白夜
この小説はフィクションです。実在する国家、団体、企業、個人、法律等とは一切関係ありません。
西暦2022年、12月30日深夜
【カナダ ケベック州 サドベリー市】
年末を前にカナダのその地方都市は浮かれた市民で夜遅くまでパブや公園は賑わっていた。
人類滅亡の危機を乗り越えてはや4年、各地に傷痕が残るものの、世界は復興へ順調に歩み始めていた。
サドベリー市の人々も自国に現れた''訪問者''火星人「チャップ」や「マニクアガン」の存在を忘れつつあった。
午前零時の乾杯を人々は熱狂的に待ちわびて、カウントダウンを叫んでいた。
時計の針が午前0時を指した瞬間、グラスを手にしていたサドベリー市民の視界は突然、眩いばかりの純白の光に包まれた。
12月31日午前0時、サドベリー市が在った場所には直径数キロのクレーターが誕生した。
純白の巨大な発光現象以外は、爆発音も、衝撃波や熱線等一切観測されなかった。
ただ静かに、深いクレーターが市民の喧騒を幻覚とばかりに否定するような佇まいを見せるだけだった。
カナダ政府は状況発生直後からNATO軍や米国の協力を得ながら周辺地域の捜索を行ったが、サドベリー市周辺の生命反応は皆無だった。
カナダ政府はサドベリー市民50万人の死亡を発表、原因は調査中とした。
光太郎と夏乃が火星に向かってから8カ月が経とうとしていた年末の大惨事だった。
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