試練を与える者達
この小説はフィクションです。実在する国家、団体、企業、個人、法律等とは一切関係ありません。
フータ・ジャロン山地浮上12時間前
山地の頂上でサドベリー婆とキルギス出身のイシク・クルの二人は、アフリカ大陸全域に覚醒を促す思念波を飛ばした。
ーー地球生物の厳しい進化を望む同朋は、我に同調せよ。ーーと。
アフリカ大陸各地から3条の光の筋がフータ・ジャロン山地頂上に降り立った。
3人の浅黒い肌と灰色の瞳を持つ青年が、サドベリー婆とイシクの前に歩いて来ると眼を瞑って頭を垂れた。
『『『我らは暗黒の大陸から進化を望む者。苛酷な生存競争こそ、新たな進化の糧となりうる。』』』と二人に念話で伝えてきた。
アフリカ大陸には多様な動植物が生息する為、常日頃から激しい生存競争が至るところで見られる。3人の"訪問者"達は永年、そうした環境に居たのでサドベリー婆の呼び掛けに自然と応える事が出来たのだ。
サドベリー婆はニンマリと笑い、
「よくぞ来られた、同朋諸君。これから人類進化の糧に成ろうぞ!」と3人を歓迎した。
12時間後、5人に増えた"訪問者"達は、フータ・ジャロン山地各所に展開し、山地の地中深くから空中に浮きあげるイメージを具現化させる思念波を放ち始めた。
やがて巨大な山地一帯が地響きと共に空中に浮き上がり、サドベリー婆は新たなる試練に取りかかるのだった。
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