21話 いざ、冒険―――…の前に
―――ログインしました。
昨日は結局、クラス進化の話で終わってしまった。
エルダさんとクラス進化のことを色々と聞いて分かったのは、進化先が固定されてるパートナーにとって、特殊クラスは一種の称号のようなものだってことだ。
称号だから、クラス進化によってどんなに見た目が変わっても、種族は変わらない。
精霊なんかがいい例だろう。水の精霊王になっても、種族はウンディーネのままだ。
………じゃあ、オキクムシにクラス進化する種族って何なんだ…?
気になって聞いてみたけど、エルダさんは教えてはくれなかった。特殊クラスに進化する可能性がある種族は、トップシークレットらしい。
――――天上族は暴露したくせに…っ!
他にも気になったのは、オキクムシになるパートナーが、どんな姿をしているかだ。
オキクムシの下半身が芋虫だから、芋虫なんだろうか? もし芋虫なら、最終進化するまでずっとそのままなのか? それとも変態するのか?
色々気になったけど、エルダさんは綺麗な微笑みを浮かべるだけで、何1つ教えてはくれなかった。それもトップシークレットなんだろう。
取り敢えず、獣系統は九尾狐や白虎、フェンリル、ユニコーン、バイコーン、ラタトスク、ズラトロクなどの特殊クラスがあり、鳥類系統は朱雀や鳳凰、カラドリオスなど、爬虫類は玄武や青龍、ケツァルコアトルなどがあるらしい。
悪魔は七大罪で、基本系統は四神か。
幻獣は、種族自体が特殊クラスのようなものだからか、フェニックスやエキドナ、ヴィーヴル、ユルルンクルぐらいで、数は少ないそうだ。唯一ドラゴンだけは、ガルグイユやファフニールなどの特殊クラスが複数存在するらしい。
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半分に切られたトーストにバターを塗って、ルシエルとミシェルに渡す。ぱくっとトーストに齧り付く2人が可愛い。
俺たちが今いるのは、東区を歩き回っていた時に、偶然見付けた店だった。
何故偶然なのかといえば、店の外観が、レンガ造りの倉庫だったからだ。しかも、左右を同じ外観の倉庫に挟まれていて、側から見ると、倉庫が3つ並んでるようにしか見えなかった。多分、【地図の調査】のクエストを受けていなかったら、気付かずに通り過ぎていたと思う。実際、マップの塗り潰し状況を確認するまで、全然気付かなかったし。
俺もトーストにバターを塗って齧り付く。
…うん、美味い。こんがり焼けたトーストのサクッとした歯ごたえに、口の中に広がるバターの風味。カリカリに焼かれたベーコンも、少し緩めのスクランブルエッグも美味い。サラダも酸味と香辛料がきいたドレッシングが掛かってて美味いし、コーンと玉ねぎのコンソメスープも美味かった。……携帯食しか口にしてなかったせいか、物凄く美味しく感じる。
これで300Gなら安いだろう。しかも空腹度が30も下がる。
クエスト中に、屋台で売られてた100Gの串焼きの鑑定結果が、空腹度を7下げるものだったから、それを考えると、かなりお得だ。
今は時間が時間だから、メニューがモーニングセットしかないけど、他のメニューも是非食べてみたい! しかもここなら、プレイヤーと鉢合わせることもそうそうないだろうし。
よし、また来よう!
――――さて、子供たちが食べ終わったら、ギルドに行ってクエストでも受けようか。




