ラグランジュ・ベース
この小説はフィクションです。実在する国家、団体、企業、個人、法律等とは一切関係ありません。
【地球と月の中間地点 ラグランジュ・ポイント エリア ラグランジュ・ベース】
地球と月の中間地点は引力のバランスが中和されて安定した空間であるため、宇宙開発初期からスペース・コロニー等恒久宇宙施設の設置場所として注目されていた。
2023年現在、この宇宙空間にはG8各国の恒久的居住地として8基のスペース・コロニーが建設されている。各コロニーの人口は植人中心で約1500人程度である。
また、G8各国宇宙軍の共同軍事基地として『ラグランジュ・ベース』が建設され、各国の軍用宇宙艦艇が補給、デブリ掃海任務で利用している。
種子島から発進した輸送艦(宇宙空母)『赤城』も作戦参加のためにこの基地に寄港している。
大気圏離脱までは激しいGにさらされていたPS大隊搭乗者達は、暗い宇宙空間で青と白に彩られた惑星が浮かぶ光景に、魅了されていた。
中でも天城大尉(28歳女性 独身)は、痛く感激してもっと近くで見ようと、林軍曹をポッドごと抱えて食後の散歩感覚で宇宙空間に出ようと、居住区画のエアロックを解除して扉を開きかけてしまい、植人隊員の多くが居住区画の空気と一緒にポッドごと宇宙空間に吸い出されてしまい、"訪問者"『御池』の能力で救出されて九死に一生を得るという一幕が有った。
その日の大隊日誌には「状況 真空(涙)」とのみ記載されている。
尚、天城大尉と(何故か)林軍曹は、澤城大佐からこっぴどく叱られた上でラグランジュ・ベース外壁の修理点検を1日かけて行う罰を受けた。
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