いやいや、イジケてどうする、俺。頭を振って気を取り直そうとしていると、煉の肩に乗った焰狐と目が合った。まるで勇人の心を見透かしたかのように狐がにたりと嗤った。けっ、笑うな、ヤな奴め。

「……お前」京極が煉をじっと見つめた。「お前を知っている。俺の夢に入ってきたな」

「覗き魔じゃあるまいし、別に入りたくって入ったわけじゃないよ。単にあんたの夢に引きずり込まれただけ」

 いやいやいや、夢蛤って実は究極の覗きだろ? ストーカー殺人犯もびっくりの超悪質覗き魔だろ? と一瞬突っ込みたくなったがぐっと堪える。

「……お前、ヒトじゃないな」

 ねっとりとした目付きで舌舐めずりするように京極が煉を見る。

「……お前は鬼か?」

 さぁ?と言って煉が乾いた嗤い声を上げた。

「鬼ならどうするの?」

 京極が勇人の聞いたこともない呪詛を唱え始めた。と、煉の炎で飛び散った泥がうぞうぞと地を這いずり、京極の背後に集まり、再び腐った鬼の様な式神の形を成した。気のせいか、先程よりも大きくなったようだ。

 不意にシャッ、と京極が煉に向かって細い鎖を投げ、それが蛇のように煉の首に巻きついた。京極が鎖を引いて煉を引き寄せようとしたが、煉は涼しい顔で立ったまま一歩も動かない。京極に代わり背後の式神が鎖を引いた。しかし煉は動かず、式神が見る見るうちに大きくなっていった。呪詛を唱える京極の息が荒くなり額に油汗が滲むのを見て煉がにやりと嗤った。

「ここはあんたの夢の中じゃないからね、その程度の力で俺をどうこうしようなんて到底無理だよ。今のうちにやめといた方がいいんじゃない?」

「黙れッ」

 京極が叫んだ途端に紐がぶつりと切れた。と、京極の背後の式神が突如倍以上の大きさに膨らんだ。

「な、なんで……?」勇人が目を見張った。「なんで術を返されたのに式神が大きくなるんだよ? 普通逆だろ?」

「だってアレって普通じゃないから」

 煉が京極の式神を指差し、ニヤリと笑った。

「式神の正体は、そいつの闇に巣喰う鬼だよ。そいつは自分の暗く澱んだ心に惹き寄せられた鬼を式神として使役しているんだ。気に喰わない相手に取り憑かせてノイローゼにさせたり怪我をさせたりね」

「うわっ、なにそれ?! その発想ってちょっと素人の癖に斬新過ぎだろ?!」

「素人だからだよ。固定観念に囚われないから発想が自由なんじゃない?」

「闇を喰う鬼に餌を与えて更にデカくしてどうするんだよ?! そんなの怖いモノ知らずにも程があるだろ?!」

「怖くないんだよ」と煉が嗤った。「中途半端な知識で呪術を使うことの恐ろしさを知らないから」

「……ふざけんなよ。馬鹿にしやがって……!」

 京極が怒りに燃えた眼で煉を睨むと再び身構えた。

「キミ達、そこで何やってるの?」

 不意に背後から声をかけられた。パトロール中の警官だろうか。自転車に乗った制服姿の若い男が勇人達を懐中電灯で照らした。

「キミ達、中学生かい? この辺は最近不審者が出ているんだ。動物が被害にあったりしていてね、危ないから用が無いなら早く家に帰りなさい」

 京極が忌々しげに地面に唾を吐くと煉を睨みつけ、足早に公園を出ていった。勇人と煉も不審げに自分達を見る警官に適当に挨拶すると、少し遅れて公園を出た。



「勇人、あいつにこれ以上関わるな。もし挑発されても無視しろよ」

 帰り道、隣を歩いていた煉が勇人を見上げて言った。

「無視しろって、お前まさか一人でアイツとやる気?」

「当たり前でしょ。俺はいつもひとりだよ?」

「だけど、アイツちょっとやばくねぇ? 一筋縄では行かないっつーかさ。お前一人で相手するより、俺もいれば多少は何かの役に立つかもしれないし……」

「あのさ」煉が溜息混じりに勇人を振り返った。「はっきり言ってメーワクだから、これ以上関わらないでくれる?」

「……はい?」

「勇人がいるとアシデマトイってこと」

「な、な、な……」


 酸欠の金魚の如く口をぱくぱくさせている勇人をちらりと一瞥すると、煉は別れも告げずに何処かの家の塀を乗り越えてあっという間に姿を消してしまった。



      6


「あいつら、俺を素人呼ばわりしやがって、絶対許さない……」

 家に帰ってくるなり自室に閉じ籠った京極篤志が苛々と歯軋りした。

 塚乃護勇人。江戸時代から綿々と続く陰陽師一族だかなんだか知らないが、たいした霊力もない癖に玄人ぶりやがってイケ好かない野郎だ。そしてアイツ……。塚乃護にレンとか呼ばれていた餓鬼。どうみても年下の癖に、まるでこちらの手の内を全て見透かした様な冷笑を浮かべて俺を見やがった。プライドを傷つけられた暗い怒りがチリチリと胸の内を焦がす。

 不意にずしりと肩に何かがのしかかった。振り向くと、汚泥の塊のような式神が篤志の顔に生臭い息を吹きかけてきた。

「離れろよっ、鬱陶しいんだよっ」

 いくら怒鳴っても式神はどろりと濁った眼で篤志をみつめたまま離れようとはしなかった。篤志が舌打ちするとクローゼットから梅酒を漬ける大きな瓶を取り出し式神に投げつけた。

