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陰謀に巻き込まれました。(関係無いじゃないですかー。)

あの、なんで私、ここにいるんですかね。


たしか、チエアイス武王国支店をレイモンドにまかせて、帰国準備でビルの店主さんたちに挨拶に出たはずですが?


「イアルダス宰相の…カササダ竜騎兵団のイグサ・カササダ…いえ、イグサ・イアルダスの愛孫だそうですね。」

顔の知らない政治家風の男性が言った。


カササダ?じいちゃんの旧姓?

竜騎兵団の名前だよね。


なぜか、知らない部屋に拉致されました。


「ごめんなさいね、私、どうしてもあなたのお祖父様の力が必要ですの。」

頬被りをした女性が言った。


顔丸見えですよ、おばさん。


じいちゃんの力?


「正確には、カササダ竜騎兵団の力をお借りしたいのですよ。」

政治家風に男性が胡散臭く笑った。


カササダ竜騎兵団の力?


「じいちゃんは引退してるので、全く使い物になりません。」

この間もぎっくり腰やってるしな。


大体、この国の治安どうなってるのさ。

従業員用の階段歩いてたらいきなり、袋かけられたんですが?

そのあと、なんか、しこまれてたんか、意識がとんでさ。


気がついたら数人の人に囲まれてました。

いたってシンプルな部屋だよね。


足の鎖さえなければ、逃げる算段するんだけどな。


「か弱いあなたを拉致するのは、気が進まなかったけど、お願い、あの子のお嫁さんになってちょうだい。」

頬被りのおばさんが頭を下げた。


あの、お嫁さん?あの子って誰?


「ルレーアス様のお妃はもっと、若い女性がいいと思います。」

見覚えある小柄な黄色い髪の男性が入ってきた。


「ヤファル、なに贅沢いっているの?可愛いじゃないの、ルレーアスの方が年上だし、それにカササダ家の跡取り娘を貰えれば、カササダ竜騎兵団がまるごとつくわ、エルフなんて目じゃないわよ。」

おばさんが言った。


贅沢?ルレーアス様ってあの男性だよね。


「カササダ竜騎兵団、ある意味、チエアイス武王国に多大な被害をもたらした、最強の傭兵団、それがこちらにつけば…体制はくつがえせる、エルフがつこうとも。」

どこか狂った瞳で武人風の男性が言った。


でもさ、私、たんなるじいちゃんの孫だし。

カササダ竜騎兵団って美形年下武人殿下が団長だよね。


つまり、私ごときじゃ動かないんじゃ無いのかな?


「私じゃ、カササダ竜騎兵団は動かないですよ。」

私は座らされてる椅子の上で体育座りをした。


そういや、足に繋がった鎖この椅子の脚に繋がってる。


取れるんじゃないかな?


「いいや、天刀(テントウ)のイグサの時代だから、アイルパーンにカササダ竜騎兵団がついているだけだ、カササダ竜騎兵団の主は常に、カササダ一族の総領が継いできた。」

武人風の男性が言った。


それなら、お父さんが跡取りなんじゃ?

従兄のウタシロお兄ちゃんとかさ。


「ええ、シキ・イアルダスは他の職業で跡取りは放棄してますから、間違いなく、セツラ・カササダが跡取りです。」

政治家風の男性が言った。


「私、セツラ・イアルダスです。」

一応いっておこう。


「イアルダスだろうが、カササダ竜騎兵団の本当の主戦力はセツラ殿を手にいれたものが制する、オズワルト殿下がカササダ竜騎兵団の団長になれたのも、セツラ殿の許嫁だからだ。」

武人風の男が腕組みした。


ええ?実力だよ。


「あの子のお嫁さんになるか、あの世にお嫁に行くか決めなさい。」

頬被りのおばさんがどこか、狂気じみた目で私に迫った。


あの世にお嫁に行く?

断ったら殺す気?


「もちろん、生きていたいわよね、まあ、あの世にお嫁に行くにしても、きちんと花嫁衣装は着せてあげるわよ。」

頬被りのおばさんが微笑んだ。


なんで、笑えるのさ。

怖い、助けて、ふるえがとまらない。


「この人を殺したら、大戦が起こると思いますよ。」

ヤファルさん言った。


「それ以前にこの国がカササダ竜騎兵団に蹂躙されるだろう、それでも、やらねばならん。」

武人風の男が言った。


「ええ、だから、私に貴女を殺させないでちょうだい。」

頬被りのおばさんが微笑んだ。


ああ、どうしよう。

まだ、死にたくない。

でも…美形年下武人殿下以外と

結婚したくない。


どうしたら、回避できるんだろう?

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