癒し、ほどほど。甘さ、どっぷり。ベッドで仲良くぬくぬくと。いっぱい気持ちを込めてみました♪
木曜日、忘れもしない木曜日。メイド喫茶を開く前の準備よりもやたらとスマホのシャッター音が耳に響くこの頃。あのあと2、30分も絡まれてしまい本来やるべき仕事が間に合わないのではないかと危惧しました。
しかし、クラスメイトの皆さんはてきぱきと梨奈の指導により瞬く間に飾りつけが終わってあとは明日の土曜日に開催される文化祭を待つだけです。
その間、私は……トイレ以外動くことが許されない存在となりましたが。
椅子に座るだけというのも辛いです。なにか手伝おうとしても梨奈に注意されちゃうので動くに動けません。とほほほっ。
「すぅ~、すぴ~」
「ふふっ」
目を覚ます。ベッドの中でしがみつかれていたんだなぁと段々と意識が徐々に現れる。
私の目の前で心地よく寝ている陽子さん……木曜日の夜からずっと特別休日として与えられた金曜日の朝までこんなに幸せでいいのでしょうか?
さらさらとした桜色のミディアム。思わず撫でたくなるような色合いでもはや存在そのものがいとおしくなります。
いつまで見とれてしまいそうな美しい寝顔で。眉毛も目もぷるっとした唇もふっくらとした耳も全部が全部私にもったいないくらいの素敵な美女が寝ているのです。
高鳴る心臓。私の視界に映る好きな人。夢の中でなにを考えているだろう? 楽しい夢でも見ているのかな? それとも怖い夢でも見ているのかな? はたまた面白い夢でも見ているのかな?
すやすやと寝息を立てている陽子さんの顔に垂れ下がっている桜色の髪を手で払いのけてじっくりと寝顔を観察する私。
人の寝顔なんか見て気持ち悪いなとか思われそうだけどここは私と陽子さんの二人きりの空間。ずっと眺めていてもなんら問題はないのです。
陽子さん寝ようが寝まいがその顔の魅力に不思議と引き寄せられるのです。
だから、自分の口が勝手につやつやしたおでこの方へと向かったとしても問題ありません。
この寝顔だけは私だけの特権なのです。決して譲りたくはありません。
「ちゅ」
「んふふぅ……ふ? はる……か?」
「起こしちゃいましたか?」
「あんな素敵な口づけをされたら誰でも起きてしまうわよ」
「えへへへ」
「照れ顔可愛いなぁ~。あぁ、もう朝からムラムラさせないでよ!」
「起きる前に発散します?」
「最近構ってくれなかった分も含めて手加減できる気がしないのだけれど……それでもいいのなら」
月曜日~金曜日は最終下校時刻ぎりぎりまで残っているのもあって帰りは夜7時超えることがあり陽子さんもその間はシフトが集中していたりと中々お喋りが叶わず、その間は悶々とした日を過ごして。
そうして土曜日は文化祭当日間近のため由美さんを含めたバンドメンバーと一緒に練習一夜漬け。
静江さんがよく積極的に話しかけてくれた分もあって精神的にきつかったことはなかったけど……あとは本番で集合して文化祭で歌い切ればあの人達との接点もなくなってしまう。
振り返れば激動の日々でしたが同時に充実した生活を送れたような気がします。
まぁ、それもこれも陽子さんという精神安定剤がいなければ私自身どうなっていたか分かりませんが。
「どうぞ♪ いつでも来てください♪」
「…………っ!!」
掛け布団をガバッと捲り上げて鼻息を荒くする陽子さんの目付きはいかにも食べられてしまいそうな雰囲気です。
