第二十四話
100万PV、1万評価ポイント突破!イェァ!有難う御座います!
少し早めのお年玉をもらった気分です。こんな気持ちで新年を迎えるのは初めて!もう何も怖くない!
襲撃してきた盗賊を簡単には逃げられないように土魔法で作った金属製のでかい鳥かごに入れておく。土属性で金属も操れてよかった。銅・鉄・銀・ミスリル・アダマンに各々が三種類ずつ、なんてことは無かったんや。
ローブだけは別のかごに一人で入れておいた。話したいからちょっと待っててと言うと、コクンと頷いていたので逃げはしないだろう。逃げたらどうなるかってクレーターをもうひとつ作る羽目になったが、盗賊の連中も首がもげそうなほど縦に振っていたし。
「あっケインさーん。」
「随分派手だったね。お疲れ様。」
なにか諦めたような表情で返事をするケインさん。他のトリッパーともアレだけ差があったし、本格的に俺と周りに認識の差があるみたいな感じがする。でもかと言ってオレツエーオレムテキーオレサマオマエマルカジリなんてのも違うしなぁ。そうだ、日本人らしく謙虚な姿勢で物事を見ているだけなのさ。ってことにしておこう。その方が俺の精神衛生上良いに違いない。
「捕まえた盗賊ってどうするっすか?」
「普通盗賊を捕らえるなんて無いし、あってアジトを聞くために一、ニ人ってところだからなぁ。」
「喋ってたことを聞いた感じ、アレで全員ってかんじっすよね?」
「そうだなぁ、普通返り討ちにしてそのまま追いかけないし、殺すのがいいのかなぁ。でももう既に捕まえた後だし、都市に着いてから引き渡したり売ったりするのがいいかなぁ。」
だんだんと遠いところを見ているような目になっていくケインさん。言っていることはさっき親分が言ってたような処遇だ。やっぱり異世界って厳しいんだな。
「しかし、連れて行く程の余裕も無いし、ここで全員殺してカードだけ持っていくのが一番かな。」
「そっすかー。あー。」
カードと言うのは、こっちの世界でヒトが死んだ時に残る、遺品みたいなものだ。一応伝説では不死鳥の加護を一身に受けたヒーラーさんが、己のすべてを投げ出してカードから英雄を蘇生するなんて場面もあったが、基本は名前や種族が分かって、持っていたアイテムをだれでも取り出せるようになる認識票+遺品みたいなもの……らしい。まだ直接見たことはないかららしいがつくけど、俺だってそのくらいの常識は知ってるんだ。
しかし命が惜しくば投降しろって言ったんだから、逆説的?に投降すれば命は助けてやるって言ったようなもんだしなぁ。ここで殺したら俺が嘘つきって感じで嫌だ。それに俺が原因で人間が死ぬってのも、なんだかなぁ。
「連れて行く余裕があれば、連れて行く感じで?」
「まあ直接の被害を受けたわけでもないし、全部君の手柄だしね。君が全面的に運ぶって言うのならいいんじゃないかな?」
「あとあの中でちょーっと同郷の人間がいるんすが、なんとかならないっすかね?」
「いやぁ、今回は被害が出てないけど、今までずっとそうだったわけじゃないだろうしなぁ。一応まだ罪がなければそのまま、やってたら奴隷にしてから買い取るって感じになるかなぁ。そこまでの相手なのかい?」
まあそりゃ見捨てるのは目覚めも悪いし、せっかく会えたわけだしな。
「そうっすね、(話し相手的に)大事な人っす。」
「そうか。それならがんばれよ。」
「うっす。」
カゴの方に戻って盗賊たちに話すと、ここで死なないで済むなんてありがてぇと言われた。ローブの方はと言うと、
「本当かい?いやぁ実はまだ初犯でね、彼らの命もとらないでくれるみたいだし、ありがたい。」
と調子いいことを言っている。さっきまで動揺して慌ててパニック!みたいな状態だったのに、切り替えの速いことだ。流石に一緒に馬車に乗せるのはダメだったので、一応風よけ付きで空間ごと引っ張ることにする。揺れないだろうから多分快適なんじゃないかな。暇ができたら話をしよう。