「ほらよっ」

 瓶から転がり出た猫やカラスの生首を式神がずるりと音を立てて呑み込む。しかしまるでそれだけでは足りないとでも言う様に、式神が部屋の隅から暗い眼で篤志を見つめた。

「なんだよっ、腹が減ってるなら塚乃護勇人でも喰ってこいよ!」

 無言で自分を凝視する式神に苛立った篤志が空の瓶を蹴る。

「塚乃護だよ! さっき会っただろうが!さっさと行け!」

 しかしいくら怒鳴っても、式神は動く気配も見せない。

「くそっ」

 篤志が忌々しげに舌打ちした。

 ……コイツは大きくなり過ぎた。しかし成りは大きいが知能は低く、認めたくはないがやや手に余る。コイツを始末して早急に新しい式神を手に入れる必要がある。やはりアレを使うしかない……。

「篤志」

 ドアを軽くノックする音がして、兄の久志(ひさし)が部屋に入って来た。

「なんだよ、勝手に入ってくんじゃねーよっ」

「勝手にって…… ノックしただろう?」

 久志が机の前の椅子に腰掛けると長い足を組み、疲れた仕草で顔にかかった柔らかな髪を掻き上げた。久志には式神は視えない。しかし臭いくらいは分かるらしい。顔を僅かに(しか)めた久志が部屋を見廻した。

「篤志、あのさ……」

 名を呼ばれ、思わず舌打ちした。兄と呼ばれるこの男が微笑みながら俺の名を口にする度に、虫唾が走り、吐き気がする。

 頭脳明晰、容姿端麗。明朗で優しく、動物好き。京極久志は出会う全ての人間を魅了した。そして出会う全ての人間は俺とこの男を見比べて囁く。血を分けた兄弟なのに、どうしてこんなに違うのかしら、と。


 知らないとは言わせない。俺は此の世の何よりもお前が憎い……。


「……あのさ、小次郎がいなくなった時の状況、もう一度説明してくれないかな? 」

 兄の言葉に篤志が再び舌打ちした。

「ったく、何回同じ話させんだよ? 」

「そうだけど、なにか見逃している手懸りとかあるかもしれないしさ……」

「ねーよ。何度も言っただろ? あの馬鹿犬、いきなり綱を引き千切って逃げ出したんだよ。どっかの発情期の雌犬の匂いでも嗅ぎつけたんじゃねーの?」

「でも綱を引き千切るなんて、小次郎は確かに体は大きいけど大人しいのに……」

「知らねーよ、金具のところが古くなってたんだろ?」

 久志が諦めたように重い溜息をつくと立ち上がった。

「……なにか捜す手懸りになりそうなことを思いついたら、なんでもいいから教えてくれ」

 部屋を出て行きかけた久志が、開いたクローゼットの隙間に転がっていた瓶を見て足を止めた。何か言いたげに振り向いた兄を篤志が睨みつけた。

「……なんだよ? 俺のクローゼットの中を探したければ探せばいいだろ? でもいくら探したって、そんなところに兄貴の馬鹿犬はいないぜ?」

 兄が悲しげに弟を見つめると、何か言いかけて止め、無言で部屋を出て行った。


      ✿


 京極と公園でヤリ合ってから数日後。

 夜、勇人が自室で寝転んで雑誌を読んでいると、枕元の携帯がブブブ、と振動した。友達からのメールかと思って何気なく開くと非通知のアドレスからだった。


 《 解体ショー@サッカー部グラウンド今夜0時。乞う御期待!!! 》


 ご丁寧に赤い血飛沫の絵文字付きだ。こんなメールを送ってくる奴は一人しかいない。

「ったく、誰だよ、サイコパス野郎に俺のメアド教えた奴」

 勇人が携帯の着信拒否設定をしながら忌々しげに舌打ちした。

「なーにが乞う御期待!だよ。キモいんだよ! そんなもん誰も行かねーっつーの」

 あれ以来煉からは音沙汰無しだ。京極と一体どう落し前をつけるつもりなのか、勇人はモチロンものすごく気になっている。どうせ近くにいるのだろうから、式神を使って煉を探そうと思えば探せないことはないが、しかし足手纏いとまで言われて無理に連絡を取るのも何やら癪に障る。そもそもあの「タダノシリアイ」発言はなんなのだ。


 もうそろそろ寝ようかと思った矢先、廊下を歩いてくる微かな足音がして勇人の部屋の障子が細く開いた。障子の隙間から顔を覗かせた美春を見て勇人が首を傾げた。

「あれ、みぃ、まだ起きてんの? 明日学校だろ。早く寝ないと背が伸びないぞ」

「お兄ちゃん、ロミちゃんとジュリちゃんがいないんだけど、知らない?」

 読んでいた雑誌をぱたりと置いて勇人が妹の白い顔を見つめた。

「……なんだって?」

「あのね、夕方の5時頃ご飯あげに行ったんだけど二匹共いなくって、どこかで遊んでるのかと思ってご飯だけ置いといたの。でも今さっき見に行ったらまだ食べてないの」

 顔から一気に血の気が引いた。

 震える手で携帯を掴んで時間を見る。十一時二十分。まだギリギリ間に合う。美春に寝て待っているように強く言うと、勇人が自転車に飛び乗った。



(To Be Continued)

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