なんなら口だけじゃなく、上半身も下半身も全部召し上がってもらってもウェルカムなのですが……それは飼い主とお人形ちゃんとの関係が解消された時にお願いしちゃいましょう。
今はただキスされたりハグされたりでも充分ですから。
「んんっ……ちゅぱ」
「んむっ……じゅるり」
「ん……んはぁ……んん……れろ……んふっ……」
「んちゅ……あぁん♡ んむっ……れろ」
「ちゅぱ……んふぅ……じゅるるる……んちゅ、ちゅ」
「んにゃあ♡ ……んむっ……ちゃる……れろ」
「ちゅ、ちゅ……んんっ……んー、ちゅぱ」
馬乗りになった陽子さんと私。口の中にある舌を軽く絡ませることで速攻で火照る身体。
首に両手が絡まり息を荒げようとも続けてお互い交互にキスをしあう私達の時間はどれほど流れようとも止まらず、舌をコロコロと転がしながら私から陽子さんの舌をねぶったり時には陽子さんの方から喉の奥まで舌をうねうねさせたり。
私達のキスに軽いものは存在しない。息が辛くなってもなお陽子さんの顔が鮮明に赤く火照り、その妙に艶かしい表情にエロスを感じる度に身体全体がぴりつくように電流が走りまたキスをしたいという欲求が走り出す。
あぁ、全然足りませんよ……もっと、たくさん、いっぱい、どれだけ時間を掛けてもあなたと結ばれたい。
キスする度に頭がふやけて、はじけて、馬鹿になって。この時間がずっと欲しい。
陽子さんの顔とキスしあう時に掛かる吐息。火照りすぎてたまに首もとに掛かる好きな人の汗。
「んはぁ……ぁ……んんっ♡」
「れろ……ちゅぱ……んふぅ」
大切な人になにか残したい。お互い熱いキスを交わしましたという繋がりが目に見えるような形で。
舌を絡ませながら、はじけ飛びそうな状況の中で思いつきました。
そうだ、キスマークをつけましょう! これで繋がりができます!
陽子さんにも何度か外の人からは見えにくい後ろの首に噛まれた経験があるので私からやっても問題は起きないでしょう。
むしろ、させてくれないと泣きそうです。断られたら泣き落としかおねだりで徹底的に抵抗します……だから、受け入れてくださいね♡
「よ~うこさん♪」
「な~に?」
「キスマークつけたいです♪」
「ふぇ? しょ、正気なの?」
「はい♪ 私はいつでも本気です!」
「あー、でも今日の夕方からはシフトを入れられているの。だからーー」
「大丈夫です♪ 皆さんには決してバレない箇所にマークを入れますから」
「……強引ね」
「はい、もう強制です。前に散々首にキスマークしてくれたお返しです」
「あははは。あれはでも、ほら休日とかに狙ってやってるし散々という言葉に語弊があるというかなんというか」
「駄目ですか? 私からされるのがそんなに嫌なんですか?」
「は、はい?」
顔真っ赤でトマトみたいに完熟している陽子さんの顔もとい手振りも可愛すぎです! 全力でこちらから抱き締めたいです。
ぎゅってしたいけど我慢、我慢……頑張って堪えましょう。
四つん這いになって上から好き放題に舌を入れてくる陽子さんが動きを止めている間、首を枕に預けて滅茶苦茶に犯されていた私はもぞもぞと身体を全体的に降りていきながらとある場所で動きを止めます。
ボタン付きの色違いであるお揃いのパジャマ(私のは水色で陽子さんの桃色です)を裾から捲りあげれば……とっても舐めたくなるおへそが現れました。あぁ、可能ならしゃぶりたいです。
今すぐにでも無我夢中になれる自信があります!
