18話 快適なプレイをするために
盗撮は犯罪です。犯罪、ダメ絶対。
…ってことで、盗撮対策のために撮影の設定を変更しようと思う。
ベッドの端に座りながら、システムを呼び出す。
…え? ルシエルとミシェル?
俺を挟む形で左右に座っているけど、何か?
目の前に現れたシステム画面の歯車のアイコンをタップすると、パッと画面が切り替わる。表示された項目から【撮影】を選択すれば、撮影についての設定が表示された。
写真と動画について、両方とも【誰でも】に設定されている。初期設定は【誰でも】になっているようだ。
説明によると、ここの設定を【誰でも】以外にすると、背景の1つとして偶然映り込んでしまっても、写真や映像には残らないらしい。
――――盗撮への対策が徹底してる…。
多分、映り込みを狙った盗撮への対策なんだろうけど、徹底しすぎてて少しだけ呆れた。
【誰でも】となっている箇条をタップすると、その他に【フレンドのみ】、【許可制】、【拒否】の3つが表示された。
この中のどれが1番無難だろう?
【誰でも】は絶対にない。盗撮され放題なんてあり得ない。
かといって【フレンドのみ】にしたら、スクショや動画目当てのフレンド申請が、わんさか来そうだしなぁ…。そんなフレンドは嫌だ。
となると…【許可制】か【拒否】だな。
………【拒否】はさすがにやりすぎだから、取り敢えず【許可制】にしておくか。
写真も動画も、設定を【許可制】に変更する。
よし! これで盗撮対策はばっちりだな!
この際だから、他の項目も確認してみるか。
他の項目に目を通し、気になったものは設定を変更していく。
その中で1番驚いた項目は、【パートナー】の設定だった。内容は、パートナーへのスキンシップについてだ。
自分のパートナーへのスキンシップは、一般的なものであれば大抵のことはできる。例えば、パートナーと遊んだり、頭を撫でたり、抱っこしたり、ご飯を食べさせたり、一緒にお風呂入ったり、体を洗ってあげたり、一緒に昼寝したり、あとは………額や頬に、親愛のキスをすることもできるらしい。
そういったスキンシップを、他のプレイヤーにも許可するか否かの設定だった。
初期設定は【許可する】になっていた。しかも【誰でも】だ。
――――盗撮対策より、こっちの方が重要じゃないか!
ルシエルとミシェルは人型なんだから、初期設定のままじゃマズいだろ!
「ゃだ…」
設定を変更するために箇条をタップしようとしていたら、ポツリ、とルシエルが何かを呟いた。
「これヤダ!」
それに釣られるようにミシェルも声を上げて、設定画面を指差す。どうやら2人にも、設定画面が見えてるようだ。
「分かってる分かってる。ちゃんと【許可しない】にするし、【拒否】に変更するよ」
画面を恨めしそうに睨むルシエルと、頬を膨らませて怒るミシェルに、俺は小さく笑いながら2人を宥める。
箇条をタップして、【許可する】を【許可しない】に、【誰でも】を【拒否】に変更する。
「ほら、これでいいだろ?」
「うん」
「うんっ!」
設定を変更した画面を見せれば、顰めっ面だった2人に笑顔が戻った。その可愛らしい笑顔に、俺も自然と笑みが浮かんだ。
システム画面を消して、再びパートナーのステータスを呼び出す。
さっきは見慣れないスキルの《鑑定》を優先して、感じた違和感を無視したけど、何に―――…って。
「……あ、そっか。2人に武器を装備させてなかったんだ」
体や足は装備しているのに、武器が【なし】になっている。
2人の着替えだけをを済ませて、武器を装備させるのをすっかり忘れていた。
ベッドの上を見渡すが、さっきまであった武器と融合素材が消えている。
「あれ…?」
インベントリーを呼び出して、【装備品】のタブを選択して中を確認してみたけど、そこにあったのは俺が装備しているものだけだった。融合素材の【天卵の殻・純黒】と【天卵の殻・純白】は、特にインベントリーに入れた覚えはないのに、何故か【素材】の中に入っていたが。
「……………」
どうすればいいのか分からず、試しにミシェルの武器の部分をタップしてみると、自動的に【白月の剣】が装備された。実際にミシェルの腰にも、剣帯ベルトと一緒に、白い鞘に納められた剣が装備される。
……もしかして、わざわざ服を着せたりしなくても、パートナーの装備画面タップすれば、一瞬で済んだのか…?
俺はまた……無駄な労力を費やしたのか。
…いや、まぁ別にいいんだけどな。ルシエルもミシェルもちゃんと俺の言うこと聞いてくれてたから、着替えに手間取ったりしなかったし。それに、マ―――…親と慕ってくれる子供たちとの触れ合いは、結構楽しいからさ。
因みにルシエルの武器は、【黒月のブレスレット】という1cm幅の黒いブレスレットだ。
ブレスレットを装備した途端、ルシエルのスキルに剣術が追加されたんだけど、これってどういうことだ?




