表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/37

13話 お着替えをしましょう


 お風呂から上がって部屋に戻ると、ベッドの上にあった卵の殻が、一部を残して服や靴、武器に変わっていた。どうやらこれらが、この子たち専用の装備品らしい。…ご丁寧にボクサータイプのパンツまである。

 服をどうするか悩んでいたから、ちょうどよかった。


 どちらがどちらのものかは、残っている卵の殻を見れば分かる。

 灰色がかった卵の殻が残っている方が、ルシエルの装備品で、薄黄色の卵の殻が残っている方が、ミシェルの装備品だろう。


「まずはルシエルからな」


 見た目は3、4歳だけど、生まれたばかりだから、1人で着替えるのは無理だろう。


「おいで」

「まま!」


 手招きすると、ルシエルは包まっていたタオルを放り出して、嬉しそうに俺に抱き付いてくる。…可愛い。


 この子たちをお風呂に入れていて、気付いたことがある。


 ルシエルは大人しくてしっかりした印象を受けたが、実はとても甘えん坊だった。

 湯船に浸かっている間は、俺の手をずっと掴んで離そうとしなかったんだ。ルシエルの髪や体を洗ってる時も、俺に触れようと手を伸ばしてきたほどだ。


「ルシエルずるい! オレも!」


 ぷくっと頬を膨らませて、ミシェルもオレに抱き付いてきた。


 ミシェルは最初に受けた印象通りの活発な子だった。湯船の中ではしゃぎまくって、俺を濡れ鼠状態にしてくれたからな。…まぁ、裸になってなかった俺も悪いんだが。

 ルシエルほどではないが、ミシェルも甘えん坊で、俺がルシエルを構うとすぐにヤキモチを妬く。双子だからってのもあるのかもしれない。


 え? 濡れた装備はどうしたのかって?


 《乾燥》のスキルで乾かしたんだよ。試しに使ってみたら、濡れた装備にも使えたんだ。

 対象が薬草じゃなくても使えるようだから、かなり利便性が高い。しかも一瞬で乾くから、不快な思いをしないで済むし。


「あー…、ミシェルは少し待っててくれないか?」


 さすがに2人まとめて着替えさせるのは無理だ。俺には子育ての経験がないからな。


「いい子だから。…な?」

「……うん」


 頭を撫でながらお願いすれば、ミシェルは渋々頷いて俺から手を離した。


「いい子だ」


 もう一度、今度は髪をかき混ぜるようにくしゃくしゃっと撫でれば、ミシェルは「わっ」と小さく声を上げた後、嬉しそうに顔を綻ばせた。その様子を確認して、俺はベッドの上に置かれたルシエルのパンツを手に取ると、ルシエルの前にしゃがみ込んだ。


「じゃあ、まずはパンツからな。…ルシエル、こっちの足を上げて」


 ルシエルが転ばないように俺の肩を掴ませ、パンツを履かせる。インナー……はないようだから、次は服を―――…って、これ、セーラー服か?

 畳まれていた服を広げてみれば、それは黒いセーラー服だった。…まぁ、セーラー服は水兵の制服だし、別におかしくはないか。

 黒いセーラー服を着せ、紺色の半ズボンを穿かせる。靴下はハイソックスだったから、立ったままだと危ないか。ルシエルをベットの端に座らせて、黒いハイソックスを履かせた。あとはこの黒いブーツを履かせたら終わりだ。


「……よし、これで終わりだな」


 キュッとブーツの紐を締め、俺ばホッと息を吐いた。


「靴、キツくないか?」

「うん。まま、ありがとぉ」

「…ルシエルもいい子だな」


 ちゃんとお礼が言えるなんて。


「つぎ! オレのばん!」


 ルシエルの頭を撫でていると、どんっと勢いよくミシェルが俺の背中にしがみ付いてきた。


「…っと、ああ、次はミシェルの番だ」

「うんっ!」


 満面の笑みで頷くミシェルに、俺も釣られて笑ってしまう。

 ミシェルを背中から剥がして、ベッドの上からミシェルのパンツを手に取る。

 向き直って、ミシェルの前にしゃがみ込めば、ミシェルが俺の肩をギュッと掴んできた。どうやら、さっき俺がルシエルにしたことを見ていたようだ。


「じゃあ、こっちの足を上げて」

「うん!」


 ミシェルは溌溂とした様子で右足を上げた。



 △▼△▼△▼△



 白いセーラー服に紺色の半ズボン、白いハイソックス、黒いブーツ。

 ミシェルの装備も、セーラー服とハイソックスの色が違うだけで、作りはルシエルと同じだった。


 手を繋ぎながら、ベッドの端に並んで座る2人の姿に、思わずスクショした。

 実に可愛らしい水兵さんだ。


「……あ、この残った卵の殻、どうしたらいいんだ?」


 子供たちの装備品にならずに残った2つの殻。

 何か使い道でもあるのか?

 ちょっと《鑑定》でもしてみるか。


==================


天卵の殻・純黒

【種類】

素材

【レアリティ】

★10

【説明】

融合素材。

特別な天上族が孵化した時にしか入手できない幻の素材。


==================


 …え、何この激レア素材……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 純白じゃなく黒なのか⁉︎
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