「あひゃん♡ ち、ちょっとなにしてるのよ!? あぁ、だめぇぇぇ♡ おへそ、そんなに触っちゃーーひゃん♡」
「そんな可愛い声を出さないでくださいよ。もう、我慢しきれなくて舐めてしまいそうですから」
「わ、た……し可愛く……あぁ♡ なんて、ないから! 可愛いのはお人形ちゃんの方で……んあぁぁぁ♡」
お腹に狙いを付けて今まで舌で絡ませあった濡れ濡れの唇で丹精の籠った思いを乗せて、くねくねしている身体をがっちり両手で止めながら陽子さんの肌にアプローチを仕掛けていく。
ずっと、口をつけている間にも喘ぎ声が聞こえてきて私の頭の中は興奮状態。
だから、期待に応えようともっともっと強くする。そうしているうちに陽子さんも段々と自我が壊れて次第に喘ぎ声を部屋に撒き散らす。
もうエロすぎ。なんか陽子さんを食べちゃっていると錯覚しそうです。
「はぁぁん♡ ひあっ……やあぁ……もう……だめぇぇ♡」
わぷっ!? 部屋中に大きな喘ぎ声を出したであろう陽子さんは大胆にも倒れ込みました。
そのせいで身動きが取れません。だって、私の顔の真正面にあるお腹が直撃しているんですよ?
これで離れてって言われても、上手く動けないといいますか。
「はぁ、はぁ、はぁ……ごめんね、あまりに気持ちよくって押し潰しちゃってたみたい」
「あはは、気にしてませんよ。これぐらいで気持ちよくなってくれたのなら嬉しい限りです」
ふらふらと身体を起こしながらも退いてくれる陽子さん。ほかほかしているのかベッドの端に座り込んでお腹を擦っているようです。
ふふっと口に出しながらも長らくして放置していた自分の部屋のカーテンを両手で開けます。
おぉ、なんと心地よい鳥のさえずり。いつまでも聞いていたいものですが。
それよりも大事な用事がありました。鳥のさえずりよりももっと重要なことですから。
「いいお天気ですね、陽子さん♪」
「えぇ、ほんと。お出掛けには最適な日ね」
「…………お腹のけてくださいよ、そろそろ確認したいので」
「見ないで。こんなの……思春期真っ盛りの可愛いお人形ちゃんには見せたくない」
「いいじゃないですか。別に減るものでもないでしょ?」
「駄目よ! 駄目!! いやいや! 見せたくないの!!」
「ふぎゅう!?」
お腹につけたキスマークを見ようと近付いたら容赦なく抱きつかれました。
しかも陽子さんの方から積極的に。ふわっと香る甘い匂いと少しだけ交じった汗の匂いに酔いしれながらも熱いハグを押し退けて上の服の裾をチラリと捲ります……あぁ、ちゃんと付いてますね。
「初めてのキスマーク、上手くいって良かったです。消えるまでずっと大事にしてくださいね♡」
「う、うん……わ、分かった」
おへその横にがっつり付いた口の印。肌を吸うに吸うって赤く腫れ上がったマークはきちんと形を鮮明に写して、私だけの記念品ができあがったことにゾクゾクと身体の底から沸き上がり駄目な方向へと流されていく。
普段はすこぶる余裕な口ぶりで精神的にも身体的にも数倍上のお姉さんがしおらしい表情で恥じらっているという事実。
はぁ、はぁ、はぁ……食べてしまいたい。
あぁ、でもでもそれじゃあ本末転倒だよ!
文化祭当日で陽子さんに凄いね、頑張ったねって言われていい雰囲気になったところで思いを伝えたいの!
「あ、朝御飯作りますね。もう9時過ぎちゃってますけど!!」
「えぇ! あっ、その、お願いするね。可愛いお人形ちゃんの心が籠ったお料理を!」
大人な陽子さんはどこへいったのやら。そこには乙女心をくすぐっているのかと言わんばかりの照れ隠しの表情。
そして、はっきりと喋っているようで実はふにゃふにゃとした声があまりにもムラっときてしまって。
部屋を出る前に未だにベッドの上に横向きになって寝ている陽子さんの頬に横から軽く口をつけて朝食作りへと向かいます。
反応を窺う前に部屋を出ていってしまったので詳しいことは分かりません。
ですが、あの様子だと身悶えていると思います。きっと……そうであればいいのになぁ。




