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本日は結婚日和?(絶対回避しますー。)

ああ、チエアイス武王国で

花嫁衣装着るとは思わなかったよ。


「セツラさん、化粧ばえするわねー。」

悪のおばさんが指をくんで言った。


花嫁に付き物の箱庭も精巧にできてる。

豊かな結婚生活を願って。

家とか果樹園とか畑とか家畜とかのってるんだよね。

半円形の台座の中身はコインとかアクセサリーが入ってるし…花嫁に捧げる財産らしい。


「さすがイアルダス家のご令嬢だけありますね、美人じゃありませんが品があります。」

政治家男が笑った。


私は直売所のいきおくれですよ。


本日は結婚日和らしい。

花嫁衣装を着せられて生と死の神、地母神オーラダー様の神官の前に引き出されました。


神殿いくなら逃げるチャンスがあると思ったんだけどな。


「ルレーアス様に似合いません。」

ヤファルさんが正装を着て腕組みをしていった。


「母上、いい加減諦めませんか?」

ルレーアス様が言った。


銀の髪に青い目の高貴な王弟殿下にふさわしい正装をしている姿は美形年下武人殿下より物騒じゃないやわらかな雰囲気だ。


まあ、隣が私だと似合わないよね。


「いいえ、諦めないわ!あの女の子供が国王などできるわけないわ!ラファル様に愛されたからってなんで娘が国王になれるの?」

おばさんが叫んだ。


「さようでございます、お妃様、本来正妃はお妃様だったのに、横取りした王太后様がいけないのです。」

おばさんについてたもっとおばさんが言った。


甘やかすなよ…王妃っていうのはたぶん、美形年下武人殿下の女バージョンみたいな人じゃないと勤まらないんじゃないのかな?


滅私奉公?違うか?

まあ、国と国民を第一に考える人が王妃になれるんだよ。


私は…無理だけどね。


「まあまあ、ルレーアス様が国王陛下におなりになれば、国母様になるのですから、王太后様はいかようにもなさればよろしいのですよ。」

政治家の男が言った。


「ええ、もちろんよ、はじめてちょうだい。」

おばさんが嫌な笑いを浮かべた。


「はじめます。」

オーラダー神の神官が聖句を唱え出した。


ああ、もう終わりだよ!


「大丈夫か?」

ルレーアス様がそっとささやいた。


「なんで、止めてくれないんですか。」

私は恨みがましい目で見た。


「私にその権力はない。」

ルレーアス様が儚げに笑った。


よっぽど私より乙女だよ。


「すべての命は生まれて死ぬ、すべての命はオーラダー神のもとからあらわれて、オーラダー神の元へ帰る…命を増やして戻すために産めよ育てよ。」

神官がお決まりの台詞を言った。


「ここに二人を…。」

神官が最後の決め台詞をいいかけた。


夫婦となすと言われちゃう。


持ってる箱庭でもぶつける?

花嫁に付き物の?


「大変です!竜騎兵が!」

警備の武官が扉を開けて言った。


助けにきてくれたんだ!


「レーダーも破られたようだ。」

ウセアシス武官が顔を出した。


「セシルーシャ殿はどこにいる?最新のレーダーを設置したのではないのか?」

政治家が言った。


「セシルーシャ姫はさっきまでレーダーの様子をみていたのですが…。」

警備の武官が言った。


そういえばいないよね。


「もう、いいわ!さっさと結婚させてセツラさんの夫になったルレーアスに止めさせればいいのよ、カサカサ竜騎兵団なんて!」

悪のおばさんが言った。


「では、あらためて…。」

神官が咳払いをしたので箱庭を投げる準備をした。


「悔い改めなさい。」

神官が言った。


あれ?台詞違いますよ?


とたん、扉が吹っ飛んだ。


「セツラ!」

麗しい美声がした。


私の大好きな王子さまが武器をかまえてたっていた。


「美形年下武人殿下。」

ああ、良かった、たとえここで死んでも悔いはない。


「セツラを返していただこう、ケーサルシア妃殿下、ルレーアス殿下。」

美形年下武人殿下が言った。


「お断りよ!やりなさい!」

悪のおばさんが言った。


ウセアシス武官が反応した。


「仕方ない。」

どこか嬉しそうに美形年下武人殿下が笑った。


戦いが始まる。

廊下の物音も戦いの音だよね。


美形年下武人殿下とウセアシス武官が対峙する。

まるで躍りを踊ってるような軽やかな、でも重い一撃を美形年下武人殿下が繰り出してるのがわかる。


「ルレーアス様、今のうちに逃げましょう。」

ヤファルさんが言った。


「そういうわけにはいかない。」

ルレーアス様が言った。


「ジアオサ議員は逃げました。」

ヤファルさんが言った。


よくみると、あの政治家がいない。

うーん、逃げ足はやい…あ、天竜にのった家の領地に溜まってるおっさんたちに捕まった。


本当に、カササダ竜騎兵だったんだ、おっさん。


窓の外はカササダ竜騎兵団だらけじゃん。

あそこでなんか叫んでるのじいちゃん?


「これでおわりね。」

悪のおばさんが呟いた。


よそ見をしてる間に決着が着いたようだ。

ウセアシス武官が床で血をながしてうめいてる。


「セツラさんをあの世にお嫁入りさせてあげてちょうだい、私もルレーアスもすぐにいくからあの世で幸せに暮らしましょう。」

悪のおばさんが優しく、でもどこか狂った微笑みを浮かべて警備の武官に言った。


「かしこまりました、では失礼します。」

武官が剣を構えた。


「やめろ!」

美形年下武人殿下がかけつけようとしてるのが見える。


目の前の刃よりあの人を目に焼き付けて死にたい。


死んだら…今度生まれ変わるときは美形年下武人殿下の所にずっといる。

うん、あの人の天竜になりたい。

そうすれば、いつも一緒だもん。


刃の軌道がスローモーションのようにふりおろされるのが見えた。


ああ、もうお別れだ。



剣が肩に到達する前に押されて転んだ。


「何を考えてるんです!母上!」

ルレーアス様が言った。


「ルレーアス、もう終わりなのよ、だから最大の復讐をして去るのよ。」

悪のおばさんが言った。


「セツラを復讐の道具にしないでいただきたい!」

美形年下武人殿下がそういって武官をなぎ倒して私の前にたった。


「オズ坊!こっちはかたがついたぞ!」

じいちゃんがおっさんたちをつれてはいってきた。


「イグサ老、このかんがえなしたちを連行してください。」

美形年下武人殿下が言った。


「ああ、ところでなんでセツラは転んでるんだ?」

じいちゃんが言った。


「元団長、お邪魔ですぜ。」

竜騎兵のおっさんが言って手際よく拘束していく。


「セツラ、大丈夫か?」

美形年下武人殿下がそういいながら私を立ち上がらせて…。


なんで、そのまま赤ちゃんダッコ?


「オズワルト殿下、なんで抱き上げるのさ。」

しかも赤ちゃんダッコに退化してるし。


「セツラを野放しにすると何があるかわからないからな。」

美形年下武人殿下が真顔で言った。


…それ、私のせいじゃないんですが。

人をいとがきれた風船見たいに…。


でも、良かったよ。

これからは絶対に離れないからね。


「助けてくれてありがとう。」

死ぬかと思った。


「ああ、帰ろう。」

美形年下武人殿下が極上の笑みを浮かべた。


うん、アイルパーン竜騎国に帰ろう。

そして、美形年下武人殿下とずっと一緒にいるんだ。

平成25年11月4日投稿分のTS 転生エルフは現在引きこもりにこのあとの話をリンク中です、

よろしくお願いいたします。

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