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結婚は好きなひととしたいです。(解放してくださいー。)

あの人だよ。

人のこと物好きな変態しか

相手にしないと言った。


「なんで、お前がここにいるんだ?」

ルレーアス様が言った。


監禁場所に呼び出されたらしい。


「私だって、居たくなかったよ。」

私は強引に着せられたピンクのドレス姿でそっぽを向いた。


「ルレーアスのお嫁さんよ、カササダ竜騎兵団の頭領姫のセツラ・イアルダスさん。」

頬被りのおばさんがニコニコ言った。


「母上…また、珍妙なものを着てますね。」

ルレーアス様が言った。


「そう?正しい誘拐犯の姿だと思うけど。」

頬被りのおばさんが言った。


正しい誘拐犯の姿ってなにさ。


「ルレーアス様がチエアイス武王国の国王即位のためには必要な方なのですよ。」

政治家らしい男が言った。


「私は望まない、姉上がもう国王陛下だ。」

ルレーアス様が言った。


姉上…えーとこの国の国王陛下って女王だったっけ?

女性雑誌で美形エルフを溺愛って書いてある写真見た限り、精悍なイケメンなイメージだったけど?


相手のエルフの写真は可憐で華奢な胸のない女性にみえたけど…確実に私より美人の…男?


「ラルーナ様は私が国に引き取ります!ウライシア工業国で!」

朱金のくせ毛をポニーテールにして、金の瞳を爛々と輝かせた女性が入ってきていった。


「え…ええ、お願いいたしますわ、セシルーシャ様、いくら追い落としても女の子を処刑なんて後味悪いもの。」

頬被りのおばさんが言った。


「お妃様はお優しいですね。」

政治家らしい男が嫌な笑いを浮かべた。


なんか企んでるっぽいよね。


「なんで、止めなかった、ヤファル!」

お茶を持って入ってきたヤファルさんにルレーアス様が言った。


「…ルレーアス様に相応しくないとお止めしました。」

ヤファルさんが不本意そうに言った。


悪かったね。

どうせ、私はいきおくれですよ。


「母上、私は結婚しませんよ。」

ルレーアス様が言った。


「そうなの?それなら、セツラさんはあの世にお嫁にいくことになるのだけど?地母神オーラダー様の元に送り返すわ。」

頬被りのおばさんが笑った。


地母神オーラダー様は生と死の神様…神様は相対する属性を持ってる、まあ、オーラダー様は生の方がメジャーだけどね。


ああ、現実逃避したよ。


「…二人きりにしてください。」

ルレーアス様が言った。


「逃がそうとしても無理よ、すぐにウセアシス武官が部下と来るから。」

頬被りのおばさんが言った。


「…わかってます、私が王位など望んでないのを母上たちがわかってないのと同じく。」

ルレーアス様がため息をついた。


「お妃様、お二人に気持ち確かめてもらいましょう。」

政治家らしい男が言った。


「……ええ、セシルーシャ様まいりましょう。」

頬被りのおばさんが朱金髪の女性に言った。


「え?ええ、いきます。」

なにか考え事をしていた朱金髪の女性が反応した。


そしてゾロゾロ出ていった。


「ルレーアス様、残ります。」

ヤファルさんが言った。


「ヤファルも出ていけ。」

ルレーアス様が無情にいったので

ヤファルさんもすごすご退散した。


ルレーアス様が監禁場所の椅子にすわる

私に向き直った。


相変わらず、足に鎖は付いてる。

ルレーアス様…倒せても、武官たちがいるらしいしな。


「どうする?お前、私と結婚すると、どうなるかわかってるのか?」

ルレーアス様が言った。


鬼気迫る勢いっていうのかな?


「わかってません、第一、カササダ竜騎兵団の頭領姫っていうのだってワケわからないし。」

それどういう意味なのさ?


「無知は罪だ、私と結婚すればチエアイス武王国の内乱に繋がるだろう、各国がそれを見てほっておくとはおもえない、特にアイルパーン竜騎国がな、世界大戦が起こる可能性が高いな。」

ルレーアス様が深いため息をついた。


「逃がしてください。」

世界大戦の火種になるのは嫌だし。


「聞いてなかったのか?ウセアシス武官はお前が逃げたら確実に殺す気でいる、そうしたら、アイルパーン竜騎国とカササダ竜騎兵団はこの国を蹂躙するだろう…エルフがチエアイス武王国につけば泥沼の戦いが起こるかも知れない…いずれ世界大戦に繋がるだろう。」

ルレーアス様が深いため息をまたついた。


わー、生きてても死んでても

世界大戦の火種?

それ、いやだよ。


「そんだけみえてるのに、なんでお母さんとめられなかったのさ?」

お父さんが欲しがってる宰相職の後継者なみに賢いのに。


「母上は王太后様とほぼ家格が同じで、歳もほぼ同じだ、唯一の違いは、王太后様が先代国王陛下に溺愛されたことか?姉上が国王即位したのもそのせいだと思っている、あの父上がその程度で継がせると思わないが。」

ルレーアス様が言った。


つまり、対抗意識で誘拐?

迷惑だよ。


「私を生きたまま、オズワルト殿下に届けてください。」

そうすればいいんだよね。


「それが出来れば確かに戦争回避だが…ウセアシス武官は強い、それに今度は母上たちが処断される…私もだが…。」

ルレーアス様が苦々しい顔をした。


どうすりゃいいのさ。

逃げるのが一番いいのに。


なんとかしないと!

結婚は絶対に美形年下武人殿下(すきなひと)とするんだからね。

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