ついに会いました。(邪魔ですか~?)
美形年下武人殿下がどこか不本意そうに
接待を受けてる。
ああ、なんか、なつかしいよ。
「オズワルト王子殿下~、ご機嫌いかがですか~?」
デーケシ卿が言った。
舞いをまう女性たちを物憂いげに見ていた、美形年下武人殿下がこちらに顔を向けた。
「…………デーケシ卿、私は元気だ。」
美形年下武人殿下が驚愕したような目で私を見てる。
まあ、そうだろうね。
アイルパーン竜騎国にいるはずの私が目の前にいるんじゃね。
「ああーアイルパーン竜騎国の直売店を王都で出してる店主さんにー話し相手に来てもらったんですよーセツラ・イアルダスさんです~…イアルダスー?」
デーケシ卿が言った。
「セツラ・イアルダスでございます、王子殿下。」
私はうろ覚えのレディの礼をした。
やっぱり、竜乳は嫌いみたいだね。
手がついてないよ。
「セツラ…なぜここに。」
美形年下武人殿下が呟いた。
別に邪魔する訳じゃないんですよ。
むしろ、応援に来たのですが。
「…イグサ・イアルダス…シキ・イアルダス…ああー、宰相家令嬢がなんでこんなところにいるんだですかー。」
デーケシ卿が言った。
ま、まずい。
ばれた?
「あの、その。」
私は口ごもった。
「許嫁を回収にしに来てくれたんですねー♪」
なんか嬉しそうにデーケシ卿が言った。
び、美形年下武人殿下がなんか怖い。
「セツラは…イアルダス嬢はもう、私の許嫁ではない。」
美形年下武人殿下が言い切った。
「おやー?そうですかー?カーラアスト王太子殿下の隠し恋人ですかー?アースリース国王陛下の愛人ですかー?」
デーケシ卿が人の悪い笑みを浮かべた。
わー、そんな噂たってたんだ。
「もちろん、オズワルト王子殿下の許嫁ですよ。」
ヤヒコさんがニコニコと部屋に入って来ていった。
「もう、違う、私は縁談に来たのだから。」
美形年下武人殿下が言った。
自分に言い聞かせるように聞こえるよ。
「そうですかー、イアルダス嬢を僕がもらっちゃってもいいですよねー、縁談ありましたしー。」
デーケシ卿がますます、人の悪い笑みを浮かべた。
そういえば、ハブータエ皇女殿下がそんなこと言ってたよ。
「すきにするといい。」
美形年下武人殿下が顔をふせていった。
「そうですかーよかったー陛下が近く結婚する予定なので僕も結婚しようと思ってたんですよーイアルダス嬢、セツラさん、参りましょうー。」
デーケシ卿が私の肩をだいた。
そこまで、話が進んでるんだ…。
なんか悲しい。
違うよね、喜ぶべきだよね。
「………ダメだ。」
美形年下武人殿下が呟いた。
「幸せにしますよー。」
デーケシ卿がそういって今度は抱きしめた。
どうしよう…この人本気なのかな?
それとも、うそ?
どちらにしても、とろいしゃべり方とは裏腹に力強い…。
やっぱり、いやだ、美形年下武人殿下の前で他の人に抱き締められるなんて!
「やめてください!」
私はやっと反応した。
「なにいってるんですかー?私のために着飾ってくれたんでしょうー?」
デーケシ卿が頬にキスした。
「違います!美形年下武人殿下…そうじゃなくて。」
どうしたらいいの?
部屋にいる他の人はヤヒコさんを含めて動けないみたいだ。
「素直じゃないですねー、可愛いですー。」
頬擦りされた。
いやだ、美形年下武人殿下にすらされたことないのに!
「いやー!」
私は涙ぐんだ。
「そこまでにしていただこう。」
美形年下武人殿下がデーケシ卿の手から私を救いだした。
ああ、美形年下武人殿下だ。
美形年下武人殿下が私を抱き締めてる。
「…やっと、素直になりましたねー、やれやれですー。」
デーケシ卿が痛そうに手をさすった。
「やりすぎですよ。」
ヤヒコさんが微笑んだ。
「気持ち良くてー、ああ、オズワルト王子殿下ー、陛下から伝言ですー結婚はしないが、友好条約は何時でも受け付けるそうですー、あと、エルフはそのヤヒコさんクラスじゃないと、うちの国につかないと思いますよー。」
デーケシ卿が言った。
ヤヒコさんクラス?ヤヒコさん、何者?
「まあ、麗しいエルフの君は、平エルフ、引きこもりエルフですからね。」
ヤヒコさんが言った。
平エルフ?それがわかってるんならはやくいってよ!
「セツラ…帰ってくれ、アイルパーン竜騎国に、お前が心配で使命が果たせない。」
美形年下武人殿下が私を離した。
やっぱり、結婚する気なんだ…。
「オズワルト王子殿下ー。」
デーケシ卿が慌てたように言った。
まあ、信念の人というか、意外とガンコなんだよね。
「きちんと、帰ったら改めて求婚する、私は王族失格のようだ。」
美形年下武人殿下がそういって私の髪にキスした。
「どっちかっていうと、陛下の側近に欲しい仕事熱心な人ですー。」
デーケシ卿が呟いた。
「やれやれですね。」
ヤヒコさんが言った。
本当に、私に求婚してくれるの?
本当に?
嬉しい!
どうしよう。
「セツラ、愛してる。」
美形年下武人殿下が私を抱き締めた。
「嬉しい。」
私はあたたかい胸のなかで呟いた。
あとで考えると公共のば?でこっぱずかしいことしました。
でも、恋すると回りが見えないんですよ。
本当にさ。
もしかして、私だけ?




