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Trans Sexual Online~のんびりほのぼのTS生活~  作者: an℟anju
第二章 出られないけどほのぼの生活
30/79

028 逸る気持ち

 不具合が直ったのか、止まっていたNPCが動き出した。

 相変わらずログアウトは出来ない状態だけど、とりあえずはみんな動けるようになって安心、なのかな。

 ボクはマナさんとフレンド登録を済まし、一旦別れてミラさんたちの様子を見に行くことにした。


 いきなりNPCが動き出したことで少し騒がしくなってる街の中。

 NPCたちも何が起きたのか分からずに動揺してる人たちが多い。

 まぁ、無理もないよね。気付いたら時間がすぎてる訳だし、みんなが騒いでるんだもん。


「……あ、ミラさん!!」


 ミラさんのお店の前に着くと、そこにはみんなが揃っていた。

 よかった。ルーイさんやレイも無事だ。

 ボクは嬉しくなって、みんなの元に駆け寄った。


「ハルちゃん! 良かった、いきなりいなくなるから心配したのよ!?」


「ご、ごめんなさい。えっと、ちょっと……あのー、よ、用事を思い出して!」


「そうか。なんか気付いたら外が騒がしくなっていて驚いたよ。ハルもいなくなってるし」


「……何ともないか」


「大丈夫だよ、レイ。みんなも、心配かけてごめんなさい」


 なんか、感極まって泣きそう。

 でも、みんなからしたら、ほんの一瞬の出来事なんだもんね。

 ここでボクが泣いたりしたら余計に心配させちゃうよね。


「あ、そうだ。話の続きなんですけど」


 ミラさんたちが動かなくなる前、お店の内装の件について話していたんだよね。

 それで、店に呼んでご飯をご馳走しようかってことになったんだけど、あんなことになっちゃって。


「それじゃあ、今からハルちゃんのお店へ行きましょうか」


「そうだね。ハル、案内してもらえるかい?」


「はい! あ、その前に買い物しても良いですか?」


「ええ、構わないわよ。レイ、店番よろしくね」


「ん」


 ボクはミラさんとルーイさんと一緒に自分の店へと戻る。

 レイにはあとで何か持っていこう。

 甘いの好きだって言ってたし、お菓子とかの方がいいかな。





「うん、美味しい」


「本当ね。ハルちゃん、お菓子だけじゃなくって料理も上手なのね」


「エヘヘ」


 良かった、喜んでもらえて。

 ルーイさんがお店の中を見てる間に簡単にパパッと作ったものだから心配したけど、お口に合ったようで安心した。


「それでハル、内装なんだけど」


「あ、はい!」


「とりあえず、こんな感じにデザインしてみたんだが……」


 そう言ってルーイさんが右手を前に出すと、パッとモニターが現れて図面が表示された。

 スゴイ。ボクの言ったイメージ通りだ。

 木製の家具に可愛い花をあしらっていて、本当に森っぽい。

 看板もメッチャお洒落だし、なんか僕なんかには勿体ないくらいの出来だ。


「素敵です、ルーイさん!」


「気に入った?」


「はい!!」


「じゃあ、デザインはこれで決めちゃおうか」


 ルーイさんは椅子から立ち上がり、モニターに向かって何かを打ち出した。

 何してるんだろう。

 ボクにはサッパリわからないけど、ミラさんはニコニコして見届けている。

 あ、改装するのってどれくらい時間掛かるのかな。


「ハル、ちょっと端に寄ってもらえる?」


「え? はい」


 ルーイさんに言われて、ボクとミラさんは端っこに寄った。

 どうするんだろう。あ、家具の長さとか図るのかな。

 それならボクにもお手伝いできそうだけど。


 そんなこと考えていると、ルーイさんはまた別のモニターを宙に表示させてテーブルと椅子を消した。

 さすがゲーム、ああやって家具とか簡単に収納できるんだ。

 ボクが感心していると、お店のデザインが表示されていたモニターが光り出した。


 な、なに?

 何が起こるの?


 驚くボクとは逆に、ミラさんは落ち着いてる。

 この状況を何一つ理解できないまま困惑していると、ルーイさんがモニターをタッチした。


「……!?」


 あっという間だった。

 一気に室内が青白い光に包まれ、さっき見せてもらったデザインのままに家具が置かれていく。

 魔法だ。魔法で作ってるんだ。

 スゴイ、スゴイスゴイ!!

 瞬く間に改装は終わって、今からでも営業できます状態になった。


「う、わぁ!!」


 ボクはあまりの感動に店内を子供みたいに走り回ってしまった。

 でも、本当に本当にスゴイ。

 こんな一瞬で改装出来ちゃうなんて感動する以外に何が出来ますか。


「スゴイですルーイさん! ありがとうございます!!」


「喜んでもらえて何よりだよ。外に看板も設置してあるから、あとで確認しておいで」


「はい!」


「ふふ、嬉しそうね。ハルちゃん」


 どうしようかな、明日からでもお店開店出来ちゃうよね。

 もう始めちゃおうかな。だって早くオープンさせたいもん。

 今日、徹夜で商品準備すれば間に合うよね。ある程度は作ってあるし。

 そうだ、マナさんにメールしておこう。

 お店の改装が終わったから、あとで顔出してくださいって。

 きっとマナさんもビックリするよね。

 ふふ、楽しみだなぁ。


「ミラさん。ミラさんのお店で色々小物とか買ってもいいですか?」


「ええ、構わないわ」


 そうだ、お花とかも飾りたいな。

 マナさんが戻ってくる前にお店可愛くしちゃおう。


 マナさん、可愛いの好きみたいだから喜んでくれるよね。


















USER NAME/片岡春臣かたおかはるおみ

LOGIN NAME/ハル

SEX/女?

LOGIN TIME/0047:03:55

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