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第四十三話

注意:大変申し訳ないのですが、明日、もしかすると明後日もなのですが、投稿出来ない可能性が大きいです。


私情により皆様にご迷惑をおかけする可能性が大きい事を申し訳なく思っています。

「というかお前、捕まらないのか?」


時代劇でよく見るお団子屋さんでシエルを寝かせつつ、とつか少年に聞く。


「捕まる? なんでですか?」

「だって人を殺しただろ。」

「へ? なんで悪人を殺したら捕まるんですか? 元の世界じゃないんですから」


そう平然と言い放つとつか少年。いや、いやいやいや、駄目だろ、殺したら。


「それに、僕らは死んでも元の世界に戻るだけじゃないですか。オンラインゲームでマナー違反をしたらキックやBANされるでしょう? それと同じですよ」

「そんな事ないだろ。普通に考えて殺人なんて駄目に決まってる」

「普通? 異世界に来ることが出来て、こんなに楽しい世界で普通? 元の世界の普通なんて、こっちの世界の普通じゃないでしょう、お兄さん。こっちにはこっちのルールがあるんですから、それに従えばいいじゃないですか」

「それでも、こっちにだって犯罪とかはあるだろ。死刑とか奴隷とかもあるらしいし」

「まあそうですね。といってもどちらも実質死刑みたいなものですよ?」

「なんでそうなるんだよ」

「お兄さん街中で奴隷とか見た事ありますか? それに、犯罪者なんて一般の人が雇うわけないでしょう」


確かに言われたとおり、見てわかるような奴隷なんて見た事がないし、理屈は通っている。


「だからって死刑になるわけじゃないんだろ?」

「ええ、労働という名の処刑みたいなものに行かされますよ? 中央の山に連れて行かれていましたし。死ぬまで魔物と戦わされ続けて、死んだらカードだけ回収されて。そんなの死刑とかわりませんよ」

「……だからって殺していいってことにはならないだろ」

「いいんで……そうですね、悪い事かもしれません。ですから悪い僕を止めるために戦いましょう! それがいいですよ! 今度こそ勝って」

「わあ、待て待て、そうだ、まだ話が終わってない! 何で捕まらないか話してもらってないだろ!」

「えぇー」

「そんなに残念そうにしても駄目だ」


危うく街の外まで連れて行かれそうになる。多分大丈夫とはいえ、危ない事はしたくない。


「なぜ捕まらないかですか。だって、余所者が迷惑な事をしてるんですよ? 強ければ文句も言えないなら、もっと強い人間が解決するしかないじゃないですか。特に僕らはチートがありますから」

「まあそうだな」

「だから僕が解決した、ほら、どこにもおかしい所はないですよね?」

「いや、だから犯罪じゃないのか?」

「普通の人を()ったらアウトでしょうが、彼みたいに犯罪ぎりぎりだったりアウトだったりな人なら問題ありません」

「犯罪歴とか付かないのか? 門番とかに聞かれる奴」

「あれは捕まった場合に魔法か何かでマーキングするそうですので、捕まらなければ問題ないんですよ」


へー、そうなのか。じゃなくて、そんなシステムで大丈夫なのか? 異世界。


「まあお兄さんに言わせれば僕も悪人でしょう? それなら捕まえるためにも早速勝負を」

「……んぅ」

「おおっと、シエルが起きたみたいだなぁー」


話を逸らす。何が悲しくてそんな事をしなくちゃいけないんだ。考えてみれば、とつか少年が何をしていようが、俺に関係がなければいいじゃないか。今の所放っておいても特に被害はない、どころか関わったほうが面倒臭い事になるだけだ。


なんとなくしこりのような物も感じるが、前にシエルがいっていた通り、俺は何でも出来るスーパーマンじゃないんだから。


「シエル、大丈夫か?」

「ああ、昇か。うん、ちょっと気分が悪いけど大丈夫だよ」


そう言って笑いかけてくるシエル。若干顔色が悪いし、大丈夫じゃなさそうだからどこかで休ませるのがいいだろう。主に今日はさっさと宿に帰る的な。そうなると付き添ったほうがいいだろうし、とつか少年とはおさらばだな。うん、それがいい。


「そんな事言っても顔色が悪いよ、心配だから今日はもう宿で休もうか。というわけでとつか君、これで失礼するよ」

「わわ、ちょっと昇!」

「あ、ちょっとお兄さ」


さっとシエルを持ち上げてテレポートで宿に飛ぶ。気配を追ってきたところで流石に宿の個室までは来ないだろう。


「ちょっ、昇、おろして!」

「いやいや、顔色も悪いし任せとけって。軽いから大丈夫」

「そういう問題じゃなくて! 恥ずかしいから! これ思ったより恥ずかしいから」

「はっはっは」

「笑ってないで話を聞いてぇ!」


シエル、君の願いはとつか少年相手にして失った幸福成分の補充って事で、犠牲になったのだよ。恨むならとつか少年か気絶した自分の不幸にしたまえ!

普通じゃない状況や本人的には理解しがたい理屈の前に平常心さんがログアウトしてしまった昇。多分しばらくして我に返った後、俺何やってんだぁーってなります。テンションがおかしいときにはおとなしくしてないと事故が……


リア充みたいだろ? こいつら別に付き合ってるわけじゃないんだぜ?

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