じじいはすごく怒ってる。
本日投稿分はTS転生エルフは現在引きこもりの平成25年10月27日投稿分とリンクしてます。
よろしくお願いいたします。
セツラ、待っておれ。
すぐにこの国など滅ぼしてやる!
「イグサ老、取り合えず責任者が着いたようだ。」
オズ坊が妙に冷静に言った。
「オズ坊!それどころではない!すぐにカササダ竜騎兵団を召集するぞ!」
わしは叫んだ。
カオラによくにたセツラの愛らしさに
手を出さない男などいないわ!
「やめてくださいー、陛下が参りますのでー。」
デーケシとか言う男が言った。
デーケシとかいう男の後ろから
…なんで綺麗な緑色の髪の女がくるんだ?
この国の国王は確かに女王だが。
男装していたはずだ。
「パルラ秘書官ー?」
デーケシという男が怪訝そうに言った。
「お茶をお持ちしました。」
エルフらしいその女が落ち着いた声で言った。
応接間のテーブルに美しい所作で
淡い色のお茶をおいていく。
「カモミールティーです。」
エルフの女が言った。
何を考えてる?
「わしは、孫を取り戻したい!」
気を取り直してテーブルを叩くとカップが揺れた。
「わかっておりますー。」
デーケシという男が言った。
「水分を取らないといけません。」
綺麗なエルフがそっとわしにカップを握らせた。
「イグサ老、急いては事を仕損じる落ち着こう。」
オズ坊がハーブティーを飲んだ。
お前、本当にセツラを取り戻す気があるのか!
「さあ、どうぞ。」
綺麗なエルフが言った。
……まあ、飲んだところで支障はなさそうだが。
うまいな…こんな事態でなければ、買って帰りたいところだ…セツラが喜ぶ…ああ、セツラ。
セツラが生まれたとき、べつにカササダ竜騎兵団を継がせる気は無かった。
でも、あいつはうちに出入りしてた、カササダ竜騎兵団の連中に可愛がられまくられてな。
なんといっても、どんな土産も喜んでもらうあの姿勢がな。
あいつらがカササダ竜騎兵団の真の団員どもが頭領姫はセツラと決めやがった。
セツラに戦闘能力がないことを知りながらだ。
だから、オズ坊との許嫁はわたりに船だった。
まあ、わしの目が黒いうちは
いいようにさせん予定だったんだがな。
ぎっくり腰が予定を狂わせたな。
これで、この始末だ!
「セツラ…。」
わしは呟いた。
「もちろん、セツラ姫はとりもどす。」
気がつくと白銀の短い髪の男が目の前に座っていた。
「オズワルト殿下、イアルダス殿この度は愚弟が申し訳ないことをした。」
白銀の短い髪の男が黒銀の瞳をふせて頭を下げた。
「ラルーナ陛下、セツラは私の大事な許嫁です。」
オズ坊が静かに言った。
「全力で捜索しています。」
デーケシという男が言った。
「それで、結果は?」
オズ坊が静かに言った。
「パルラ、画面を出してくれ。」
ラルーナ陛下が言うと
あの綺麗なエルフが大型通信機に地図を出した。
「現場は旧オータルス卿邸です、回りにレーダーと警備兵が配置されています。」
パルラとかいうエルフが言った。
いつの間に情報収集をおこなった?
誘拐発覚からそれほどたっていないぞ?
「レーダーはウライシア工業国のこのタイプを使用、警備兵の責任者はウセアシス・イーダオ武官です。」
パルラとかいうエルフが画面にウセアシス・イーダオの情報を出した。
…いつの間にこんな頭のいいエルフが生まれたんだ。
エルフと言えば戦闘能力は天下一品だが
脳筋というのが常識的だろう?
恐ろしいな、この能力とエルフの戦闘能力がうまく活用できれば、このラルーナという男…いや女か…世界征服できるかもしれん。
「では、どのようにレーダーを解けばよい?」
ラルーナ陛下がパルラとかいうエルフを手招きしていった。
「通信機ネットワークから破壊は可能です…最新式だと、無理かも知れませんが、たぶん大丈夫です。」
パルラとかいうエルフがラルーナ陛下に近づいたとたん捕獲された。
「ご苦労だった、少し休め。」
ラルーナ陛下がパルラとかいうエルフを膝の上に抱き込んだ。
「陛下、自制してくださいー。」
デーケシという男が言った。
「私としてはどんなことがあってもセツラを取り戻したい!カササダ竜騎兵団の召集承認を要請する。」
オズ坊がはっきり言った。
「カササダ竜騎兵団の召集承認ー?陛下ー。」
デーケシという男が困った顔をした。
「いいだろう、もちろん、この国の他の国民に危害は加えないという約束はしていただけるな。」
ラルーナ陛下が言った。
「その予定はない、セツラさえ無事なら。」
オズ坊が言った。
そう、セツラさえ無事なら
わしとて戦争などしたくないわ。
「では、すぐに受け入れ準備を向こうに気がつかれないようにな。」
ラルーナ陛下がデーケシという男に言った。
「はいー、わかりましたー。」
デーケシという男がへやのそとへ飛んでいった。
そのあとを追うようにラルーナ陛下も美形のエルフを抱き上げて部屋から出ていった。
「イグサ老、すぐにカササダ竜騎兵団に連絡を、ヤヒコ事務官、王都のカササダ竜騎兵団に連絡をしてくれ。」
オズ坊が立ち上がった。
「どこにいくつもりだ?」
私は聞いた。
「戦いの準備をしてきます。」
オズ坊は…やる気が出たようじゃな。
セツラ、すぐにじいじが助けにいくぞ!
許嫁なオズ坊はあてにならんからな。
希望を捨てずに待ってるんじゃぞ!
読んでいただきありがとうございます。




